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500年の森が銀座に息づく──GINZA SIXで吉野杉を使った3年にわたる壮大なアートプロジェクト「A Tree」始動


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500年の森が銀座に息づく──GINZA SIXで吉野杉を使った3年にわたる壮大なアートプロジェクト「A Tree」始動

美しい自然や日本の文化を感じられる場所として、世界中の人が訪れる奈良県吉野。その吉野の自然の中でも、多くの人を魅了しているのが、数百年に渡って奈良が誇る一大ブランド木材の吉野杉。
そんな吉野杉を使用したアートプロジェクトが、GINZA SIXの屋上や館内に出現。
今回は、GINZA SIXにて行われている吉野杉の文化を感じることのできるアートプロジェクトを取材してきました。

【GINZA SIXと中村圭佑率いるDAIKEI MILLSとの協業プロジェクト 「A Tree(エイ・ツリー)」】

銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」では、2025年4月17日(木)より、中村圭佑さん率いる設計事務所 DAIKEI MILLSと協業し、「一本の木が家具となり建築となる」、その価値変換プロセスを多角的に魅せていく継続的なアートプロジェクト「A Tree(エイ・ツリー)」を始動しました。

今回のプロジェクトをGINZA SIXと協業することになった、中村圭佑さんは、2011年に設計事務所 「DAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)」を設立しました。これまでにCIBONE、ISSEY MIYAKE、NOT AHOTEL、LEMAIREなどの商業空間からavex、kontakt、Takramなどのクリエイティブ企業のオフィスまでさまざまなプロジェクトに取り組み、人と空間の在り方について一貫してデザインの実践を通して考え続けています。
また、GINZA SIXでも、これまでも多くのアートや文化を発信していました。そんなGINZA SIXとDAIKEI MILLSが協業して取り組む、今回のアートプロジェクトは3年間にも及ぶ大規模プロジェクトになっているそうです。その第1フェーズとして、屋上や館内に吉野杉の文化を感じることのできるアートが展開されています。

【ROOFTOP ART PARK】

年輪の幅が細かいことから狂いが出にくく、丈夫な吉野杉。美しさと強さを同時に兼ね備えた202個の吉野杉の木片が屋上庭園に広がっています。吉野杉は全て「背割り」という、乾燥による材面割れを防止・軽減させるための製材工法が施されています。夜はこの「背割り」を用いた演出で、幻想的な光が現れます。銀座の地に突如現れた500年以上続く吉野の森を肌で体感することができます。
※2025年6月1日(日)まで

Photo by Yasuyuki Takaki

【吉野杉の原木の魅力を伝えるファニチャー】

館内のレストランスペースには、吉野杉の原木を使用したゆったりと腰をかけて休憩ができるファニチャーが設置されています。木の温もりとともに、吉野杉の原木ならではの美しさに触れることができます。

Photo by Yasuyuki Takaki

【古くから良材の産地として名高い奈良県「吉野杉」】

今回のアートプロジェクトに、吉野杉が使用されている理由には、その日本のものづくりにおける文化の根深さにあるそうです。吉野林業の「密植」と「こまめな間伐」からなる独自の育林方法はおよそ500年前、室町時代から今もなお受け継がれており、丁寧な世話によって現れる美しい木目と丈夫さは、日本の伝統的な建築物や神社仏閣、茶室から家具、割り箸に至るまで、広く日本のものづくりを支えてきました。

日本のものづくりの原点とも言える吉野杉をアートに落とし込むことで、「モノ」ができるまでの過程を実感することができます。

吉野の森で育まれた吉野杉の美しさと、日本のものづくりの文化を五感で感じられるアートプロジェクト「A Tree」。3年の年月をかけて、GINZA SIXとDAIKEI MILLSの協業で生まれる新たな取り組みに今後も注目です。銀座の中心で、自然と文化の調和を感じるひとときを、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。