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パリ五輪までに理解したいスポーツにおける「トランスジェンダー」とは

パリ五輪までに理解したいスポーツにおける「トランスジェンダー」とは

#SHOW CASE
  • ジェンダー平等を実現しよう

IOC(国際オリンピック委員会)は、2015年に性別変更についてのガイドラインを変更し、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックでは、史上最多約186人のトランスジェンダーのアスリートが参加したことで話題になりました。
重量挙げ女子選手として、大会史上初のトランスジェンダーを公表した選手が出場するなど、スポーツ界においても変化が見られる中、来年2024年に開催予定のパリオリンピック・パラリンピックに向けて、今年2023年の1月から出場権獲得をかけた予選大会が世界各地で続々とスタートしています。

来たる大会を前に、今私たちが知っておくべき、トランスジェンダーのアスリートたちを取り巻く環境と抱える問題についてまとめました。

スポーツ界における最新のジェンダー問題

1896年に開催された第1回オリンピックでは男性のみ選手としての参加が許されていました。女性が選手としてオリンピックに参加ができるようになったのは1900年に開催された第2回オリンピックから。このような歴史的背景もある中で、そもそも男女を区別した考え方が果たして正しいのか、という議論は繰り返し行われていました。

その一方で、男性と女性の身体的差から差別としてではなく区別として男性と女性を分けることが、スポーツ界が定める公平とされてきました。
そして近年では、多様性を求める時代の変化からトランスジェンダー選手の参加が認められ始めたと同時に、スポーツ競技において自認する性で参加する権利と、生まれ持った身体的差から競技自体の公平性について、新たな課題が挙げられています。

スポーツ界では、すべての競技においてトランスジェンダー選手を男女の身体的差で不公平とせずに、競技ごとに取り決めを行っています。

例に挙げると、2021年に国際統括団体「ワールドラグビー」は、トランスジェンダー女性選手の女子国際試合出場を禁止することを発表しています。この取り決めの理由としては、多様な選手の受け入れのため調査と研究を進める期間の措置と明言しています。
また、2022年には国際水泳連盟(FINA)によりトランスジェンダー女性選手について男性として思春期を経験した場合、期間によらず女子競技への出場を認めないことを発表しています。

LGBTの「理解増進」について考える

トランスジェンダーが注目される中で、最近ニュースでも取り上げられることが増えてきたLGBT理解増進法。
岸田文雄首相は2023年2月20日の自民党役員会で、LGBTなど性的少数者への理解増進法案を巡り、国会提出へ向けた準備を進めるよう党幹部に指示したと報じられています。

そして、2月15日に開催された、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」の総会でも、2023年5月に開催予定のG7広島サミットまでに、LGBT理解増進法の成立を目指すという方針を確認しています。
しかし、G7のうち、LGBT差別禁止法や同性カップルが法的に保障されていないのは日本だけなのです。各国では「理解増進」という曖昧な表現ではなく、明確に法律で「差別を禁止」しています。

誰もが過ごしやすいジェンダー平等な社会を目指して

多様性を尊重する意識が加速している世の中で、今後日本が向き合わなければいけない課題はたくさんあります。
数か月後に迫った「G7広島サミット」や来年開催の「パリオリンピック・パラリンピック」。世界各国の取り組みに触れることで、誰もが過ごしやすい社会を目指して、日本全体がよりよい方向に変わっていくことに期待していきたいですね。

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