「高収入」「ホワイト案件」には要注意!高校生たちに“闇バイトの危険性”の授業を実施
この記事に該当する目標

仕事内容を明らかにしないまま高額な報酬を示唆し、SNSを中心に犯罪の実行者を募集する「闇バイト」が、近年深刻な社会問題となっています。夏休みを迎え、アルバイトを探す若者が増加するこれからの時期は、知らないうちに犯罪へ巻き込まれるリスクも高まるもの。
こうした状況を受け、求人情報サイト「バイトル」を運営するディップ株式会社と一般社団法人渋谷未来デザインが発足させた「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」による特別授業が、東京都立第一商業高校にて開催されました。
ディップ株式会社、一般社団法人渋谷未来デザイン、警視庁 匿名・流動型犯罪グループ対策本部が連携し、高校生に向けて「働くことの意義」と「闇バイトの危険性」について学ぶ機会を提供しました。
この取り組みは、誰もが人間らしく安全に働ける環境の実現を目指すSDGsの目標8「働きがいも経済成長も」、犯罪や暴力のない公正な社会づくりを目指すSDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」と深く関係しています。
闇バイトが経済的に困窮した若者につけ込み、犯罪へ誘導するケースもあることから、貧困による格差や不安をなくすことを目指すSDGsの目標1「貧困をなくそう」にもつながっています。
お金を得るだけではない 「働くこと」の意義を学生に講義
第1部では、ディップ株式会社の堤花野氏が「働くこと」をテーマに授業を実施。現在の日本の労働人口は約7,000万人で、全国の高校生約286万人のうち、約100万人がアルバイトを経験していること、大学生では約88%がアルバイト経験者であることなどを紹介しました。
生徒たちに「働くことのメリットは何だと思いますか?」と問いかけたところ、「お金を稼げる」「社会貢献ができる」「人間関係を築ける」「社会経験になる」といった意見が挙げられました。


これらの回答を受け、「経済的な面以外にも、社会人になるためのステップアップとして対人スキルが身につくと答えている方が多いですね。実はそれは就職の際に企業が就活生に求めていることにつながります」と堤氏は解説。
企業が就職活動中の学生に求める能力として「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」がTOP3に挙げられていることに触れ、「アルバイトで得られる経験は、将来社会に出たときにも役立ちます」と、生徒たちへ働くことの意義を伝えました。
注意するべき5つのポイント!「闇バイト」の見分け方
続いて、「闇バイトの危険性」についての授業が行われました。堤氏は闇バイトについて、「SNSやインターネット掲示板で、仕事内容を明らかにせず、著しく高額な報酬を提示するなどして、犯罪の実行者を募集しています」と説明。
東京在住の高校生を対象とした調査では、約4人に1人が闇バイト情報に接触した経験があり、さらに約7割の高校生が闇バイトを正しく判別できていないという結果も紹介されました。


授業では、生徒参加型の「闇バイト判別クイズ」も実施。「女の子限定」「日給5万円」「仕事内容は簡単な作業だけ」「ホワイト案件」「詳しくはDMで」といった実際に使われることのある表現を例に、どういった求人情報が危険であるのかを一緒に考えました。
また、闇バイトに関与しないためのポイントとして、募集元が不明確、仕事内容がわかりにくい、性別を限定している、報酬が異常に高い、SNSや秘匿性の高いアプリで連絡を取るという5つのポイントを挙げ、「少しでも怪しいと思ったら応募しないこと。
そして、迷ったら必ず周囲の大人に相談してください」と生徒たちに呼びかけました。
「必ず逮捕される」 闇バイトに関わることの危険性
第2部では、警視庁 匿名・流動型犯罪グループ対策本部の西村拓也氏が、実際の相談事例を交えながら「闇バイトの危険性」について講演しました。
西村氏は、犯罪グループが闇バイトから抜け出そうとする人に対して、「家族に危害を加える」「個人情報を知っている」などと脅迫し、犯罪を続けさせる実態を説明。


また、実際の相談事例として、高額報酬の募集に応募し、受け子や出し子を行った結果、詐欺罪や窃盗罪に問われたケース、「今すぐ50万円稼げる」という誘いから銀行口座を開設し、犯罪グループに渡してしまったケース、スマートフォンを契約して渡したことで、犯罪に利用されたケースなども紹介しました。
口座売買や送金バイトについても、「口座を売ると、その情報は金融機関間で共有されます。将来的に銀行口座を作れなくなり、就職や社会生活にも大きな影響が出ます」と警告しました。
最後に西村氏は、闇バイトに関わると必ず逮捕される、友人や先輩から誘われても断る、口座やスマートフォンの売買は犯罪、海外での高収入バイトは戻れなくなることもある、困ったらすぐに警察に相談するという5つのメッセージを生徒たちに送りました。
「闇バイトの危険性を知る良い機会になりました」「危ないものには絶対に手を出してはいけないと思いました」など、授業終了後には生徒たちから多くの感想が寄せられました。
「闇バイト」の手口を知るだけではなく、「働くこと」と向き合い、自分自身の未来を守るための判断力を身につける貴重な機会となったのではないでしょうか。





