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東日本大震災からの復興の軌跡!万博で世界中の人に届ける未来社会への取り組み


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東日本大震災からの復興の軌跡!万博で世界中の人に届ける未来社会への取り組み

今年世界で注目されているイベントといえば大阪・関西万博。4月13日(日)から10月13日(月)までの開催が予定されています。大阪での万博開催は1970年以来。2005年に名古屋で開催された愛・地球博に続き、20年ぶりに日本で開催される国際博覧会となります。今回の2025年大阪・関西万博は、世界中から「いのち輝く未来社会」への取り組みを持ち寄り、SDGsの達成と共にその未来を創造する「テーマウィーク」が実施されます。これに伴い、復興庁は被災地の未来社会に向けた復興をテーマに「未来のコミュニティとモビリティウィーク」にて復興ストーリーを展示します。

「2025年大阪・関西万博 復興庁展示 100日前イベント」

復興庁では万博事業のテーマ「つむぎ、つづける〜Build Back Better〜」を元に「震災伝承・災害対応」、「食・水産」、「最新技術」、「福島国際研究教育機構(F‐REI)」といった展示を予定。プロフィギュアスケーターの荒川静香さんをPRアンバサダーに迎え、世界で4番目に大きいとされた東日本大震災からの復興を目指す被災地の姿を発信します。

この展示に向けて2月8日、9日、11日に福島、宮城、岩手の3か所で「2025年大阪・関西万博 復興庁展示 100日前イベント」が開催されました。ステージイベントは、各地の関係者によるトークセッション、招待状作成ワークショップ「TOHOKU MOMENT」の紹介、地元学生による復興グルメ紹介がメインとなりました。

2月8日(土)福島県双葉町 「東日本大震災・原子力災害伝承館」

イベント初日の福島「東日本大震災・原子力災害伝承館」にはPRアンバサダーの荒川静香さんも駆けつけました。トークセッションでは、地元のテクノロジー、再生可能エネルギーなどに関わる方々の間で〜福島の未来を担う子どもたちへ私たちができること〜をテーマに復興に向けた思いや取り組みが話されました。

2月9日(日)宮城県石巻市 「みやぎ東日本大震災津波伝承館」

津波の痕が残る石巻市震災遺構「門脇小学校」。このすぐ近くにある 「みやぎ東日本大震災津波伝承館」では、〜デジタルを活用した宮城の水産業の未来〜をトークテーマにセッションが行われました。福島では、漁師さんがスマートフォンで海の状況を見られるといった水産業のDX化が盛り上がっているとのこと。さらに海中のがれきなどの処理がAIロボットでできる最新技術が活躍しているそうです。東北大学 タフ・サイバーフィジカルAI研究センター長の田所諭先生は、「福島の復興から世界の課題解決をしていくベースをつくることができるのではないか」と持続可能な未来への提案をされていました。

イベントの終盤では、多賀城高等学校 災害科学科の生徒たちにより招待状作成ワークショップ「TOHOKU MOMENT」の取り組みが紹介されました。このワークショップでは、岩手・宮城・福島の東北3県の観光地や復興の跡、また地元に住む人やそこの景色などを万博の来場者へ伝え、実際に訪れてもらうための招待状を作ります。

多賀城高等学校 災害科学科は、東日本大震災の教訓を次世代に伝承し、人々の命と暮らしを守ることを目標に設置された学科です。この学科で日々震災に関するフィールドワークなどを行っている生徒たちが、県内外の人々へ宮城の魅力を伝えたいという思いで「TOHOKU MOMENT」に参加したということです。これはまさに被災地の「つむぎ、つづける〜Build Back Better〜」を体現したものになりました。

2月11日(祝・月)岩手県陸前高田市 「高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設」

最終日の岩手「高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設」では、地元の料理系専門学生のアイデア輝く、想いをつなぐ復興グルメとして株式会社北三陸ファクトリーの「洋野うに牧場の四年うにUNI&岩手産バターSPREAD」、岩手県産株式会社の「Çava(サヴァ)缶」が紹介されました。地域の復興には、食・水産業の再生が欠かせません。これらのアイディアは地域を巻き込んだ新たな取り組みとして、世界中の人に食べてもらえるよう工夫されています。

大阪・関西万博ではイベント運営における経済、社会、環境への影響について管理し、イベントの持続可能性をサポートするいくつかのガイドラインを定めています。イベント自体にSDGsな取り組みがされていますが、中でも「未来のコミュニティとモビリティウィーク」の展示は、目標11「住み続けられるまちづくりを」について考えるきっかけになるでしょう。

大阪・関西万博 復興ポータルサイトでは、復興のシンボルである「奇跡の一本松」をかたちづくる未来レターを誰でも送ることができます。実際に万博や被災地に行けない人も、復興のため未来に向けて頑張る人々を応援できるチャンスです。震災で得た教訓を風化させないように一人ひとりができることを続けていきましょう。


フリーライター  北原沙季