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雇用障害者数、実雇用率ともに18年連続過去最高。障害者雇用の促進に必要なこととは?


この記事に該当する目標
8 働きがいも経済成長も
雇用障害者数、実雇用率ともに18年連続過去最高。障害者雇用の促進に必要なこととは?

SDGsのスローガンになっている、『誰一人取り残さない』この言葉の意味を考えたことはありますか。
国連に制定されている英文だと「No one will be left behind」となり、英語にすると状況がよく見えると思います。後ろを振り返ったときに、誰か取り残されていないか、そうなってはいけないという強い意味が込められていると感じます。それは、貧困だけでなく障害を持っている方、老人、子供と、もしかしたら取り残されるかもしれない人全員に当てはまるのではないでしょうか。

日本での障害者雇用の現状

障害者雇用の問題を取り上げるにあたって、まずは日本にいる障害者の人数を見てみましょう。内閣府の公式文書によると日本には964万7千人の障害者がいて、比率にすると約7.6%の人が当てはまるそうです。障害の内訳も発表されています。
身体障害者436万人
知的障害者109万4千人
精神障害者419万3千人
令和3年版 障害者白書 全文(PDF版)| 障害者の状況

分かりやすくするためにこの数値を総人口1,000人当たりの人数で見てみましょう。身体障害者は34人、精神障害者は33人、知的障害者は9人、となります。
莫大な数字だと想像ができませんが、こうして規模を小さくしてみると想像より多くの方が何らかの障害を持っている事がわかります。どのくらいなんだろう?と思いながらも、実感が持てずに問題意識が芽生えないのがマイノリティの問題点です。まずは、自分の生活の単位にしてみて想像をしてみることでも社会問題と向き合うための第一歩となります。

数ある社会問題の中でも今回は、障害者の方に関わる「No one will be left behind」社会における障害者雇用の促進についてです。これは、スローガンだけではなくSDGsの目標8働きがいも経済成長も」に含まれます。
日本では、障害者が働く機会を得て、ともに生活できる社会の実現をめざし、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(通称「障害者雇用促進法」)が制定されています。その実績は一見すると順調で、障害者雇用率は民間企業で前年比3.4%増、18年連続最高を記録しているにも関わらず、国が定める法定雇用率には達していないという事実が厚生労働省の発表から分かります。
法定雇用率とは全体の従業員に対して一定数の障害者雇用が求められ、その比率を指します。民間企業では2.3%の雇用比率を目標としており、今年は増加したものの法定雇用率は2.2%と目標の達成までは至りませんでした。
参考:厚生労働省 令和3年 障害者雇用状況の集計結果

筆者が過去に障害者雇用に関わっていて感じたことですが、急速に進む少子高齢化で労働力が減少している中では、障害者が不自由を感じずに、活躍できる環境作りや風土改善が必要になります。そのため障害者雇用を実施し成功している企業は一握りの大企業で、中小企業はなかなか踏み出せずにいるのが現状です。雇用をするだけではなく、雇用した後に彼らにとってあらゆる方面から公平な企業でいられるのか、持続性ある企業のチカラが必要だからです。

株式会社スタートラインが展開する屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI」

日本では1960年「身体障害者雇用促進法」が制定されました。その後1976年には改定され、その内容は達成すべき義務として強制力を持つことになりました。このように約60年間もの間、根強い障害者雇用の課題を解決するために、「IBUKI」というサービスが注目されています。IBUKIとは、数々の障害者雇用支援サービスを提供する「スタートライン」が手がけた障害者の雇用支援サービスの一つ。通勤が困難な障害者や企業の担当者が通いやすいよう、主要駅からアクセスの良い場所に立地する、地域に根差した屋内農園型障害者雇用支援サービスです。IBUKIのサービスでは、天候の影響を受けにくく、設備・環境を 整えやすい屋内型農園を活用し、近隣の福祉施設等の支援機関と連携しながら、「通勤が難しい」「特別な配慮が必要」など様々な理由で働くことを困難に感じている方へ、それぞれの障害の状況に合わせた働き方を提供しています。このサービスは、障害者雇用に対して課題を抱える企業へ新たな雇用形態の選択肢の1つとして提案されています。

障害者雇用で大切なこと

障害者の雇用を促進していくうえで大切なことは、障害者に対する偏見を無くすことだと思います。障害者という言葉をここで使っていることがもしかしたら正しくないのかもしれません。このように障害者とひとくくりにしてしまいがちですが、それは偏見の対象ではなく、できないことがあるだけ、世間的に健常者と言われる人も多かれ少なかれ、できないこと、苦手な事がありますよね。それを区別するのではなく、同じ世界で考えてみてはどうでしょうか。
筆者が障害者雇用に携わっていた際、障害を持つ当事者は、そのような偏見や同情されることを望んでいるわけではありませんでした。普通に働き、その働きに対する評価をもらい、対価を受け取りたいと考えています。自分の働きが、チームやお客様など、誰かの役に立つことで、仕事への満足感や達成感につながることは、障害の有無に関係なく誰にとっても同じです。
一つだけ、障害のある人の中には、社会人経験が少ないため仕事の仕方や効率的に行動することが難しいことがあります。そのため、彼らに任せる仕事を考えるときにそのような背景を持つ人でも、仕事ができるような仕組みづくりを行なうことが大切です。

最後に

今「誰一人取り残さない」ために何をするべきなのか、個人としてできることは何か、企業としてできることは何かを考えてみてはいかがでしょうか。いつも、社会を動かすきっかけになるのは1人の行動から、それが同志に伝わり組織が動き、社会そして国が動きます。
今回の課題となる障害者雇用のハードルは人次第で乗り越えられる課題も多いように感じます。それは会社の規模に関わらず、これまで培ってきた会社のチカラで貢献できることかもしれません。少しでも気になった方は今回ご紹介した株式会社スタートラインに問合せをしてみてはいかがでしょうか。どうやったらいいかわからないというファーストステップのヒントになるかもしれません。


【参考サイト】
株式会社スタートライン公式HP