三菱UFJ信託銀行・長島社長が語る「金融機関にとってのSDGs」
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SDGsという言葉を聞くと、貧困、ジェンダー、環境やエネルギーなどの問題がイメージされやすいのではないでしょうか。しかし、SDGsが掲げる17の目標のなかには、経済成長や産業、技術革新なども含まれています。では、現在の社会における経済の中心ともいえる金融機関は、SDGsについてどのように考えているのでしょうか。この7月、情報銀行サービス「Dprime」をスタートさせた三菱UFJ信託銀行・長島巌社長がその思いを語りました。
「私たちが目指しているのは、『安心・豊かな社会の創出』です。いま、多くの方がインターネットやSNSを使っています。これらはとても便利なツールですが、一方で自分がどういったサイトを見たのか、行動履歴、何を買ったかなどの情報が勝手に使われているという不安があると思います。『Dprime』は、そういった個人情報をきちんと管理できないかなと考えたことからスタートしました。現在は個人のデータを使って、色々なサービスが供給されています。しかしそれらが必ずしも信頼できるサービスだとは限らない。1回バナーをクリックしただけで、過剰な広告などがたくさんくるということも珍しくありません。これらを適切に管理できるし、自分に必要で質のいい情報を提供するサービスをつくる。つまり、ユーザーさんと企業の間に良い繋がりを作ることができないかと考えて、こういったサービスを開発しました」
本サービスでは、個人ユーザーは「Dprime」に自らの情報を預け、企業はユーザーの同意に基づき、データを得ることができます。この場合、ユーザーは提供した情報に応じ、自分に合ったサービスを受け取ることができるので、双方にとってメリットのある関係を築くことを可能にしました。この信頼できる仲介役となるのが三菱UFJ信託銀行の「Dprime」なのです。
「自分のデータをきちんと管理したい。企業さん側としても本当に信頼できる情報だけがほしい。その仲介役になれればと思っています。信託銀行は、これまでも株主さまの名簿や企業年金の受給者さまの情報を、責任をもって預かってきました。情報管理の分野には、長い歴史があり、信用があると自負しています。『Dprime』でも、個人と企業、双方から信頼いただき、情報の取り扱いを任せていただけるのではないかと思っています」
情報銀行サービスは、金融機関以外にもさまざまな業種から参入する注目のビジネスです。では、信託銀行ならではサービスというのはどのようなものがあるのでしょうか?
「信託銀行は、店舗はそれほど大きくありませんが、相続業務や不動産の取り扱いをしている特色のある銀行で、家族にとって最も重要といえる「遺言」のお預かりなどもやってきました。そういった個々人のライフスタイルに身近なサービスが行えますし、地方の小規模な企業、生産者と個人を結びつけるようなサービスも可能になると思います。SDGsといえば、地球に優しい社会をつくる。そして、文化を大事にし、色々な方がともに生きていけるダイバーシティをつくること。年齢や民族も文化も違う人たちがともに幸福を感じながら生きていけるということがサステナビリティな世の中だと思います。『Dprime』、そして三菱UFJ信託銀行がそういう未来の創出に少しでも役に立てればと考えています」
SDGsと聞いてなかなか想像のつかない経済成長や産業、技術革新などの分野にも視野を広げると、今までよりも身近にSDGsを感じることができるのではないでしょうか。
三菱UFJ信託銀行『Dprime』公式サイト