リサイクルの日に発売!人とペット、地球にもやさしい北洲の新床材「LoopClick」
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職人不足や人件費高騰といった建築業界の現場課題に応える次世代床材「LoopClick(ループクリック)」が、株式会社北洲から登場しました。
新商品発表会を取材した際、印象的だったのがその発売日です。あえて10月20日の「リサイクルの日」に選んだのには、“床を捨てる時代から、巡らせる時代へ”という同社の強い意志が込められていました。
業界を襲う2つの逆風と職人不足のリアル
いま、日本の建築・リフォーム現場は大きな2つの変化に直面しています。
1つ目は、2025年4月に施行された建築基準法の改正です。床を下地まで解体するような大規模リフォームでは、原則として建築確認申請が必要になり、手続きやコストの面でハードルが高くなっています。
2つ目は、世界情勢に起因するナフサ価格の高騰です。石油由来の副資材である接着剤や両面テープなどの供給が不安定になり、価格が上がっています。
さらに現場を苦しめているのが大工不足です。投影された資料によると、1980年に93.7万人いた大工就業者数は、2020年には29.8万人へと、この40年で約3分の1にまで減少しています。また、2020年時点で60歳以上の割合が約43%を占める一方、29歳以下はわずか約7%。さらに10年後にはこれが半減するという将来予測もあり、職人の技に頼った従来の施工方法では、現場が回らなくなる未来が現実味を帯びています。

登壇した北洲の永井聖悟専務取締役は、「剥がして捨てるという従来の床リフォームのやり方は、今まさに大きな曲がり角に来ている」と、現場の強い危機感を語りました。
カッター1本で「切って、はめるだけ」のスピード施工
大工不足という現場的課題に対し、北洲が出した答えが、製品名にも含まれる「Click(はめるだけで施工できる)」という仕組みです。
発表会では、実際に目の前で施工の実演が行われました。最大の特徴は接着剤や両面テープ、釘を一切使わない置き敷き工法である点です。使用する工具はカッターナイフ1本のみで、噛み合わせの微調整に補助用のゴムハンマーを用いる程度。従来のフローリング施工で必要だった丸鋸(まるのこ)を使わないため、粉塵や騒音が発生しません。


接合部にはスウェーデン・ヴァリンゲ社の国際特許技術「ヴァリンゲロック 2G PRO」を採用しており、斜めから差し込んで押し込むだけで隙間なくロックされます。熟練の技術を必要としないため、大工さんだけでなく、クロス職人など他の職種の方がリフォーム時に壁紙と床を一括で施工する「多能工化」にも適しています。


既存の床を剥がす解体型リフォームと比較して、工期は3分の1以下に短縮されます。同社の会議室(23平米)で行われた事例では、既存のタイルカーペットを剥がし、下地のOAフロアの上に施工し、わずか2.5時間(2人工)で完了したといいます。
デモンストレーションでは、接合部に水をこぼす止水テスト、ミニカーによる引っかき傷テスト、4kgの重りを落下させる衝撃テストも行われましたが、一度剥がして裏面を確認しても水の侵入はなく、表面の傷や凹みも見られない強靭さが実証されました。
床材国内初、100%水平リサイクルの物差し
環境課題に対するアプローチが、名前の前半である「Loop(床が、また床になる)」です。これまで、リフォームにおいて排出される使用済みの床材は、廃棄処分されるのが常識でした。塩化ビニル(PVC)などの複合素材でできていたり、施工時の接着剤が混入したりするため、分別やリサイクルが極めて困難だったからです。そのため、再生しても品質が下がるダウンサイクルか、焼却・埋め立て処理が主流となっていました。
LoopClickはこの現状を変えるため、素材を強靭でクリーンな「ポリプロピレン(PP)100%の単一素材」に絞り込みました。接着剤を使わずに施工するため、解体時にも他の部材や不純物が混ざりません。これにより、品質を落とすことなく、何度でも新しい床材へと生まれ変わらせる「100%水平リサイクル(Floor to Floor)」を床材として国内で初めて(カーペット材除く)実現しました。

災害やペットに寄り添う、これからのものづくり
実際に暮らす人や家族であるペットの視点に立った工夫も施されています。
1つ目は、近年多発する豪雨災害や床上浸水への備えです。水に強く、接着もしていないため、万が一の浸水時にも床材を傷つけずに取り外すことができます。洗浄・乾燥・消毒を行えば、もう一度同じ床材を貼り直してリユースすることが可能です。被災後のゴミ削減と、早い生活復旧に役立つことが期待されます。
2つ目は、犬や猫の足腰を守る高い防滑性です。LoopClickは、滑りやすい床で踏ん張ることで起きる関節事故(パテラなど)を防ぐため、高い防滑性(CSR-D 0.47)を持たせています。

また、密着構造によって継ぎ目に隙間ができないため、水やホコリ、ペットの毛の侵入をブロックします。粗相や水ハネもサッと拭き取るだけで、ニオイの元が床の隙間に溜まりにくい仕様になっています。原状回復の負担を軽くするため、ペット共生賃貸の普及にも寄与する設計です。

売って終わりにしない仕組み
これまでの建築業界は、高機能なものを「作って終わり、売って終わり」にしがちでした。
しかし、つくる産業(動脈)と回収・再生する産業(静脈)を一つの仕組みに繋いだLoopClickは、これからの循環型社会における新しいものづくりの姿勢を示しています。
永井専務取締役が最後に語った「販売量が伸びるほど、循環が多くなり、地球へのやさしさが広がる」という言葉の通り、足元から始まるこの試みがどう広がっていくか、今後も注目していきたいところです。
執筆/フリーライター こだまゆき





