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完全無人で自律的に農作業を行う農業機械や最適な農作業を提案するデータプラットフォームなど、未来の”食と農業”を描く――クボタが大阪・関西万博 未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンに展示


完全無人で自律的に農作業を行う農業機械や最適な農作業を提案するデータプラットフォームなど、未来の”食と農業”を描く――クボタが大阪・関西万博 未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンに展示

EXPO2025大阪・関西万博が、いよいよ2025年4月から10月にかけて開催されます。会場では、たくさんのイベントや催しが開催され、国内外のパビリオンでは多種多様な展示が行われる予定となっています。そのうちのひとつ、未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」(以下、「未来の都市」)のパビリオンは、2025年日本国際博覧会協会と12者の企業・団体による共同出展。「幸せの都市へ」をテーマに、経済発展と社会課題の解決を両立することを目指した、未来の都市の姿を描くパビリオンです。

農業のトータルソリューションカンパニーをめざすクボタは、この「未来の都市」に協賛しており、未来の都市は無人で自立運転する農業機械も展示することになっています。クボタが描く、未来の農業とはどのようなものなのでしょうか。クボタの関根正海さんに、パビリオンでの展示内容をはじめ万博協賛の狙いや意図などについてお話いただきました。

人々の暮らしに欠かせない、食料と水、環境を支える事業を展開するクボタ

1890年創業のクボタは、農業機械や建設機械といった機械事業と、パイプシステムや水処理システムなどの水環境事業を主要事業として手掛けており、日本だけではなく北米、欧州、アジアと世界120カ国以上でグローバルに事業を展開しています。

「農業機械の事業についてはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、それ以外にも建設機械、産業用小型エンジンなども手掛けています。一方で、実は水道用の鉄管を国内で初めて量産したのもクボタで、もともとはそちらが原点。そこから下水処理場のようなプラントやごみの焼却炉など、水環境事業も展開してきました」

クボタは、人々の暮らしに欠かせない水から始まり、食料(農業)、環境といった地球規模の課題解決に尽力し、事業を通じて快適な生活環境の創造に貢献することをミッションとしてさまざまな取り組みを行っている企業です。
今回、クボタはEXPO2025大阪・関西万博の「未来の都市」に、プラチナパートナーとして協賛しており、「食と農業」に関する展示を行うとのこと。

展示テーマは「未来につづく、地球に優しいプラネタリーコンシャスな”食と農業”へ」。プラネタリーコンシャスは、地球の限界を示す”プラネタリーパウンダリー”に対して、人々の豊かな社会と地球環境の持続可能性が両立された状態を表現した言葉で、クボタのテクノロジーによって実現できる未来の食と農業の姿を紹介する展示となっています。

「現在クボタでは、豊かな社会と自然環境の循環にコミットする”命を支えるプラットフォーマー”を目指して、2030年を一区切りとする長期ビジョン『GMB2030』を策定し、社会課題の解決のために常に取り組んでいます。このビジョンや当社のブランドステートメント「For Earth, For Life」と今回の万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の目指す方向性が同じということもあり、協賛、出展することになりました。」

完全無人で自立型の農業機械など、未来の農業に触れる展示

「未来の都市」では、日本政府が提示している「Society 5.0」をベースにして、1つのストーリーを作りあげています。これまでの狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会の形である「Society 5.0」は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会として提唱されており、それを体感できるようなパビリオンとなっています。

すでに、情報社会(Society 4.0)の中でインターネットが普及し、クボタが推進するスマートアグリソリューションなど、IT技術と農業が融合したシステムは出来上がりつつあります。その先を考えたとき、どのような未来が描かれるのか。人類とともに進化し、いのちを繋いできた「食と農業」の未来に思いを馳せ、気づきや新しい考えが芽生えるような場所を目指して、クボタでは展示コンセプトを「地球と人にやさしい、未来の“食と農業”の研究所 ~Kubota Germination Lab~」としました。

