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再生可能エネルギーを100%使用した電力で運用!環境に優しい「TOYOTA ARENA TOKYO」


この記事に該当する目標
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに 11 住み続けられるまちづくりを 12 つくる責任つかう責任
再生可能エネルギーを100%使用した電力で運用!環境に優しい「TOYOTA ARENA TOKYO」

2025年秋、江東区青海に開業する「TOYOTA ARENA TOKYO」は、TREホールディングス株式会社とダイヤモンドパートナー契約を締結し、株式会社タケエイでんきより再生可能エネルギーによる電力供給を
うけることを決定しました。

「TOYOTA ARENA TOKYO」のテーマの1つとなっている「サステナビリティ」に配慮し、より一層ファンや地域社会に支持されるアリーナを目指すとしています。

木質バイオマス由来の再生可能エネルギー

東京・お台場エリアにあるMEGA WEBの跡地に建設中の「TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)」は、日本プロフェッショナルバスケットボールリーグ(B.LEAGUE)所属チーム「アルバルク東京」のホームアリーナとなります。

さまざまなエンターテイメントが行われる多目的アリーナは、バスケなどのスポーツだけでなく、コンサートやMICEにも使いやすい施設になる予定です。また、持続可能な運営を目指して使用電力は再生可能エネルギーを100%使用することになっています。

その再生可能エネルギーのうち5%は屋上に設置される国内アリーナ最大規模の太陽光パネルによる施設内太陽光発電です。残り95%が株式会社タケエイでんきからの電力供給となります。

供給される電力は、TREホールディングスグループ傘下の市原グリーン電力株式会社(千葉県市原市)で発電された木質バイオマス由来の再生可能エネルギーです。

木質バイオマスとは、森林から出る枝葉や間伐材、製材工場などから出る背板などの残材、土木工事の建設現場で発生する解体材など「木材」を由来とする再生可能な有機資源のことです。

実はこの木質バイオマス燃料は、地球温暖化や廃棄物問題への対応から、石油や石炭などの化石燃料の代替として注目が集まっています。 

「でも木材を燃やしても二酸化炭素(CO2)は発生するのでは?」と思いますよね。たしかに森林から生産される木材をエネルギーとして燃やすと、燃料中の炭素が二酸化炭素となって大気中に排出されます。

しかしその二酸化炭素は、樹木の伐採後に森林が更新されれば、その成長過程で再び樹木に吸収されることになり、大気中の二酸化炭素の量が増加することはありません。つまり炭素の排出と吸収が差し引きゼロになる「カーボンニュートラル」な資源なのです。 

タケエイでんきは今年1月から、TOYOTA ARENA TOKYOの建設現場への電力供給も行っており、このアリーナ建設にも再生可能エネルギーを利用しています。

パートナー契約についてと今後のスケジュール

アルバルク東京は、『東京で、共に生きる人たちと幸せに暮らしていける環境を作っていきたい』という想いから、社会的責任プロジェクト「ALVARK Will」をすすめています。そのなかでも特に力を入れて取り組んでいる社会課題が「健康」「成長」「環境」という3つの分野です。

今回ダイヤモンドパートナー契約を締結したTREホールディングスは、高度循環型社会、さらには脱炭素社会への転換を目指す「WX(Waste Transformation)環境企業」として、アルバルク東京の社会課題解決への取り組みを支持し、パートナーシップ締結となりました。

電力の供給開始は7月1日を予定しており、今秋の開業後はアリーナ内の展示などを通じて、来場者にも再生可能エネルギーによる電力供給について身近に感じてもらい、持続可能な脱炭素社会の実現へ積極的なアクションを進めたいとしています。

なお、TREホールディングス株式会社の阿部光男代表取締役社長は、今回のパートナーシップ締結に関して次のようなコメントを発表しています。

私たちは、廃棄物の限りない再資源化や再生可能エネルギー事業などを展開し、地球の環境保全に貢献しています。TOYOTA ARENA TOKYO への再生可能エネルギー由来の電力供給を通じたアルバルク東京様との“共創”の力で、サーキュラーエコノミー構築に向けて共に取り組んでまいります』

また、トヨタアルバルク東京株式会社 代表取締役社長の林邦彦氏は、

『屋上の太陽光発電とあわせ、再生可能エネルギーの電力利用 100%でアリーナ運営をできることは、
重点テーマの 1 つ「サステナビリティ」の活動においてとても重要なことと考えています。
我々だけではできない持続可能な脱炭素社会の実現に向けた取り組みを、今回のパートナーシップにより推進できることに感謝し、TRE ホールディングス様とともに「サステナビリティ」に配慮したアリーナ運営を目指します』

と抱負を述べました。

スタジアムやアリーナなどの大型スポーツ施設は、建設による環境破壊やゴミ問題、食品ロスなどの課題解決に向けた取り組みが強く求められる時代です。施設だけでなく、4年に一度のスポーツの祭典であるオリンピックなど、スポーツイベント自体にもそのような動きがありますよね。

全電力を再生可能エネルギーでまかなうという「TOYOTA ARENA TOKYO」の取り組みは、アリーナを訪れる幅広い世代の来場者に向けての大きなアピールとなるはずです。またそれは、持続可能なスポーツの実現に向けた未来への重要なアクションとなるのではないでしょうか。


執筆/フリーライター こだまゆき