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本業1本で大丈夫?令和のパラレルワーカーに学ぶ新しい働き方


この記事に該当する目標
8 働きがいも経済成長も
本業1本で大丈夫?令和のパラレルワーカーに学ぶ新しい働き方

皆さんは、複業という言葉を聞いたことはありますか?副業は馴染みのある単語ですが、複業とは、本業を複数持った働き方のこと。最近は副業ではなく複業で働く、パラレル(並行)ワーカーと呼ばれる人たちが増えています。少し前までは、会社に属す人が何か新しいことを始めたりチャレンジしたりする時にはやむを得ず退職するという道しか存在していませんでしたが、2018年に働き方改革関連法が公布されたことをきっかけに、企業も副業をはじめとした柔軟な働き方を推進するようになりました。今の仕事に不満がある人も、パラレルワークを取り入れることで納得できるキャリアが見つかるかも?

パラレルワーク=複業とは?

パラレルワークとは、簡単に説明すると複数の仕事を優劣なく並行して行う働き方のことです。仕事と書きましたが、NPOへの参加やボランティア活動、大学院に通ったり研究に励んだりなど、報酬とは関係のないビジネス以外の活動も含まれます。複数の仕事と聞くと副業を思い浮かべる方も多いと思いますが、メイン・サブがはっきりしている点や収入を目的としている点に於いては少し違う働き方になります。
ここ数年は大手企業でも新しい働き方が推奨されるようになり、副業を容認する動きは増えています。実際に、従業員のモチベーション向上やスキル向上、多様な人材の確保やオープンイノベーションによる新規ビジネスの機会創出など、従業員だけでなく企業にとっても大きなメリットがあると言われています。パラレルワークは副業ではカバーできなかった社員の自己実現を満たしてくれます。今後、企業は副業を超えてパラレルワークを容認・推奨するといった、多様な働き方が主流になっていくかもしれません。

【実例①】会社員×芸人×会社経営 ラランド サーヤさん

画像出典:株式会社レモンジャムより

芸人であり会社員であり会社経営者でもあるという3つの顔をもつサーヤさん。ラランドを結成したのは大学生の時でしたが、フリーで芸人を続けながら新卒で大手広告代理店に入社しました。当時から、表に出ることも裏方で働くことにも興味があり、どちらも中途半端にしたくないと平日の仕事終わりや週末にネタ作りをする日々が続いたそう。今はIT系の会社に転職されましたが、それぞれで得たものをそれぞれに活かせることで自分の強みを発揮できることや、仕事ややりたいことを1つに絞らず逃げ道を作れることがパラレルワークの利点だと語っています。
また、最近では川谷絵音さんと音楽活動も開始し、作詞作曲とボーカルも担当されています。パラレルワークの幅を広げているサーヤさんの活動にこれからも注目です。

【実例②】4足のわらじを履きこなす 高田桃衣さん

画像出典:高田桃衣公式Twitter(@momoi_takada

フリーアナウンサーとして活動されていた高田さんは、コロナ禍で自分のキャリアを見つめ直し、アナウンサー1本ではなくオンリーワンを目指そうと、新らたな道へ舵を切りました。パラレルワーカーを目指すためにまずやったことは、経験、スキル、興味、やりたいことの棚卸し。元々はとバスのイメージガールとして約3年間PR活動に従事されていたという経験から、「広報」を軸に、アナウンサーと話し方講師、マーケティング支援という自分だけのパラレルワークスタイルを確立されたそう。一見接点のないような仕事でも、それぞれの経験があるからこそ活かせるポイントがあり、オンリーワンを極められています。
自分には何ができるか、どんな自分でありたいのかキャリアを考えるうえでも、スキルや興味の棚卸しは重要な作業かもしれませんね。

こんな働き方もある!ギグワークで顧客理解を研究

画像出典:スキマバイトサービス「タイミー」・スキルマーケット「ココナラ」より

ギグワークとは、企業と雇用契約を結ばずに、単発の仕事を受ける働き方のことです。スキルシェアのサービスを使った仕事や、フードデリバリーの配達員などが有名ですが、その他にもスキマ時間を使ってコンビニでスポット的に働くなどその職種は幅広く存在します。場所や時間、企業に縛られず、アルバイトよりも手軽に働くことができるという点が注目されがちですが、企業のマーケッティング部門で働く社員が顧客の理解を深めるためにコンビニで働くなど、その使い方は様々。普段フルタイムで働く人にとって、アルバイトや副業はそう簡単に始められるものではありませんが、ギグワークを取り入れることで視野が広がり、新たな気づきを得ることができるかもしれません。

働きがいとは何か、もう一度考えよう

SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」。若者の離職率の高さが各所で叫ばれていますが、このコロナ禍で改めて「働きがい」とは何なのかを見つめなおす動きがでてきています。事実、厚生労働省の調査によると、働きがいと離職率の低さは相関関係があると言われています。また、それだけでなく、働きがいが会社と個人の生産性の向上にも関係していることが分かっています。個人にとっても企業にとっても大きな選択である、複業・ギグワーク。働きがいを感じるのは従業員ですが、そのためには企業も様々なサポートが必要です。その一つとして、今回紹介したような多様な働き方を積極的に取り入れるのは、社員の働きがいを後押しする有効な手段になるのではないでしょうか。

企画・編集/井口
ライター/黒川