横浜の小学生が「サステナブルな社会の実現」をテーマにディベート合戦に挑戦
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「サステナブル」という言葉は広く知られるようになりましたが、子どもたちにとってはどこか遠いテーマでもあります。環境問題をはじめとする解決すべき社会課題は、“大人が考えるもの”という印象を持つことも少なくありません。
子どもたちにとって難しく感じられがちなこのような問題を、親しみをもって向き合える身近なテーマに変えたいという思いから開発された、小学生向けディベート教材『きのこの山・たけのこの里と学ぶ どっち派!? ディベート合戦』を使った授業が、2月6日(金)、横浜市立川和小学校の6年生を対象に行われました。
この教材は、これまでも自然との共生を目指し、生物多様性の保全活動をはじめ、小学生・中学生を対象とした自然環境学習の場を提供してきた明治と、朝日新聞社及び朝日学生新聞社で開発されたものです。
今回の授業では、「食品を選ぶとき、自分にとっておいしいものを選ぶか、それとも社会や環境にやさしいものを選ぶか」という問いが設定され、6年生3クラス計78人が参加、「自分にとって美味しいものを選ぶ」Aチームと「環境にやさしいものを選ぶ」Bチーム、そしてAとBの主張を聞き、どちらの主張に納得できたかを判定する「ジャッジ」の3つのチームに分かれ、「答えのない問い」に対して、議論が行われました。


「自分にとって美味しいものを選ぶ」というチームからの「好きではないものは、結局食べなくなってしまうからフードロスに繋がる」「嫌いなものを無理に食べることはストレスになり、心身の健康につながらない」「我慢を強いることはサステナブルとは言えない」という主張に対し、「環境にやさしいものを選ぶべき」というチームからは「苦手な食材も工夫次第でおいしく食べられる」「環境にやさしい選択は、必ずしも“嫌いな物を食べる”ということではない」といった意見が交わされ、何度も相手チームの主張を確認したり、チーム内で頭を突き合わせ意見をまとめたりと、子どもたちが能動的に修行に参加している様子が伺えました。また、時には、相手のチームの意見に拍手が起こるなど、チームを越えて意見を尊重し合う姿が見られました。


印象的だったのは、児童から寄せられ次の言葉です。「結局、(サステナブルな社会を実現するには)企業の製品やサービスを、私たちが賢く選択することが大切」さらに、別の児童からは「サステナブルに関する問題は大人だけが考えるものだと思っていたが、自分たち子どもでも、考えることができることがわかった。」この二つの言葉は、今回の授業の成果を象徴しています。
授業の後に行われたアンケートでは、約8割が「楽しかった」と回答。さらに約半数が「授業を通じて考えが変わった」と答えています。




サステナブルという抽象的なテーマを、自分たちで調べ、考え、根拠をもって主張し、他者の意見を受けて再び考え直す。そのプロセスを通して、子どもたちは自分たちの問題として向き合う経験になったと思います。
「サステナブルな社会の実現」や「SDGs」という言葉が社会の共通言語となりつつある今、教育現場でも「サステナブルな社会をどう担うか」を考える機会が求められています。サステナブルな社会は、企業や行政だけが築くものではなく、私たち一人ひとりの選択の積み重ねによって形づくられます。今回の授業は、その関係性を教室の中で体験的に学ぶ試みでした。


身近な商品を通して“正解のない問い”を設定し、対立と対話の両方を経験できる設計は、この教材の大きな特長です。知識を覚えるだけでなく、自分の意見としてまとめ、言葉にする経験が、SDGs時代の教育に求められる力につながっています。
SDGsを“知る”だけでなく、“自分の言葉で語れるようになる”。その一歩を後押しする教育は、これからの時代にますます重要になっていくに違いありません。このような取り組みが継続的に行われることを期待したいと思います。