「未来を考えるにあたって、過去を無視した状態で進むことはできません。豊かな生活を追求した結果、温暖化や気候変動、生物多様性など地球環境を損ねる事態まで進んでしまいました。一方で、だからといって地球環境のためにすべての経済活動をあきらめることも、できません。人類としての豊かなくらしと、地球環境をどうバランスとっていくのか、しっかりと向き合わねばならないと思います」

人口が増え、食料の需要はどんどん増えていく中で、食品ロスの問題も深刻化していますし、農地を増やして食料生産を増やすことは地球環境への負荷になっていきます。環境負荷をいかに解消し、食料生産におけるサステナブルな仕組みを確立していくのかということは、未来を考えていく上でとても大切な視点です。クボタの展示では、全幅20mを超える大きな天幕スクリーンと巨大LEDモニターが一体となったビジョンで、未来の「食と農業」が目の前に広がり、多様で多彩な食べ物へのニーズと持続可能なフードシステムを両立した社会を体感できるようになっています。完全無人で自律的に作業を行う農業機械と高度なデータプラットフォームなど、省力化、省人化を進めた、より効率的な農業が描かれて行きます。

また、未来の農家として、「食と農業」をテーマにしたシミュレーションゲームに参加し、持続可能なフードシステムを支える未来の農家を疑似体験できるエリアも用意。また、プレイヤー以外の来場者も一緒に楽しめる演出も準備しているとのこと。このほか、新しいアイデアを協創するイベントを、リアルでもオンラインでも実施していくそうです。

「クボタは農業の機械化を通じて、農家さんの大変な重労働を減らすことに取り組んできました。現時点で、稲作において必要なトラクタ、コンバイン、田植機を有人監視下であれば自動で農作業を行えるモデルを販売できています。また栽培記録や刈り取ったお米の状態をセンサーで読み取り、水分量などおいしさの指標をデータ化して、翌年以降もおいしいお米ができるように改善案を出すことも実現できています。今後はさらに、すべてを自動運転で行えるようなものを提供できるようにしていきたいと考えています。まだ時間はかかるかもしれませんが完全無人化など、より省労化・省力化を目指していきたいですね」

子どもたちに、食や環境への”気づき”を得てほしい

食料を生産していくことだけではなく、食料を消費し、消費したあとのゴミをどのようにしていくかも考えなければなりません。生産から消費、廃棄までを考えたフードシステムの構築が必要であり、資源循環への取り組みもクボタにとって重要な柱となっています。

「たとえば、クボタでは収穫した後の稲わらを使った発電技術の研究なども進めており、将来的にはそこで発電した電気を周辺地域で活用するということを考えています。環境の改善や資源循環と聞くと、どこか遠い話のように感じてしまうかもしれませんが、消費者にも身近な食という点でも、食品ロスの問題は大きく、すこしでも貢献できることはあるのではないかと思っています。展示体験を通じて、自分自身も社会とつながる存在であり、未来を作る1人なんだということに気が付いてもらいたいです」

今回の展示でクボタは、より若い世代に向けてテーマやメッセージを届けていきたいと考えています。

「いまの小学生たちにとって、2100年というのは、彼らが生きている未来であり、決して遠くない未来だといえます。私たち大人の役目として、未来は明るいんだよというところを見せたいし、子どもたちにも受け身ではなく、自分で考えていってもらいたい。社会が発展する中で、食べることや暮らすことが当たり前になったとはいえ、世界にはまだまだ多くの課題があることに、万博を通じてきづいてもらえればと。クボタが考える未来が正解なのかはわかりません。一方で、地球にも人にも優しい未来を目指すことは、大切なことだと思います。

今後もクボタは、食料・水・環境という、生きていく上で不可欠な領域を支える企業として、歩みつづけていきます。地球環境を守りながら、豊かな食と暮らしを未来の子どもたちにつないでいくために、一人でも多くのみなさんと共に、万博をきっかけに考えていければと思います。」

大阪・関西万博 未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」詳細はこちら


株式会社 クボタ
KESG推進部 推進第二課 関根正海さん