1年で廃棄される花の本数、知ってる?お得に花を買って“ロスフラワー”を減らそう
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お祝いの場面や大切な人へのプレゼントなどに欠かせない“お花”。ダイニングテーブルに飾ると、気持ちが明るくなりますよね。
私たちの暮らしを彩る美しい花。しかし、その裏では多くの花が廃棄されている現状を知っていますか?今回は、花の廃棄・ロスフラワーの問題を見ていきます。
ロスフラワーとは?花が廃棄される理由
まずは、ロスフラワーができてしまう理由を確認しましょう。
1.ロスフラワーとは
食べ物の廃棄・食品ロスは耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。それと同様に、問題になっているのが花の廃棄。まだ使える、まだ楽しむことができるのに廃棄されてしまう生花が「ロスフラワー」と呼ばれ、対策の必要性が叫ばれています。
ロスフラワー対策は、SDGsの12番目の目標「つくる責任 つかう責任」に繋がること。“つかう”私たちは、ロスフラワーの現状を知り、できることを考えていく必要があるでしょう。
2.ロスフラワーが発生する理由
ロスフラワーの原因は、主に3つあります。
・供給過剰
農家の人が長い時間をかけ、大切に育てている花。しかし、需要と供給のバランスが合わないと、出荷すらできないことも。花の需要の見込みは立てづらく、供給過剰になってしまうことが少なくないようです。
・規格外になってしまう
美しさが問われる花は、農家や市場の規格を満たしていないと廃棄されてしまいます。
・鮮度が落ちやすい
花の寿命は短いもの。生花店では、花の状態が悪くなれば廃棄しなくてはならなくなります。また、農家から出荷されてから生花店などに運搬されるまでに、劣化してしまうことも。
ロスフラワーの深刻な現状
では、どれほどロスフラワーの問題は深刻なのでしょうか。
1.驚愕の廃棄量
フラワーライフ振興協会のHPによると、ロスフラワーによる経済損失は、なんと年間1,500億円にものぼるとも言われています。小売店が仕入れた量の、およそ30〜40%は廃棄されているのが現状のようです。
2.コロナ禍で花の需要が激減
花は家庭だけでなく、結婚式や企業の式典など、大会場での需要があります。しかし、2020年から新型コロナウイルスが猛威を振るい、あらゆる催事が行われなくなりました。
農林水産省の「花きの現状について」という資料によれば、コロナ禍前の花きの国内消費は法人が28%を占めていました。しかしフラワー振興協会によると、法人の需要がほぼゼロになってしまった時期もあったようです。もともとロスフラワーという深刻な問題を抱えていた花業界は、コロナ禍によって需要と供給のバランスが大きく崩れ、大きなダメージを受けているのです。
心まで彩る!ロスフラワーを減らすための取り組み
深刻なロスフラワー問題を受けて、近年ロスフラワーを減らすための取り組みが活発化しています。ロスフラワー対策に参加すれば、単に花業界をサポートできるだけでなく、花を生活に取り入れることで自分自身の生活にも彩りが生まれるはず!
では、その事例を2つご紹介しましょう。
1.Zentis Osaka「Zentis Craftsmanship : Flowerball」
大阪の堂島浜にあるホテルZentis Osaka。パレスホテルが展開する宿泊施設です。Zentis Osakaは、SDGsウィークに合わせた2022年9月25日(日)、26日(月)に、ロスフラワーを活用した「フラワーボール」の体験イベント「Zentis Craftsmanship : Flowerball」(ゼンティス クラフツマンシップ フラワーボール)を開催。
イベントでは、廃棄予定だった花材を活かし、サステナブルなアクションを日常に取り入れる機会を体験できます。フラワーアーティストとして、兵庫県芦屋市に店舗を構える「hanamariproduction」の仲村渠 天人(なかむら あまと)氏が登壇し、自宅に飾って楽しめる「フラワーボール」のアレンジメントを作ることができるそうです!
さらに、ホテル2階のバー「UPSTAIRZ Lounge, Bar, Restaurant」から桃のベリーニのノンアルコールスムージーも提供。緑に囲まれたZentis Osaka の開放感あふれるガーデンで、ロスフラワーの問題を考えながらも、Zentis Osakaならではの華やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
2.花のサブスク定期便「bloomee」
「bloomee(ブルーミー)」は、季節に合わせてセレクトされた花がポストに届く、花の定期便サービス。そのまま飾れるブーケタイプで、気軽にダイニングテーブルや玄関などに飾れます。
「bloomee」の代表は、「規格外の花の課題は廃棄ではなく、観賞価値に見合った価格がつけられていないことだ」と考え、これまで品質が良くても規格外として使われなかった花を、産地から適正価格で買付け。定期便のお花に一部含んで提供しています。
規格外と言っても、観賞にはまったく問題がないもの。bloomeeのブーケサイズは25㎝ほど。通常の規格では花の長さが40cm以上でなければならないものの、bloomee規格では25cm以上に設定。また25㎝以上の部分の曲がりもOKとしています。つまり、ブーケ部分の花は通常の規格内の美しさと差がないのです。
また定期便にすることで、事前に必要な分の花を仕入れることができ、売れ残りなどのロスを減らすことが可能に。プロが選んだ花が定期的に届くので、いつも花のある暮らしを楽しめます。毎日花を見るたびに、気持ちが明るくなりそうですよね。
3.町の花屋のミニブーケ
身近な花屋でも、ロスフラワーを減らすためのミニブーケが販売されているかもしれません。廃棄予定の花の中から、まだ美しい花を集めて小さなブーケを作っているところもあります。
花の命を大切にできるだけでなく、お得に花を迎えることができるので、「花は値段が高いから」となかなか飾れずにいる人も手に取りやすいでしょう。
このように、特別な取り組みに参加しなくても、花を部屋に飾ったり、大切な人へのプレゼントとして贈ったりと、普段の生活の中に少しお花を取り入れてみるだけでもロスフラワーの対策になります。ぜひ今日の帰り道、お花を一本買ってみてはいかがでしょうか。