昆虫食は環境を救うのか?「美味しくてすごい生き物展」が気になりすぎる
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昆虫食と言えば代表的な例として日本にはイナゴの佃煮があります。長野や群馬、一部東北地方など主に山間部の郷土料理として振舞われてきました。昆虫食と聞いて多くの人が連想するのはテレビのバラエティ番組などで、出演者が嫌々食べている様子が放送されるイメージがありますが、実は近年世界中で昆虫食が注目されているのをご存知でしたか。中国やタイ、中南米など昆虫を常食としている国はすでに多く存在していますが、なぜ今改めて、昆虫食が世界中で注目を浴びることになったのか見てみましょう。
現代社会における昆虫食。20代女性の4%は定期的に昆虫食を食べている
まず1つ目に、国連食糧農業機関(FAO)が2013年に公表した報告書で、2030年に人口が90億人に達すると見込まれる地球の食料問題解決の手段として昆虫食が注目されました。理由として昆虫は牛肉などの生産に比べ、土地や飼料・温室ガス放出量など、環境負担が大幅に少ないという点が挙げられます。次に、純粋に昆虫の栄養価の高さが評価されています。昆虫食専門会社TAKEOによるとコオロギのタンパク質含有量は69%と鳥むね肉や牛肉に比べると2倍以上。鉄分やアミノ酸、カルシウムなどの栄養価も高いことからトレーニーからも注目されている理由です。また、株式会社Sheepdogの行った昆虫食に関するアンケート調査によると、を行っており、昆虫食に興味があると答えた10-20代女性は34%、そのうち4%の20代女性は定期的に食べていると回答しています。近年では海外のセレブが昆虫食の魅力を語るなど、実際に生活に取り入れていることを発表しており、昆虫食に興味を抱く女性が意外と多いことが以上の調査からも分かります。
意外と多い、食べられる昆虫の種類
前述したTAKEO株式会社ONLINESTOREでは、様々な昆虫食が販売されています。見た目が苦手でなかなか手が出せないという方でも食べやすい昆虫粉末や、タガメのエキスのみを配合したタガメサイダーをはじめとする国産昆虫。その他にも日本では入手困難なサソリやタランチュラなどのレアアイテムや他、海外産昆虫とあらゆる昆虫食の購入が可能です。また昆虫食を使用したレシピなども掲載されており、食べ方のバリエーションを試すことができます。このように初心者から上級者まで昆虫食を楽しめるコンテンツが満載となっています。東京都内でも徐々にではありますが昆虫食が私たちの生活圏内で見かけるようになってきました。最近では上野、中野、渋谷などに続々と「昆虫食自動販売機」が設置され話題になっています。中には、女性向けに特化した商品を展開するものもあるそうです。
命の尊さを学びながら昆虫食に触れられるイベント
ここまで、昆虫食について言及してきましたが、実際に体験することもできます。サンシャイン水族館では2022年3月18日(金)から2022年7月10日(日)までの期間、特別展「美味しくてすごい生き物展〜美食奇食珍食生物図鑑〜」が開催中です。イベントでは何も知らずに食べると危険な生き物や、昆虫食についての解説や展示、そして昆虫食自動販売機や食に関する商品が購入できます。
以前、現代の子ども達を題材にしたテレビ番組企画でイカは食べたことあるが生きている段階のイカを見たことがないというシーンがありました。このような現象は珍しくなく、イカ以外にも加工される前の状態を知らないという子どもたちは多いようです。展示会では実際に見た生物を、調理して食べることで食物連鎖と命の大切さを体験することができます。親子で参加することにより食について、生き物を食べるということについて一緒に学びながら体験できるところがとても魅力的です。
昆虫食が教えてくれる未来とは
食料問題のカギを握る昆虫食ですが、おそらく流通が進めば進むほど賛否が出てくるでしょう。ヴィーガンの観点からどうなのか、乱獲、絶滅のループを生き物を変えて繰り返すことになるのではないかなど懸念点も挙げられます。ここで大切なのが私達人間は生きていく上で何かしらの犠牲の上に生かされているという意識を持つことの大切さです。人口増加による食料難を救う可能性として見出された昆虫もまた命を持ち、それを頂くというCircle of lifeの仕組みを昆虫食は教えてくれているのかもしれません。食生活に恵まれている我が国だからこそ、昆虫食イベントを通じて食品ロスについても改めて考えるいいきっかけになるのではないでしょうか。