STEAM教育からSDGsを考える。ロボットトイ「toio™(トイオ)」を用いた新しいプログラミング教育とは
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コロナ禍でオンライン教育が日常的になった今、ICT教育とともに世界中で注目され、日本でも徐々に広がりつつあるのがSTEAM教育。STEAM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語です。2000年代に米国で始まった教育モデルであり、STEMという理数教育に、Aの創造性教育を加えた教育概念として広まりました。STEAM教育の目的は、論理的思考力や問題解決能力を高めるところにあります。
国内では、STEAM教育の一環として、2020年度以降からプログラミング教育が小学校、中学校、高校で必修化されました(高校は22年度から)。プログラミング教育はSTEAM教育の一環であり、これからの21世紀を生きる子どもたちが、グローバル化やIT化が進む予測不可能な社会を生きる上で、必要とされる論理的思考力を身につけるために導入されています。
地方でもプログラミング教育は進んでおり、その一つに千葉県流山市が挙げられます。千葉県流山市教育委員会、東京理科大学、株式会社内田洋行による産官学連携プロジェクトとして、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)の子どもの創意工夫を引き出すロボットトイ「toio™(トイオ)」が、2021年9月から開始予定の小・中学校におけるプログラミング授業に採用されました。
この取り組みは、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」のターゲット4.1「2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ有効な学習成果をもたらす、自由かつ公平で質の高い初等教育および中等教育を修了できるようにする。」というターゲットにも該当する取り組みです。SDGsの理念にもある「誰一人取り残さない」という考え方を育むためにも、IQだけでは測れない論理的思考力や、多様性を尊重してお互いの気持ちを量る想像力を培うSTEAM教育は重要になっています。
授業では、創造的STEAM体験を提供する「toio」を活用し、カリキュラムを東京理科大学 滝本研究室および株式会社内田洋行が共同開発。SIEが、機材と技術サポートを提供しています。
流山市の井崎義治市長は「今回の産官学連携による新しいプログラミング教育の取り組みによって、情報化社会において子どもたちが自分自身で問題を解決していく力や、学びに向かう力をより発展的に伸ばしていきたいと考えております。」と語っています。プログラミングの基礎から発展までを様々なテーマに沿って楽しみながら学ぶ体験を提供することで、子どもたちが現実世界における動きの制御を体感。コンピューター外の世界から論理的に考えていく力や、身の回りの生活および社会の問題を解決する仕組みを理解・実践する力を身につけていくことが期待されています。
カリキュラム開発担当の東京理科大学 井手本副学長と滝本教授 は、「わたしたちが生きる情報化社会は、現実世界と電脳世界の間(はざま)で成り立っています。そんな情報化社会で、プログラミングの学びをよりよい現実社会を作るチカラにするために、現実世界のモノとしての「toio」が、目に見えない電脳世界との橋渡しをしてくれると考えています。」述べています。
また、共同開発担当の株式会社内田洋行大久保代表取締役社長 は「新型コロナウイルス感染症で、経済打撃と教育現場への影響が様々な問題を引き起こしている今、流山市では社会構造の変化に対応した新たな社会づくりや、Society5.0に向けた教育の在り方に取り組まれている」と語っています。
情報化社会においてSDGs達成へ向けたダイバーシティ&インクルーシブな教育が求められる今。「toio」の活用をを通じて子ども達自身の問題解決力や、意欲的に学ぶ力をよりさらに伸ばしていくことが出来るのではないでしょうか。
ロボットトイ「toio」 公式サイトはこちら