涼しさを楽しむニセコビレッジの夏── 旅から考える持続可能な未来とは?
この記事に該当する目標

SDGsと聞くと、“環境のために何かを我慢する”というイメージを持つ人も少なくないかもしれません。しかし、旅の楽しみ方を少し変えるだけでも、持続可能な未来を考える第一歩になり得ると言えそうです。
北海道・ニセコに位置するニセコビレッジのグリーンシーズンは、そんな旅のあり方を考える一例かもしれません。オールシーズンリゾートとして知られているここは、7月・8月でも平均気温20℃前後と、都市部の酷暑に比べて過ごしやすい気候も大きな魅力のひとつです。
蒸し暑さを離れ、森や山、川に囲まれた環境の中で、自然そのものを楽しむ──このように、“涼しさ”と“豊かな自然”を旅の価値として捉えることは、気候変動によって夏の暑さが深刻化するなかで、地域の環境に適応しながら過ごす旅のあり方を考えるきっかけにもなりそうです。
夏の新しい過ごし方がここに。ニセコで自然の涼しさを楽しむ
旅行先を選ぶうえで、近年大きな要素になりつつあるのが“夏の暑さ”です。改めて、ニセコエリアの7月・8月の平均気温は20℃前後。つまり、都市部と比べて過ごしやすい気候のなかで様々な体験を楽しむことができるのが特徴です。




例えば、ニセコビレッジ内にあるアクティビティエリア自然体験グラウンド『ピュア』では、ツリートレッキングやレールスライダー、ジップラインといった森林アクティビティを多数用意。


ほかにも、森や湖を巡ったり、尻別川でラフティングやフィッシングを楽しんだりするのも、ニセコならではの過ごし方と言えるでしょう。冷房の効いた室内を移動するのではなく、自然に身を置くことで見えてくる豊かさがここに広がっているのです。
風を感じ、木々の緑を眺め、水の音を聞きながら過ごすひとときは、気候変動への適応という視点からも、これからの夏の旅を考えるヒントになるのではないでしょうか。
“観光資源”を未来につなげる試みとは?


そして、土地が持つ自然の涼しさを活かした「避暑」という選択肢を取るとき、同時に考えたい視点こそ、その環境をどう守っていくかということ。
現在、グリーンシーズンで盛り上がりを見せているニセコビレッジですが、最繁忙期でもある冬に向けて、新たな取り組みも進められているようです。
それが、今冬に導入されるという「新 森のゴンドラ」。段階的に進められるこのプロジェクトにおいて、まず第1区間が開業するとのこと。本取り組みは環境への配慮も重視しており、老朽化したリフトを最新ゴンドラと新チェアリフトに集約しています。
これにより、建設範囲を最小限に抑え、自然環境への影響を軽減することを目指しているそう。
より快適で魅力的なリゾートへ進化しながら、山の自然環境への影響はできる限り抑える──これは、森林や山岳環境との共存を考えるSDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の考え方にも重なります。自然を“観光資源”としてただ消費するのではなく、自然への影響をできる限り抑えながら、未来にも残していく。その視点が、これからのリゾートにはより重要になっていくように思います。
“知ること”が環境を考える第一歩
また、もう一つSDGsを考えるうえで大切なのが、“知ること”ではないでしょうか。
森の中を歩き、鳥の声を聞き、川の流れを感じる。雄大な羊蹄山を望むロケーションの中でゴルフをプレーする。……こうした多種多様な体験を通じて、その土地の自然が身近なものになれば、「この景色をこれからも残したい」という気持ちも、きっと生まれてきます。
ニセコビレッジのグリーンシーズンは、単に“夏でも涼しいリゾート”という位置づけにとどまりません。自然の中で遊び、地域の食や文化に触れ、そこで暮らす人々や土地の魅力を知る。
例えば、7月には「ニセコビレッジ ニコニコサマーフェスティバル」が開催され、北海道の町屋建築を取り入れた「ニセコ世」を舞台に、地元の食や文化を楽しむ機会も用意されていました。
さらに、9月20日に「Niseko Village Autumn Jazz -秋の音-」の開催が予定されており、爽やかな秋風が吹き抜ける屋外ダイニングで、北海道各地から集まるジャズバンドの生演奏を楽しみながら、北海道の旬のグルメをご堪能いただけます。
一つの観光スポットを訪れて終わるのではなく、その土地に滞在し、地域全体を楽しむという旅のスタイルも、持続可能な観光を考えるうえで重要な要素でしょう。アクティビティやイベントを通じて、滞在そのものを楽しむというリゾートの姿勢が感じられます。
“泊まって過ごすことそのものが、旅の目的になる”ことを見据えているようです。
“我慢するSDGs”から“楽しむSDGs”へ


環境に配慮した旅というと、何かを制限したり、便利さを諦めたりするイメージがどうしても付きまとうはず。
しかし、ニセコの夏には別の可能性があるように感じられます。自然の涼しさを感じながら、川や山の魅力を体験すること。そして、地域の食や文化を楽しむこと。その自然を守るために、リゾート側が「新 森のゴンドラ」に見られるような環境への配慮を重ねていく──“楽しむこと”と“守ること”の両立が、そこには宿っていました。
ニセコビレッジのグリーンシーズンをきっかけに考えてみると、この2つを別々に考えるのではなく、旅の中で同時に考えていくことが、これからの観光に求められる一つの形なのかもしれません。平均気温20℃前後の爽やかなグリーンシーズンに、ぜひ一度自然とともに過ごす旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。
執筆/フリーライター・黒川すい





