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サステナブルなコーヒー生豆流通の透明化をめざす、世界初のオンラインプラットフォーム「TYPICA」が正式ローンチ!


この記事に該当する目標
1 貧困をなくそう 8 働きがいも経済成長も 10 人や国の不平等をなくそう 12 つくる責任つかう責任
サステナブルなコーヒー生豆流通の透明化をめざす、世界初のオンラインプラットフォーム「TYPICA」が正式ローンチ!

みなさんは、「ダイレクトトレード」という仕組みについてご存知でしょうか。
以前から「フェアトレード」という言葉はよく耳にしていたかもしれません。
「フェアトレード」とは、開発途上国の農産物や工芸品を公正な価格で取り引きし、生産者や労働者に正当な対価と人間らしい生活を保障することを目的とした「貿易のしくみ」のこと。これまで貧困で苦しんでいた、開発途上国の農家や労働者の環境を改善するサステナブルな取り組みとして注目を集めてきました。

一方、近年流通における新しい潮流のひとつとなっている「ダイレクトトレード」とは、
品質の良い農産物や工芸品を農家から仲介業者を挟まずに直接取り引きを行う仕組みのこと。品質に見合った価格を直接受け取ることができるので、生産者側のメリットがより大きくなります。
近年では、この「ダイレクトトレード」に注目し、取り組みを行う企業も増えてきています。
コーヒー生豆流通の透明化をめざすオランダ発のグローバルスタートアップTYPICA(https://typica.jp/)は、
コーヒー農家と自家焙煎コーヒー事業者(ロースター)による麻袋一袋単位でのコーヒー生豆のダイレクトトレードを可能にする、世界初※のオンラインプラットフォーム「TYPICA」(ティピカ)を4月6日にローンチ。正式ローンチに伴い、同日に都内で記者会見と試飲会を開きました。
※TYPICAの自社調べにより

「TYPICA」は昨年のプレローンチから1年3ヶ月の期間を経て、既にロースター500軒以上が登録し、現在200軒以上がTYPICA経由でコーヒー生豆を購入しています。日本全国にあるロースター市場から見ても、多くのシェアをつかんでいます。

「TYPICA」は、バリスタやロースターなどコーヒー業界で18年間の経験を持つ山田彩音氏と、後藤将氏により、2020年に創業されたグローバルスタートアップ企業です。
サービスは世界でもSDGsやサーキュラーエコノミー(循環型経済)を先導するオランダで主に手掛けられており、アムステルダム発祥のコーヒー生豆マーケットにおいて、オンライン取引によるダイレクトトレードを推進しています。

コーヒーの世界需要は毎年2%のペースで増加しているのですが、生産量はそのスピードに追いついていません。

その背景には「コーヒーは昼夜の寒暖差が大きく標高が高い地域が生産に適しているものの、気候変動により収穫量が減少に転じる農地が増えている」、
「コーヒーはコモディティ商品として先物市場で取引されるほか、投機対象にもなっており、価格変動がもたらす生産農家への影響が小さくない」という大きく2つの問題が挙げられています。生産量が上がれば価格が下がり、農家が品質を向上させても価格には反映されないのです。

これらの課題を解決する手段として生まれてきたのが、コーヒー農家とロースターが直接取引するダイレクトトレードと、コモディティ品種だけに頼らずコーヒーの生産地特性を楽しむスペシャルティコーヒーを楽しむ文化です。
アメリカ西海岸のカフェを皮切りに起こったサードウェーブも追い風となり、世界中にユニークなコーヒーが流通していきましたが、その恩恵に預かったのは経営規模の大きい店舗が多いのが現状。コーヒー流通の複雑さから、中小規模の生産者やロースターはこの波から取り残されていました。

中小規模の業者にとって一番の障壁となった点は、生豆を直接取引する際の最小単位が決められていることです。現在、生豆は最小で1コンテナ単位(重さ18トン、生豆麻袋で300袋)の取引が求められるため、一度の収穫でそれに満たない生産量しか無い生産者や、大量の豆を捌けないロースターは直接取引ができませんでした。

TYPICAでは、農家から収穫・発送予定の「ニュークロップ(新豆)」のリストを集めて掲示、ロースターはそれを麻袋1袋(60kg)単位で購入することができるため、中小規模の業者にとって障壁であった問題点をクリアにすることができます。
その結果、コーヒー流通の最上流であるコーヒー農家と消費者に最も近いところにいるロースターが直接繋がることができるため、コーヒー生豆流通のDX(デジタルトランスフォーメーション)が生じ、食品トレーサビリティ(生産者名、農園名などコーヒー豆の情報や流通経路が明確にされ、ロースターや消費者まで届けられる透明性のこと)も担保されるのです。

コーヒーの直接取引を行うことで、輸出入時の手続きやサンプルとは品質が違うものが届いてしまった場合の対処など問題点は発生しますが、こういった問題解決もTYPICA側で担うことで、より多くの中小規模ロースターに新鮮なコーヒーを届けることを目指しています。
現在、TYPICAは日本国内でのコーヒー生豆の流通から始めていますが、今後台湾や韓国などアジア圏のほか、ヨーロッパのロースターにもサービスを提供していくことを視野に入れているそうです。
「ダイレクトトレード」の推進により、コーヒー豆の流通がよりサステナブルなものになることを期待したいですね。
「TYPICA」公式サイト https://typica.jp/