日本のスーパーは過剰包装? フランス・スペインでは野菜の包装が禁止に
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日本のスーパーマーケットで見かける野菜のプラスチック包装。野菜や果物を守ってくれるので安心して購入することができますよね。
しかし、そのプラスチックが過剰包装なのではないかと世界中で今注目されています。
フランス・スペインでプラスチック包装が禁止に
2020年2月にフランスでは、1.5kg未満の未加工の野菜・果物をプラスチックで包装し、販売することを禁止することなどを盛り込んだ循環経済法の強化を発表しました。
その後、フランスを追うようにスペインでも野菜などをプラスチックで包装することを禁止する政策を発表し、ヨーロッパでは使い捨てのプラスチックの廃棄量を減らす動きが活発になっています。
サステナブルな国と聞くとスウェーデンなどの北欧がイメージしやすいと思うのですが、フランスも早くから使い捨てのプラスチックからの脱却を目指す活動が行われています。
その活動は2016年から他国に先駆けてレジ袋の使用を禁止するところからスタートしており、フランスの「循環経済法」では、様々なプラスチック製日用品の生産・販売・使用等の禁止を段階的に進めています。
例えば、2021年1月にはストローやナイフ、フォークなどのカトラリーのプラスチック使用が禁止に。続いて、2022年1月にはティーバック、野菜・果物の包装、新聞・雑誌などの包装などのプラスチック使用が禁止といった形で、スケジュールが決められています。
プラスチック包装だけじゃないフランスの「循環経済法」
フランスが掲げる「循環経済法」とは、大量生産・大量消費・大量廃棄型の現在のライフサイクルから、“循環型のライフサイクル”へ変えていくことを目指す法律です。
この循環経済法で定められている対象製品には、私たちが日頃から使用している日用品が多く含まれており、その中には誕生日会などで使う「紙吹雪」や風船用のスティックなどもあります。
海外からみる日本のスーパーマーケット
日本のスーパーマーケットを見ると、レモンやライムなどが一つずつ使い捨てのプラスチックのバッグの中に入っているのが当たり前の光景です。
しかし、この私たちの当たり前の光景は、欧米をはじめ海外からみると「異様な光景」とも言えるのかもしれません。アメリカの大手新聞社・ワシントン・ポストのYouTubeでは、日本在住の外国人シェフが日本のスーパーで野菜などを購入すると、購入商品よりも商品を包んでいるプラスチックゴミの方が多くなることを動画にして紹介しています。
その動画がこちら:All the plastic that’s left after making dinner in Japan( Washington Post)
プラスチック包装により、野菜や果物を買う際の衛生面に対する安心感が生まれるかと思います。
しかし、その包装は本当に必要な包装なのでしょうか?
SDGs17の目標14「海の豊かさを守ろう」は私たちの生活の中で、プラスチックの消費を少しずつ減らしていくことで達成ができます。
また、海の豊かさのみならず未来の人々が住む街や環境を残す目標の11番「住み続けられるまちづくり」の達成にも近づくことができます。
マイバックの使用や野菜や果物を購入するときに土がついても大丈夫な袋を持参し、プラスチックの袋をなるべく使わないなど、スーパーマーケットで意識してみてはいかがでしょうか?
今の日本は?
日本ではレジ袋の有料化やカフェなどでは、紙のストローをみることが増えたりと一歩ずつ前に進んでいるように思われます。
しかし、実は日本は何度か海外のNGO団体から「化石賞」を授与されているのです。化石賞とは「地球温暖化の対策に前向きではない姿勢をとっている」国へ授与される「不名誉」な賞なのです。
つまり、日本は海外からみて「地球温暖化対策をあまりしていない…」という風に見られていることがわかります。
そんな化石賞をとってしまう日本ですが、まだまだ改善の余地があります。
その改善には、政治的な施策のみならず、普段の私たちが生活で求めているものを変えていくだけでいいのかもしれません。
いつの日か、欧米のように野菜がプラスチックに包まれていない野菜コーナーが「当たり前に」なることを願って。