量ではなく、質を選ぶこと。ファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウェストウッドが生前行ったサステナブル活動
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イギリスのファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウェストウッド氏が、昨年12月29日に亡くなりました。享年81歳。エッジのきいたパンクなファッションを追及し、卓越したポジションを築いたヴィヴィアン。最後の最後まで制作活動を止めることはなかった彼女について、夫でありまた仕事のパートナーでもあったアンドレアス・クロンターラー氏は、「ヴィヴィアンはわたしの心の中でこれからもずっとそばにいる。」とコメントしました。
そんな彼女の、環境家としての一面をご存知でしょうか。 今日は、生前ヴィヴィアンが残した、地球環境を思う活動や言葉をご紹介します。
量より質を選ぶ
ファッションは、生活する上で欠かせない存在です。
2008年、「VOGUE」のインタビューに応じたヴィヴィアン。
環境を重んじて、消費者に訴えたいこととして彼女は、日常不可欠な“衣服を購入する”という行為について次のように語っています。「同じ服を着続けるというのは、ある意味ステイタスにもなり得ます。だから、量よりも質を選びなさい。それがあなたにできる最も環境にやさしいアクションです。」
ファッションショーでメッセージ
ヴィヴィアンは自身のブランドを発信する舞台でも、地球環境への問題を投げかけています。
2019年、ロンドンコレクションのタイミングと合わせて、社会問題や環境問題に対するデモが行われました。そこで彼女は、モデルたちにそれぞれの問題を定義したメッセージの書かれた服を着せ、デモに賛同しました。
Do not buy a bomb
昨年彼女は、80歳の誕生日を記念して、ミュージカル「マイフェアレディ」の一曲「Without You」のパロディーフィルムを作成。「Do not buy a bomb」(爆弾を買わないで)というタイトルがつけられた10分にわたるこの作品には、武器を所持することへの抗議、迫り来る環境問題に対して人々が無関心であることを警告するメッセージが込められています。
これら3つのアクションは、彼女がこれまで行ったものの中のほんの一部にすぎません。ヴィヴィアンはいつも、ファッションとアクティビズムを組み合わせ、メッセージを投げかける場所としてコレクションを用いてきました。
製作する数量をあえて減らしたり、買い過ぎてはいけないと消費者に訴えかけたりと、時に利益を顧みず、それでも自分のスタイルを貫いたヴィヴィアン・ウェストウッド。 ブランドのスタイルさながらのパンクな精神で、最後まで世界に多くの影響を与え続けました。
ヴィヴィアンが亡くなった今も、彼女の思いは生き続けます。環境へのダメージが完全になくなる未来は難しくても、より優しい選択は出来るはず。自分たちにできることは、彼女が教えてくれたメッセージを未来につなげていくことではないでしょうか。 ヴィヴィアンのご冥福をお祈りします。