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10年間で急増、1億人を超える難民を救う!“支援額世界4位”日本の取組み


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16 平和と公正をすべての人に
10年間で急増、1億人を超える難民を救う!“支援額世界4位”日本の取組み

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が6月16日に発表した報告書によると、紛争、迫害、暴力、人権侵害などによって故郷を追われ国内外へ避難した人が2022年5月末時点で初めて1億人を超えたことが明らかになりました。その数はこの10年間で増加しており、ウクライナやその他の地域で起こっている残虐な紛争によって急速に拡大しています。
日本は制度や認定基準の関係で難民の受け入れに厳しく、その認定率は世界的にみると圧倒的に低い状況です。しかし資金面での難民支援は積極的で、2021年にはUNHCRに1億4,057万ドルを拠出したことで、アメリカ、ドイツ、EUに次いで世界4位の資金拠出国となりました。これまで難民が身近な問題とされにくかった日本ですが、昨今のウクライナ情勢によってその状況も変化しています。この3月にウクライナからの避難民の受け入れを表明したことで、3か月余りで1,200名を超える避難民が来日。メディアやニュースで取り上げられるなど、日本でも少しずつ難民への関心や共感が広がり、自治体やNPO・NGOを中心に支援活動が行われています。そして企業もまた、難民を救うために様々な取り組みを行っています。

6月20日は世界難民の日

世界難民の日は、困難に立ち向かい乗り越えていく難民の勇気を称える日として、2000年の国連総会で制定された国際的な記念日です。難民の保護と援助について関心と理解を深ために世界中では様々なイベントが開催されます。日本でもトークや音楽ライブを通じて難民支援について発信するオンラインイベント「UNHCR WILL2LIVE Music 2022」が開催されたり、スカイツリーをはじめとした全国41カ所のランドマークがUNHCRブルーに染められたりするなど、様々な形でメッセージが発信されました。

ユニクロ×UNHCR、“Make a World of Difference”

世界各地の店舗で難民スタッフを雇用しているユニクロ。日本でも2021年時点で63人が勤務しています。世界難民の日にあわせ、UNHCRが立ち上げた世界の難民が制作する手工芸品のブランド「MADE51」とのコラボレーションキャンペーン、“Make a World of Difference”を開始しました。日本と米国のオンラインストア限定で南スーダン難民の職人が作ったオリジナルのキーチェーンを販売するほか、日本及び欧州6カ国の主要店舗でユニクロがセレクトした「MADE51」の商品を期間限定で販売しています。

ハンドメイドで施された刺繍やビーズ細工は美しく、デザインもおしゃれで、一つひとつの商品からは作り手たちの誇りと、そしてそのような状況にも屈しない力強ささえ感じられます。避難先で自立した生活を送れることは大切なことで、遠い日本にいる私たちにもこのような形で支援ができることはとてもありがたいことです。また、ユニクロで販売されることで商品もよりオシャレに洗練したものに見えますし、難民という問題を身近に感じることができます。大企業が取り組むこのキャンペーンは、社会を巻き込む、インパクトのある活動だと改めて実感します。

ユニクロを展開するファーストリテイリングは2006年にUNHCRと共同で難民支援をスタートさせ、新型コロナウイルス感染症対策や緊急支援、衣料支援、雇用支援、自立支援など、15 年にわたって世界の難民への包括的な支援を行っています。2011年にはアジアの企業としては初めてUNHCR とのグローバルパートナーシップを締結。2022 年は、世界の故郷を追われた人たちの生活再建支援に2,000 万円を拠出し、更にはウクライナ難民への人道支援のための寄付や難民の雇用支援を行うなど、世界各地で継続的に難民を支援するプロジェクトを展開しています。

クレカの利用で難民支援。丸井グループの取り組み

丸井グループは今年の6月から利用金額の0.1%分のエポスポイントをUNHCRの日本の公式支援窓口である国連UNHCR協会に毎月自動寄付できる「エポスTOGETHERカード」の発行をスタートしました。

画像出典:エポスカードHP

丸井グループではこれまでもウクライナ人道支援のための募金活動で約4,300万円の寄付金を集め、更にグループからも同額の寄付を行うなど総額8,600万円の支援を行っています。今回、継続的に支援ができる新たな選択肢として、ポイント分を寄付できるクレジットカードとプリペイドカードを発行。当面の間は国連UNHCR協会が行うウクライナ緊急支援に活用され、支援終了後は引き続きUNHCRが行うその他の難民支援活動に充てられます。
年会費は無料で、200円につき1ポイントが付与され、そのうちの0.1%が自動寄付に回ります。毎月の支払いを気にすることなくポイントで寄付ができることは、マルイを利用する若い世代にも受け入れやすく、また、一時的な募金ではなく継続的な支援に繋がっている点においても素晴らしい取り組みです。また、カード素材には日本初となる廃棄プラスチックのリサイクル素材が使用されているということで、環境に配慮されている点にも注目です。

“ウクライナ支援”の検索で10円寄付。ヤフー株式会社の取り組み

「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」を企業ミッションに掲げるヤフー株式会社では、6月14日~6月19日まで、Yahoo!検索で“ウクライナ支援”と検索すると、一人につき10円を寄付できる取り組みを実施しました。

画像出典:ヤフー特設サイト

検索をきっかけに、厳しい状況に直面しているウクライナ避難民の現状を知ってもらい、支援の輪を広げていくことを目的とし、特設サイトも設けられました。検索による寄付は終了しましたが、避難民に関するニュース記事やインターネット募金については引き続きサイトで紹介されています。ウクライナ支援について、何か支援をしたいと思っていた多くの人に対して、検索という最も身近かつ簡単な方法を提供してくれたことは、企業ミッションを体現しており、多くのユーザーの共感を生んだのではないでしょうか。実際に期間中に約143.6万人の方が検索し、寄付金額は合計で1,436万円になりました。

他人事ではなくなっている難民問題

これまで知るきっかけが少なかった難民問題ですが、日本がウクライナ避難民を受け入れたことで急に身近なものとなりました。この数か月で難民について具体的に知った方も多いことでしょう。世界中には生まれ育った町に帰れない人が1億人以上もいることも衝撃的な数字です。筆者は難民の子供たちにも幸せになってほしいという思いから、3年前の出産を機にUNHCRへ毎月の寄付を始めました。大切なことは現状を知ることです。苦しみや悲しみの中、必死に毎日を生きている人たちが、少しでも前向きに人間らしく生きていけるように。私たちにできることは微力ですが、企業が与えてくれたきっかけを無駄にせず、できることから支援の輪が広がってほしいと願っています。