SDGsなバースデー! 「アップサイクル」「新機内食」など新たなトピックも紹介
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ニッポン放送で毎週日曜日午後2時10分からオンエア中のラジオ番組『SDGs MAGAZINE』。SDGsを学ぶ同番組の1月22日の放送は、パーソナリティを務める新内眞衣さん2度目の“ひとり回”。SDGsなプレゼントに始まり、さまざまな企業の取り組みなど話題は多岐に及んだ。
誕生日もSDGs 「ロスフラワー」と「フェアトレード」
2023年の第3回放送がオンエアされたのは1月22日。ちょうどその日が誕生日だった新内さんは「本日、私事ながら誕生日を迎えました~~! ありがとうございます」と切り出し、「31歳になり、年を重ねたなあと思うこともたくさんありますけど、いい年の重ね方をできているんじゃないかなと思っていて、年を重ねるのが毎年楽しみになってきています。周りの方々も『30代が一番楽しいよ』と以前から言ってくださっていて、本当にその通り30代を楽しく過ごさせていただいています」と、ポジティブ満開で新たな1年を見据えた。
そんな新内さんに、番組スタッフからSDGsにまつわる2つのバースデープレゼントが贈られた。1つ目が東京・駒沢大学や神楽坂に店舗を持つ「#flowership(フラワーシップ)」の花束。仲卸市場で買い手が付かず、そのまま廃棄される過大在庫になってしまった花を積極的に買い付け、美しいブーケやアレンジメントなどにする「ロスフラワー削減」の取り組みを進めている生花店で、新内さんは「これがロスフラワーだなんて、どうかしています」と思わずつぶやいたほど、美しい仕上がり。「さすがチームSDGs MAGAZINE。プレゼントもSDGsなものなから選んでいただいて、今目の前にあるんですけど、これが廃棄予定だったのかというくらい本当にきれいで、生き生きとしたお花たちばかり。
本当に素敵です」と、行き場を失った花たちを人の手に届ける、その取り組みに背景やストーリーも含めて感激しきりだった。
さらに、もう一つのプレゼントが、世界フェアトレード連盟(WFTO)の認証を受けたフェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」で販売されているコーヒーとチョコレートのセット。フェアトレードとは、貧困のない公正な社会をつくるために途上国の経済的社会的に弱い立場にある生産者と、強い立場にある先進国の消費者が対等に行う貿易のことで、適正な賃金の支払いや労働環境の整備などを通して生産者の立場の向上を図ることが第一の目的となっている。「本当に、ありがとうございました。これからもSDGs MAGAZINE頑張っていきます!」と新内さんは、番組でSDGsを学んできたからこそ、それらの商品の持つ価値、意味をより強く受け止め、喜び倍増の様子だった。
この番組が放送されているニッポン放送でも、SDGsにつながるキャンペーン「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」が行われており、それが目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成に寄与する「音の出る信号機」を贈る取り組み。募金は1月31日まで受け付け中で、新内さんは「ぜひ引き続きご協力のほどよろしくおねがいします」とも呼び掛けた。
注目度を増す「アップサイクル」の取り組み
そして、ここからが今回の放送の“本題”。番組では毎週、SDGsにまつわる有識者ゲストを招いているが、今回はパーソナリティを務める新内さんがSDGsを考える“ひとり回”として、本WEBメディア「SDGs MAGAZINE」から注目の記事をピックアップし、紹介した。
「昨年11月6日の“ひとり回”では『ゼロ・ウェイスト(無駄・浪費・ゴミをなくすこと)』をテーマにお届けしましたが、先週のマシンガンズ滝沢さんのごみ問題に関する回を受けて、今回も食に関する話題や廃棄物に関する話題をテーマにお届けしようかなと思います」とし、まず取り上げたのが、廃棄物に新たな価値を与える「アップサイクル」の取り組みだ。
【廃棄物に新たな価値を与える「アップサイクル」とは? カカオハスクの可能性に注目】
チョコレートの原材料でお馴染みの「カカオ」。実は、その約90%は製造過程の中で廃棄されているという。チョコレートの製造過程で不要部位として排除されてしまうカカオ豆の薄い外皮「カカオハスク」には苦味成分があり、チョコレートに混ぜると本来の味を損なってしまったり、繊維質が残って口当たりが悪くなったりしてしまうため、ローストしたカカオ豆から25~30%程が「カカオハスク」として分離される。現状堆肥などで活用されているものの、まだまだ有効利用できる方法が求められている状況だ。
そんな「カカオハスク」の有効活用に向けて、新たな取り組みを進めるのが食品大手ロッテ。昨年10月29日、情報発信の場として渋谷にカカオ専門店「LOTTE DO Cacao STORE」をオープンし、カカオの特徴を生かしたドリンクやスイーツが楽しめる他、店舗の塗料に「カカオハスク」を織り交ぜるなど、サステナブルな観点から「カカオハスク」と向き合っている。
