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AI時代の信頼の鍵「デジタルエシックス」とは?NECの意識調査から未来を読み解く


この記事に該当する目標
12 つくる責任つかう責任
AI時代の信頼の鍵「デジタルエシックス」とは?NECの意識調査から未来を読み解く

デジタル社会の「便利」の裏側に潜む不安

私たちの生活にAIが急速に浸透し、日常のあらゆる場面でパーソナライズされた提案を受けることが当たり前になりました。しかし、その利便性を享受する一方で、多くの消費者が心のどこかに「不安」を抱えているのをご存じでしょうか。

NECが実施した「AI時代に変化する消費者意識調査」によると、AIサービスの利用者のうち約3人に2人が「便利だが不安」と感じていることが明らかになりました。この心理的ギャップを埋めるキーワードこそが、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」にも深く関わる「デジタルエシックス(倫理)」です。
今回は、デジタル技術の進化に伴い、企業と消費者がどのような信頼関係を築くべきなのか、NECの調査結果から紐解きます。

課題を解決するために生まれた「デジタルエシックス」という視点

なぜ今、これほどまでに「企業の姿勢や透明性」が問われているのでしょうか。それは、デジタル化によって企業の活動が「見える化」され、消費者の価値観が大きく変化したからです。
調査では、サービス利用時に「不誠実な体験」をしたことがある消費者は82%にものぼることが判明しました。不信感の原因は、透明性の欠如による「見えない不安」や、操作ミスを誘発するような「ワナのような設計」です。

【3つの消費者離反プロセス】
一度不誠実だと感じた顧客は、以下のステップでブランドから離れていきます。
・態度の離反:信頼感が低下する
・行動の離反:利用頻度が減る、購入をやめる
・推奨からの離反:SNS等で悪い評判を広める

特筆すべきは、不誠実な体験をした人の約9割が、何らかの離反行動を取るという点です。製品の品質が良くても、企業の姿勢に疑問を感じれば顧客は離れていく。
こうした製品だけでなく企業の倫理や姿勢の本質を見極めようとし、SNS 等で積極的に発言する新たな影響力を持つ顧客層、「覚醒した顧客」の登場が、企業の競争力を左右する新たな時代に突入しています。
こうした課題を解決する規範として注目されているのが「デジタルエシックス」です。これは単なるルール遵守ではなく、社会の常識や価値観を踏まえ、人にとって本当に望ましいデジタルの在り方を示す指針のことです。

信頼を「価値」に変える、攻めの倫理

調査結果から見えてきた、もう一つの興味深い事実があります。それは、「デジタルエシックス」という言葉の認知率は1%未満と極めて低いものの、その必要性に共感する人は9割以上に達しているという大きなギャップです。

これは、消費者が「企業に寄り添ってほしい」「誠実であってほしい」と切に願っている一方で、具体的に取り組んでいる企業がまだ少ないことを示唆しています。

「デジタルエシックス」を実践する企業に対し、消費者は以下のようなポジティブな反応を示します。
・信頼の醸成:企業に対する信頼感が上がる(40%)
・行動の促進:商品を購入したくなる、利用頻度が増える
・推奨・ファン化:周囲に良い評判を伝えたくなる

デジタルエシックスへの取り組みは、リスクを回避するための「守り」だけではありません。顧客との絆を深め、持続的な成長を支える「攻め」の原動力となるのです。倫理は、ビジネスの足踏みを解消し、前に進ませるアクセルの役割を果たします。

まとめ

AIやデジタル技術は、私たちの生活を豊かにする強力なツールです。しかし、それを使う「人」や「企業」の姿勢が問われるのは、今も昔も変わりません。
今回の調査で浮き彫りになったのは、消費者は単なる「便利さ」だけでなく、その裏側にある「誠実さ」を厳しくジャッジしているという現実です。企業が「デジタルエシックス」を経営の中核に据えることは、SDGsが掲げる「持続可能な社会」の実現に向けた、極めて重要な一歩といえるでしょう。
透明性を保ち、ユーザーに寄り添う姿勢。それこそが、技術が進歩し続ける未来において、企業が生き残るための唯一無二の資産になるはずです。

NEC「AI時代に変化する消費者意識調査2025」
https://jpn.nec.com/dx/consumer_survey/index.html