ファストファッション業界の労働問題、ロンドンの人気ブランドに抗議
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今年2月中旬に開催されたロンドンの人気ファッションブランド“Pretty Little Thing”のショーの会場外で、ファッション業界の労働問題をめぐる抗議デモが行われました。
“Pretty Little Thing”はロンドンで生まれ、数々のハリウッドスターや著名人とコラボレーションをするなど人気ファッションブランドです。
そんな、“Pretty Little Thing”の服を生産している人への賃金が低いことが問題となり、正当な賃金を支払うよう抗議しました。
ファッション業界の現状
ファッションのSDGs問題を考えた時、多くは「洋服」自体の課題(大量生産・大量の水の消費など・・・)に注目が行きます。
しかし、ファッション業界の課題はそれだけではないのが現状。
そんな課題の一つが労働問題。
ファッション業界で労働問題から起きた事件として有名なのが「ラナプラザの悲劇」です。
「ラナプラザの悲劇」とは?
ラナプラザの悲劇とは、2013年4月にバングラディシュで複数の縫製工場などが入った8階建て商業ビル「ラナプラザ」が崩落した事故です。この事故で、死者は1,127人に及び負傷者は約2,500人以上になり、ファッション業界史上最悪の事故と呼ばれています。
この事件は世界中が衝撃を受け、ファッション業界の過酷さに目を向けるきっかけとなりました。「ラナプラザの悲劇」で目を向けられた課題が「労働」に関すること。ラナプラザの悲劇が起こったバングラディシュのような発展途上国のみならず、日本でもファッション業界の労働条件などは度々注目されています。
日本の一般企業の平均休暇取得率が120日の半面、ファッション業界では90日前後だと言われています。
また、賃金に関しては一般企業の平均年収が436万円に対し、ファッション業界は341万円とかなり差があることが伺えます。
私たちにできることとは?
毎日身にまとう服。
生活には欠かせないものだからこそ、なかなか何をしていいか分からないこともあるのではないかと思います。
一人一人が意識を持つなどのアクションをするだけでファッション業界にまつわる課題は少しずつ解決へ前進します。
そのためにはまず、「現状を知る」というところからスタートするのはいかがでしょうか?「現状を知る」ために自分が購入しようとしているブランドが「どこで作られているものなのか」や「正当な労働条件で生産されているのか」など調べてみるといいかもしれません。
相手のためのみならず、自分の知識や世界は広がっていく感覚を味わいながら、地球にとってもグッドなアクションを起こすこと。毎日着る服の一枚にも、SDGsについて考えるきっかけが詰め込まれているのかもしれません。