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大阪・関西万博で「復興のストーリー」を展示、復興庁と荒川静香さんと考える住み続けられるまちづくり


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大阪・関西万博で「復興のストーリー」を展示、復興庁と荒川静香さんと考える住み続けられるまちづくり

今年いよいよ開催される大阪・関西万博。この中で、世界中の人々が半年間にわたり集い、いのち輝く未来社会を世界と共に創造することを目的として行われる「テーマウィーク」が実施されます。

そのうちのひとつ、「未来のコミュニティとモビリティウィーク」において復興庁は、被災地発の未来社会に向けた「震災伝承・災害対応」、「食・水産」、「最新技術」や「福島国際研究教育機構(F‐REI)」など、大きく4つをテーマとする「復興のストーリー」を展示することを決定。

1月22日(水)、復興庁記者会見室で行われた「復興庁万博展示 キックオフイベント」では、伊藤忠彦復興大臣と、復興庁 2025大阪・関西万博復興PRアンバサダーに任命されたプロフィギュアスケーター・荒川静香さんが登壇し、展示についての紹介や、それぞれの意気込みなどを語りました。

万博で「力強く立ち上がる被災地の姿」を世界へ発信

世界からの注目が集まる万博という機会を活かし、東日本大震災から『よりよい復興(Build Back Better)』を目指して力強く立ち上がる被災地の姿を国内外の多くの方に知ってもらうため、5月19日から24日の6日間、EXPO(エクスポ)メッセ会場で、復興庁は『東日本大震災からのよりよい復興』の展示を行います。

コンセプトは「つむぎ、つづける。」。震災伝承・災害対応、食・水産、最新技術や福島国際研究教育機構(F‐REI)など、大きく4つのテーマをもとに復興のストーリーの展示を予定。被災地に関わる人々の様々な想いや行動がつむがれ、被災地の未来へとつづく、そんな展示が行われます。

「東北は心の故郷」、PRアンバサダー荒川静香さんが被災地で感じたこと

今回の万博での展示企画にあたり、プロフィギュアスケーターの荒川静香さんが「復興PRアンバサダー」に就任。
高校卒業までを宮城県で過ごし、2021年3月に復興推進委員会委員にも就任している荒川さんは「高校卒業まで宮城県で過ごした私にとって、復興PRアンバサダーへの就任はとても光栄に思います。被災地には、震災後に発展した技術などもあります。震災の記憶、そして学びを未来へとつなげる大阪・関西万博での復興庁の取り組みを、私も力強くPRしたいと思います」と意気込みを語りました。

荒川さんは、1月22日より復興庁の公式ホームページで公開されている「東日本大震災からのよりよい復興」をテーマとした万博展示の内容を紹介するPR動画にも出演しています。

震災直後、救援物資を詰め込んだ車で被災地へ向かったほか、東北で被災した農家さんの話を聞いたり、避難所を慰問したりと、これまで様々なかたちで被災地の方の声を聞いてきた荒川さん。「東北は心の故郷」だとも話し、「被災地を訪問するなかで、東北の人我慢強さや結びつきの強さを感じました。私たちも支援の心を持ち続けることが、より未来に向かって力強く進んでいくことに繋がるのかなと私自身が学ばせていただきました。」と語りました。

また伊藤復興大臣は、「この動画を御覧になっていただいた少しでも多くの方々に大阪・関西万博復興庁テーマウィーク展示に足を運んでいただければと思います。何より大事なのは、復興庁テーマウィーク展示をきっかけに多くの方々に被災地まで足を運んでいただくことだと考えております。実際に被災地に来ていただき、現地の様々なものに触れていただくことで、心動かされる体験をしていただけると信じています」と力強く話しました。

皆でつくる、復興のシンボル「奇跡の一本松」

復興庁の展示の中でメインとなる企画のひとつが、「成長する『奇跡の一本松』」。国内外から被災地へのメッセージを集め、岩手県陸前高田市にある、復興のシンボルである「奇跡の一本松」を形づくるデジタルモニュメントとして、万博が開催される4月13日から10月13日までの期間中、東ゲートゾーンに常設で展示されます。

これまで復興庁が出展したイベントなどを通じ、発表会が行われた1月22日の時点ですでに2063通ものメッセージが集まっていたというこの企画。現在、「大阪・関西万博 復興ポータルサイト」で、「3.11を忘れない。想いをつなぐ未来レター」と題し、「3.11や復興に関する想い」をテーマとしてさらに多くの方からのメッセージを集め、復興のシンボルである奇跡の一本松を形づくることを目指しています。

沢山の想いが希望となり被災地の未来を動かしてくれることを願って、この日は、伊藤大臣と荒川さんもメッセージを投稿しました。

伊藤復興大臣:明るく元気な東北を目指して 皆さんと共に 力強く一歩一歩進めてゆきましょう!

荒川静香さん:常に「今」 最善を尽くしている先に 未来へとつながる道 共に

伊藤大臣は、「震災からの復興は、被災地の方々の御努力、また関係者の御尽力により、着実に進んでいる一方で、地域によって状況は様々ですが、明るく元気な東北を目指して、皆さんとともに復興に取り組むことが何より重要です。多くの皆さんに、是非、被災地に足を運んでもらいたいと思います。」と重ねてアピール。
荒川さんは「大臣のメッセージとも似ているのですが、今を、一日一日を大切にして、目標や夢に向かって一歩一歩前を目指していくことが、とても大事なことだと思うんです。よりより未来につながる道は、この一歩が、きっとその道につながっていると信じていくことで、強い力になると思っています。そんな思いを込めて書いてみました」と話しました。

今後ポータルサイトには、岩手、宮城、福島の三県の知事や、各県ゆかりの著名人などのメッセージが掲載されていく予定とのことです。

大阪・関西万博復興庁展示100日前イベントも開催決定

また、5月19日から始まる大阪・関西万博出展に向け、その約100日前となる2月上旬に岩手・宮城・福島の被災三県の震災伝承施設で「2025年大阪・関西万博 復興庁展示 100日前イベント」を開催することが決定。伊藤復興大臣、荒川さんも参加する2月8日(土)の福島会場を皮切りに、2月9日(日)宮城会場、2月11日(火)には岩手会場で、計3日間にわたり行われます。

各会場では、万博の出展概要を紹介するほか、万博出展コンセプトでもある『つむぎ、つづける。』をテーマとしたトークセッションや、被災三県の魅力を伝える学生たちと連携した『招待状作成ワークショップ』取組み発表、各県の調理系専門学校の生徒たいが考案した『地元学生のアイデア輝く、想いをつなぐ復興グルメ』企画のアイデア紹介などが行われます。

3.11から、もうすぐ14年が経とうとしていますが、未だ避難所での生活を余儀なくされている人も多くいます。震災の記憶は、「風化させないこと」が大切です。

『Build Back Better』、震災前よりも、より良い復興を目指して。SDGsの目標11にもある、だれもがずっと安全に暮らせて、災害にも強い、「住み続けられるまちづくりを」。大阪・関西万博の復興庁の展示をきっかけに、皆で一緒に考えてみませんか。


執筆/フリーライター Yuki Katagiri