こうした、さまざまな過程や場面において不要となり廃棄されてしまう部分を良い形で活用していこうという取り組みは「アップサイクル」と呼ばれる。廃棄物を全く新しい製品として生まれ変わらせる「リサイクル」と対になる言葉で、「リサイクル」が不要になったものを「原料」の段階まで戻して利用するなら、不要になったものの「素材」を異なる分野で新しく活用するのが「アップサイクル」というわけだ。
新内 「『アップサイクル』という言葉は初めて知りました。『アップサイクリング』とも言われ、捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、『創造的再利用』とも呼ばれているそうです。このロッテのカカオ専門店『LOTTE DO Cacao STORE』も気になりますね。さっきサイトを見てみたのですが、おしゃれなドリンクがあって、クレープもおいしそうでした。これは行くしかないなと思っています。私、チョココレートが好きで結構、製造にこだわったフェアトレードのタブレット(板チョコ)を買ったりするんですよ。行きやすい立地ですので、ぜひ今度行ってみようと思います。
あと『アップサイクル』っぽいなと思ったのが、カカオハスクでつくったネクタイ。先ほど調べたら、めちゃめちゃかっこいいネクタイで、カカオハスクでつくっていると思えないくらいの完成度でした。本当に、廃棄物もいろいろなものに再利用できるんだなと思いましたし、『アップサイクル』という、また新しい言葉を覚えさせていただきました」
また、1月15日には大阪市内で小学生がいらなくなったTシャツからエコバッグをつくる「アップサイクル」に挑戦するイベントが開かれ、「同時にオンラインでアップサイクルのアイテムをつくった人数が100人以上」というギネス世界記録を達成したとか。さまざまな企業の取り組みやイベントが注目され始めており、「アップサイクル」は2023年のトレンドワードになるかもしれない。
JALは機内食にSDGsを導入
続いて紹介されたニュースは、こちらも企業の新たな取り組み。
JAL(日本航空)が、1月10日から国際線・長距離線のプレミアムエコノミー・エコノミークラスの機内食でSDGs達成への新たな取り組みを進め、話題となっている。
通常、機内食ではプラスチック製だった主菜用の容器と蓋、トレーマットを、森林資源に配慮された国際的な認証を取得した紙製品に変更。メニューにも、世界自然保護基金(WWF)などが安全性や栄養価などの観点から提唱する持続可能な食材「未来の食材50」からごま、オクラ、蓮根などを多く材料に使ったものを導入した。第1弾メニューでは、ベトナム料理の著名シェフ、ドグエン・チランさん監修の機内食を提供。「ビーフシチューオムライス」には柴漬けを添えるという遊び心ある工夫も取り入れられている。提供期間は4月末までの予定で、今後はイタリア料理、日本料理の各ジャンルの先鋭シェフによるプロデュースメニューを計画。羽田・成田発の北米行き、欧州・豪州行き、アジア行きなどで提供予定だという。
新内 「私もJALの国際線に乗ったことは何度かありますが、確かに容器の蓋などがプラスチックだった気がします。そういうのも全部紙にしていくってことですよね。JALの機内食って容器も再利用できるものが多い気がするので、さらにということなんでしょうね。食材も持続可能な食材、『未来の食材50』から材料を使用するということで、相当な企業努力といいますか、いろんな観点でSDGsを意識されているんだなと思います。しかもJALの機内食、美味しいんですよ! 機内食って長距離で行くと3回くらい出てくるんですよね。それが全部、美味しい。美味しい上にSDGsとなったら、これはまた乗るしかないですね。いつ海外に行けるか分からないですが、私もぜひ体験したいなと思います。」
JALでは、機内食が不要な乗客が事前キャンセルを申し込める「JAL Ethical Choice Meal Skip Option」を2022年12月から国際線全路線に展開。社会貢献プログラム「TABLE FOR TWOプログラム」の対象メニューとして、キャンセルされた機内食1食ごとに、JALから同プログラムの事務局に一定額が寄付され、飢えに苦しむ開発途上国の子供たちのための学校給食事業に充てられるなど、SDGs達成につながる動きを加速させている。
最後に、新内さんは今回の放送を振り返り、「31歳の”ひとり回”、いかがでしたでしょうか。SDGs MAGAZINEならではのプレゼントをいただけてうれしかったですし、チョコレートは専門店に行くくらい好きなので、それにまつわるいろいろなお話もできて楽しかったです。『アップサイクル』など、いろいろな用語を知ることもできましたし、JALの機内食など、本当に企業規模で対策をされていることで、SDGsに関わるニュースを目にする機会も多くなってきたので、いい流れなのではないかなと思います」と現状を前向きに捉えた。