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“女性”を表現するクリエイティブに変化。ストックフォトサイト「iStock」に聞く、今求められる広告ビジュアルとは?


この記事に該当する目標
5 ジェンダー平等を実現しよう
“女性”を表現するクリエイティブに変化。ストックフォトサイト「iStock」に聞く、今求められる広告ビジュアルとは?

1288289509, Ameya Jane/ Getty Images

性別による差別や偏見の解消を訴えるCM、体型や剃毛の自由を表現したポスターなど…。

近年、女性にまつわる社会問題を表現する広告ビジュアルが増えていることは、皆さんご存知でしょうか?

今回は、3月8日の「国際女性デー」に合わせて、“女性を語るビジュアル”が増えている背景と女性を描くうえでのチェックポイントに迫ります!

女性を語るビジュアルが増加している背景として、世の中のジェンダー平等に対する関心の高まりが挙げられるでしょう。

世界経済フォーラムが発表した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」(世界男女格差指数、2019年12月)において、日本は153ヵ国中121位で、国際的に見てもジェンダー格差の問題が深刻であることが明らかになりました。こういった現状を受けて、日本経済団体連合会では、企業の役員に占める女性の比率を2030年までに30%以上にするという目標が掲げられるなど、社会全体としてもさらなる変革が求められています。

※出典元:世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数」
https://www.joicfp.or.jp/jpn/2019/12/19/44893/

また、女性を取り巻く社会問題への関心が高まり、女性の社会進出が進んでいくにつれ、広告や写真などで描かれる「女性」のビジュアルにも変化が生まれました。

世界最大級のストックフォトサイト「iStock」(以下iStock)を運営するゲッティイメージズのレポート「Visual GPS」の調査によると、日本の消費者の55%は、「企業はあらゆる体型やタイプの人を表現する必要がある」(世界61%)と回答しています。

世代別に見ると、Gen Z世代(Generation Z=Z世代:1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代)とミレニアル世代は66%という結果となり、若年層になればなるほどリアルさがより重要視されていることが分かりました。

さらに、デロイトによる2019年の調査「The Value of Diversity in Advertising(広告におけるダイバーシティの価値)」では、広告で多様な被写体を起用するブランドは、過去2年間で平均44%の株価が上昇していると報告されています。このような消費者の意識変化に伴い、近年は人種や年齢の多様性だけでなく、プラスサイズモデルを起用したり、ヘアスタイルの自由を表現したりと、あらゆる価値観に関する多様性を伝える広告ビジュアルが増加しています。

1169386533, Recep-Bg/ iStock

さらに、「Visual GPS」の調査によると、日本の調査対象のうち73%が、「2つ以上の性別が存在することを受け入れるべきだ」と答えており、世界全体の調査結果(67%)よりも高い結果となっています。日本においても、ダイバーシティ&インクルージョンに対する意識が高まっていることが分かります。女性を表現する際にも、これまでの男女のどちらかという固定観念(ステレオタイプ)にとらわれず、よりリアルでインクルーシブなイメージを使用することが、これまで以上に重要視されています。

市場の分析データに基づいた質の高い1億2500万点以上のコンテンツを提供するiStockは、多様な女性の、リアルな姿を長年に渡り捉えていました。そのデータを基に、同社クリエイティブ専門チームが手掛ける Creative Insights(広告ビジュアルにおける動向調査レポート)では、女性を描く際や女性にまつわるビジュアルを選ぶ際のチェックポイントを用意しています。

■女性を描く際のチェックポイント( iStock 「広告ビジュアルにおける動向調査レポート」より )

・あらゆるジェンダーアイデンティティの女性を検討したか。
・あらゆるボディサイズの女性を活き活きと表現できているか。
・男性と女性を描く際に、それぞれの役割に偏見がないか。
・障害のある女性が社会で活躍している様子を表現できているか。
・40歳以上の女性を活き活きと表現できているか。
・デジタル加工をしていないリアルなビジュアルかどうか。

1219526416, Maki Nakamura/ Getty Images

同社が展開する女性の多様な姿を撮影した写真コレクション「#ShowUs」は、以下からご覧いただけます。ビジュアルからステレオタイプを打破する取り組みに注目しつつ、国際女性デーでもあるこの機会に、ジェンダー平等の実現について考えてみてはいかがでしょうか。

https://www.gettyimages.co.jp/showus