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震災から15年、農業×食×雇用で地域を再生 大熊町「FUN EAT MAKERS in Okuma」


この記事に該当する目標
2 飢餓をゼロに 8 働きがいも経済成長も 11 住み続けられるまちづくりを 17 パートナーシップで目標を達成しよう
震災から15年、農業×食×雇用で地域を再生 大熊町「FUN EAT MAKERS in Okuma」

東日本大震災から15年。福島県大熊町で、「農業」「食」「滞在」を軸に地域の新たな価値を生み出す複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」の来場者が1万人を突破しました。

先端技術を活用した農業や雇用創出を通じて、復興のその先を見据えたまちづくりが進んでいます。

「つくる・たべる・であう」が交わる複合施設

「FUN EAT MAKERS in Okuma」は、さまざまな人が農業に関わり(つくる)、美味しくて体によい食(たべる)を通じて、たくさんの人が大熊町とつながる(であう)場所。建物内にある「高付加価値農業生産エリア」「食を楽しむエリア」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアと、「大熊町と様々な人がつながる」半屋外エリア、「大熊町の自然の景色とつながる」屋外エリアの5つで構成されています。

2025年6月14日のグランドオープン以来、1か月あたり約1,500名が訪れ、今年1月には来場者数が1万人を突破しました。多くの人たちが、ここでの食事や産直野菜の購入などを楽しんでいます。

先端農業と6次化で広がる、食と雇用の循環

この施設は、AIや先端技術を活用した農業であるアグリテックや誰もが自分の能力を活かして働けるユニバーサルなワークフローを導入した6次化農業*の複合施設。

施設内で明治大学 中林 和重 元専任准教授が開発したサンゴ砂礫農法で育てた月間2トンのミニトマトや、野菜ファクトリーで栽培した約220キロのレタスは、首都圏のスーパーやECサイトで販売するほか、総菜や野菜をふんだんに使用したお弁当として全国13都府県へ出荷。高い冷凍技術を駆使して販路を拡大させています。

この施設では、パートやアルバイトを含む従業員19名が働いているほか、就労継続支援A型施設から毎日約10名の障がいのある方が施設外就労として業務にあたっており、福島県大熊町の雇用創出にも貢献しています。

*農林漁業者が生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売・サービス(3次産業)まで手掛け、付加価値向上を目指すこと。

復興のその先へ、大熊町で進む新たなまちづくり

東日本大震災から15年を迎える大熊町は、産業交流施設やインキュベーションセンター、全国的に注目される教育施設などが急速に開設されており、雇用の場所も増え、20~30代の夫婦を中心に移住者が増加しています。「FUN EAT MAKERS in Okuma」の運営元であるC&Rグループは、この場所を核に、震災から復興する大熊町の支援を積極的に行っていくといいます。

震災からの復興を背景に、農業・食・雇用を一体でつなぐ。彼らのこうした取り組みは、農業の持続可能性や地域経済の活性化、誰もが働ける環境づくりを通じて、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも経済成長も」、そして目標11「住み続けられるまちづくりを」にも貢献しています。

C&Rグループが目指すのは、単なる復興ではなく、その先に新たな価値を生み出すこと。これが今、少しずつ実現し始めています。


執筆/フリーライター Yuki Katagiri