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【解説】SDGs目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンにエネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは?解決すべき課題や現状

【解説】SDGs目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンにエネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは?解決すべき課題や現状

#SHOW CASE
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに

SDGsの目標の一つに目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」があり、エネルギーに関するテーマの元、3つの目標と2つの方法がターゲットとして掲げられています。では「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」とは一体どのようなものなのでしょうか。ここからは、その現状や達成に向けて私たちができることなどを解説します。

SDGs目標7の現状と課題について

「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」という目標7が掲げられている背景には、世界で電気を使えない生活をしている人が数多く存在するという現状があります。ここでは、具体的な数字を織り込みながら現状と課題について説明します。

①電気のない暮らしをしている人々

日本で暮らしていると電気が使える生活は当たり前ですが、世界には電気がない暮らしをしている人々が7億8900万人も存在します。インフラが整っていないため電気へのアクセスができないほか、インフラは整っていても貧困で電気代が払えずに電気がない暮らしをしている人々もいます。料理や暖房に薪を使用したり、夜は暗闇の中で過ごすなど、快適とは程遠い生活をしている人がいるのが現状です。そのため、2030年までに誰もが安い料金で近代的なエネルギーを利用できることが目標として掲げられています。

また、開発が遅れている国や小さな島国などの開発途上国のインフラ整備に関しては、2030年までに支援プログラムを通じて持続可能なエネルギーが使える設備・技術を整えることが目標に掲げられています。

②地球温暖化

地球温暖化が進むと海水が増加して陸地が減少したり、気候が変わって生態系に影響が出るなど様々な問題が予想されます。地球温暖化を促進させている大きな原因として、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料によるエネルギーが挙げられます。化石燃料からエネルギーを作り出す時に発生する二酸化炭素が地球温暖化の原因となっているためです。そのため、化石燃料に変わるエネルギーとして導入が進められているのが、再生可能エネルギーです。

再生可能エネルギーとは、水力や風力、太陽光など自然の力から生み出されるエネルギーを指し、化石燃料のように二酸化炭素を発生させたり、資源が枯渇する恐れがありません。クリーンかつ安全なエネルギーですが、世界の最終消費エネルギーの約17.9%とまだまだ主流ではありません。そのため、2030年までに再生可能エネルギーの使用割合を増やすこと、安全かつクリーンなエネルギーの生成技術促進のための国際的な協力・投資を目標に掲げています。

③日本におけるエネルギー資源

日本はエネルギー資源が乏しく、エネルギー自給率は11.8%で、OECD加盟の35ヶ国のうち34位。石油・石炭・液化天然ガスなど化石燃料となる資源はほとんどなく、海外からの輸入に依存している状態です。1970年代以降はオイルショックの教訓からエネルギー源の分散が進められましたが、2011年の東日本大震災以降は原子力発電所が停止し、再びエネルギー源を化石燃料へとシフトさせています。2020年度のエネルギー発電の割合においては、化石燃料による火力発電が76.3%、原子力発電が3.9%、再生可能エネルギー発電は18.1%でした。

日本の再生可能エネルギーとして注目されているのは、水素発電です。水素と空気中の酸素の化学反応での発電、もしくは水素燃焼でガスタービンを回して発電させる2種類の方法があり、二酸化炭素も排出しません。また、地熱発電資源の保有率が世界第3位であることから、地熱発電も注目されています。2020年の地熱発電の割合は0.3%と低い割合ではあったものの、資源は豊富であるため地熱発電が普及するにつれて、そのエネルギー発電の割合も増加することが期待されます。

SDGs目標7達成に向けて私たちができること

SDGs目標7を達成するためには国際的な取り組みはもちろん、一人一人ができる取り組みを行うことも大切です。個人でもできる取り組みにはどのようなものがあるのかをご紹介します。

①再生可能エネルギーの利用

SDGs目標7の達成のために、個人で貢献できることとして再生可能エネルギーの利用が挙げられます。電力会社の中には再生可能エネルギー発電に力を入れているところもあるため、それらの会社のプランに切り替えることがSDGs目標7達成のための取り組みになります。多くの人が再生可能エネルギー発電を行う会社をサポートすることで、再生可能エネルギーの発電施設も増設され、クリーンかつ安全なエネルギーの供給量を増やすことに繋がります。化石燃料による火力発電への依存率を下げることができ、SDGs目標7達成へと前進できるでしょう。

また、再生可能エネルギーを利用する方法としては、太陽光発電を導入する方法もあります。屋根や壁にソーラーパネルを取り付けるなどの手間や初期費用はかかりますが、クリーンかつ安全なエネルギーを自家発電できます。省スペースに設置できる上、太陽をエネルギー源とするため居住する地域に関わらず設置できるのが利点です。大掛かりなソーラーパネルの導入が無理な場合は、ソーラーパネルの付いた庭用ライトなど導入しやすいものから始めることもできます。

②節電

節電もSDGs目標7を達成するための間接的な取り組みとなります。節電のためには、それぞれの電化製品の電力使用量を知ることが大切です。電化製品は消費電力を表示しなければならないという規定があるため、目立たない場所に100W(ワット)などと記されています。W(ワット)数が多いほど消費電力が高い電化製品であるため、電力使用量も多くなります。そのため、電化製品を選ぶ場合は、できるだけ消費電力が低い商品を選ぶと節電につながります。

電化製品において、電力使用量が多いのはIHクッキングヒーターやアイロン、電子レンジなど直接熱を発するタイプの電化製品です。これらの消費電力が多い電化製品を使用する場合は、弱モードにして使用電力を下げたり、使用時間を短くすると節電になります。また、ノートパソコンや加湿器、空気清浄機などは消費電力が100W以下と低くなりますが、継続して使用することで消費電力が高くなってしまいます。使わない時はオフにするクセをつけることが節電に繋がるでしょう。

そのほかの節電の取り組みとしては照明をLEDに変えたり、できるだけ家族が同じ部屋で過ごしたり、使っていないプラグを抜くことが挙げられます。まずは、できることから始めてみるのが良いでしょう。

③移動手段

SDGs目標7を達成するために個人ができる取り組みとしては、移動手段の工夫が挙げられます。まず、自家用車ではなく公共交通機関を利用することで、二酸化炭素排出量の削減に貢献できます。公共交通機関が充実していない地域であれば、車を買い替える時に環境への配慮に力を入れた車種を選んだり、運転時にアイドリングストップをすることがSDGs目標7への貢献に繋がります。特にアイドリングストップは多くの自治体で条例化されてきており、無駄な燃料の消費を抑えて排気ガスの排出量を削減するための取り組みとして推進されています。新しい車種の自動車によく搭載されている機能です。

SDGs目標7達成に向けて個人の意識も高めよう

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」は世界的な規模で行われている大きな取り組みですが、個人の意識を高めることが目標達成に繋がります。毎日の生活において節電を心掛けるなど個人的な取り組みを行うと同時に、日本および世界のエネルギー事情について関心を持ち、積極的に知ろうとする姿勢も大切にしていきましょう。

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