【イベントレポート】未来を担う若者の新たなムーブメント。チェンジメーカー・フェス2022
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今年で2回目の開催となるチェンジメーカー・フェス、「Change Makers Fes 2022 オンラインパーティー ~誰かのために動く、キミのため日。~」が2022年3月19日にオンラインで開催されました。チェンジメーカーとは、社会の課題を自分ゴトとしてとらえ、自分を変えて、社会に変化を起こす人のこと。チェンジメーカー・フェスは、SDGsに紐づいた国内外の社会課題に対しアクションを起こした25歳以下の子どもや若者が集まり、活動家や著名人と一緒にこれまでのアクションや成果を祝い、互いのこれからの活動にエールを送るライブイベントです。今回は、スペシャルアンバサダーを務める土屋アンナさんや全盲シンガーソングライターのわたなべちひろさんの他、様々なゲストを迎えて開催。全国からチェンジメーカー達が集まりました。
全国から届いたソーシャルアクションの報告
本フェスは無料のイベントですが、参加条件となっているのが、各自がこの一年で起こしたソーシャルアクション(社会貢献活動)の報告です。取り上げる社会課題がSDGsに紐づいてさえいれば、アクションの規模は関係ありません。会場では、全国から届いたソーシャルアクションの内容や、アクションを実施した人数、ボランティアの時間、インパクトを与えた人数などの総数が参加者達に報告されました。
ソーシャルアクションの詳細は先日発行された「ソーシャルアクションレポート2021-2022」をご覧ください。
ゲストを迎えたトークセッション
続いて、ガリベンズ矢野さん、せやろがいおじさん、サヘル・ローズさん、波田野優さんの4名によるトークセッションが開催されました。
ガリベンズ矢野さん×せやろがいおじさん
ものまねの印象が強いガリベンズ矢野さんですが、実は小学校の教員免許をお持ちということで、昨年の同フェスではSGDs講義の講師も務められています。沖縄の海を背に社会問題につっこみを入れながら思いの丈を叫ぶ動画で有名なせやろがいおじさんも、昨年に続いて二度目の出演です。今回は、社会問題やアクションを伝える時に気をつけていることなど、参加者の啓発活動の参考にもなるトークが繰り広げられました。一つの社会問題を見ても、立場や状況によってその捉え方や感じ方は変わります。ある人にとっては大きな問題であっても、他の人にとっては当たり前で問題だと感じていないかもしれません。自分はこう思うけどみんなはどう思う?と、考えを押し付けない伝え方などが分かりやすく紹介されました。
サヘル・ローズさん
イラン出身で8歳の時に来日した、タレント・女優のサヘル・ローズさんは、4歳の時に家族を戦争で亡くされています。セッションでは、7歳まで戦争孤児院で生活されていたことや、その後養母と日本に来て起きたことなど、ご自身の生い立ちと経験について語られました。
友人関係に悩んだ中学生時代、養母から言われた「自分を信じて」という言葉に救われたというサヘルさん。参加者の中には、周りから「そんな活動は意味がない」と言われた方がいるかもしれませんし、今後そのような場面にぶつかるかもしれません。誰とも比べる必要なんてない。アクションを起こしていることの素晴らしさに自信をもって、そして自分を信じて、これからもチェンジメーカーとして活躍してほしいとのエールが送られました。
波田野優さん
最後に登場した小学6年生の活動家、波田野優さんからは、子どもの権利をテーマにしたトークが行われました。2023年には、いじめ・虐待・貧困といった社会問題に対応し、子どもの健やかな成長を社会全体で後押しするためのこども家庭庁が新設されます。併せて、子どもの権利を包括的に定めるこども基本法についても、制定に向けて準備が進められています。手紙やスピーチを通してこども基本法への政策提言活動に取り組み、去年は院内集会で直接国会議員に子どもの権利について訴えた波田野さん。子どもをとりまく環境やこども基本法の必要性、それらに対する思いが語られました。12歳の同世代の活動家によるトークということもあり、画面からは参加者が真剣に耳を傾けている様子が伺えました。
参加者同士の交流会
フェスの中では、参加者達がランダムな小グループに分けられ、この1年間に起こしたアクションや、今興味のある社会問題、これから起こしたいアクションについて紹介し合う交流タイムも設けられました。真剣な質問が飛び交いディスカッションが行われているグループもあれば、ゲストと和やかに話し笑いが起きるグループも。社会問題に取り組む参加者同士が顔を見ながら直接交流できるのはお互いにとって良い刺激になったのではないでしょうか。
スペシャルパフォーマンスも
終盤には、アンバサダーである土屋アンナさんとわたなべちひろさんによるライブパフォーマンスも開催。
両者のコラボライブとして中島みゆきさんの糸が披露され、オンライン会場はこの日一番の盛り上がりを見せました。
その他にも楽しいコンテンツが盛りだくさん
メインステージの他にも、協力団体のブースや参加者間の情報共有ルーム、記念撮影ができるルームなどが出入り自由な形で用意され、メインプログラム以外での出会いや交流を楽しむ参加者も多く見られました。
また、イベントの最後にはこの日参加できなかった著名人の方からの応援メッセージがエンドロールで紹介。様々な著名人からのエールを受け、参加者達も大きな自信となったことでしょう。
来年の応募も開始!アクションを起こそう
社会問題に対してアクションを起こした若者だけが参加できる本イベント。沢山の仲間たちに出会えたことは、参加者達への励みにもなり、そしてより良い社会を創るための新たなアクションを起こすきっかけに繋がったはずです。どんな小さなことでも、アクションを起こした人は立派なチェンジメーカーです。社会にはどんな課題があるのか、そしてどんなことができるのか。若者が主役の新たなムーブメントに今後も注目です。
2023年のイベントに参加できるアクションの報告はこちらから。
writer黒川/editer森川