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『新婚さん』52年史上初!同性カップルが登場、G7で唯一法律婚ができない日本の今

『新婚さん』52年史上初!同性カップルが登場、G7で唯一法律婚ができない日本の今

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6月といえばJUNE BRAID(ジューンブライド)。今では婚姻の形も多様になり、結婚するもしないも個人の自由、という時代になりました。6月4日には、50年以上続くご長寿番組「新婚さんいらっしゃい!」(朝日放送テレビ)に、男性同士のカップルが出演。これまで約5千組を紹介してきた同番組ですが、同性カップルが登場するのは今回が初めて。その大きな反響とともに、日本の同性婚に関する法律の今について考えていきます。

フランスから来日した同性婚カップル「私たちはフランスで結婚という夢を叶えることができました」

今年3月、同性婚が法律で認められているフランスで結婚した、バレエダンサーとして世界で活躍している竹田純さん(40)とリトアニア出身のクリスさん(34)。

(ジュンとクリス公式Youtubeチャンネルより)
竹田純さんは、ジュン先生という名前でも活動しています。SNSのアカウントを見ると、「美尻王子」、「床バレエ専門家」という肩書を持ち、 Instagram登録20万人、Youtube登録6万人、 9冊の著書の売上は累計15万部以上という有名人。日本で世界最古の体幹トレーニングと言われている「バーオソル」を一般に広めた第一人者で、国内のテレビ番組にも多数出演しています。
クリスさんは、インテリアデザイナーとしてパリを拠点にしながらも世界11カ国で活動 しています。 EUプロフェッショナルコンペティション建築家部門第1位を受賞。世界39か国・800拠点以上でフレキシブルオフィスを展開しているWeWork東京・パリのインテリアデザインリーダーを務めています。2020年には、ソフトバンク新本社ビルのインテリアデザインも手掛け、輝かしいキャリアを積んでいます。
竹田さんは自身のTwitterで「私たちは幸運にもフランスで結婚することができました。そして、今私たちはあきらめていた『結婚』という夢を叶えることができてとても幸せです。」と投稿。お互いの共通の友人のバースデーパーティーで出会った二人。日曜日のお昼、多くの視聴者が注目する中『新婚さんいらっしゃい!』に出演した歴史的な瞬間に立ち会った人たちの反応はどのようなものだったのでしょうか。

G7で唯一同性婚が認められない日本。長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』放送の反響は

「すごく良い回でした、当たり前になるといいですね」
「早く日本人同士の同性カップルも出演できるようになるといいな」
「私の長年の悩みに自分では思いつかなかった答えが観覧中見つかったような気持ちになり、帰りはいつもと見えてる世界が違い穏やかな気持ちになりました」
2013年に「みんなのための結婚法」という名のもと同性婚法が可決されたフランスの法制度で、結婚という夢をかなえた二人の姿にTwitterでもさまざまな祝福の声が集まりました。G7の中でも同性婚やLGBTQの法的な権利保障がないのは日本だけ。法的な婚姻関係が認められていないカップルの結婚式は、国内の神社の大半が信仰上の理由と断るケースが多い中、2023年5月には兵庫県尼崎市にある尼崎えびす神社で国内のゲイカップルが神前結婚式を開いたことも話題になりました。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟。日本でも、違憲判断は全国4例目に

同性カップルの権利を国内でも認めてほしいということで、LGBTQ当事者たちが、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5カ所で、同性同士の結婚を認めるよう国に求めた裁判が行われ、4カ所で違憲判決が言い渡されました。

公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に 代表理事の寺原真希子さん、三輪晃義さんは公式サイトでコメントしています。

『本日の福岡地裁判決は、札幌地裁判決、東京地裁判決、名古屋地裁判決に続き、「結婚の自由をすべての人に」訴訟における4件目の違憲判決です。2019年に提訴された5件の「結婚の自由をすべての人に」訴訟のうち4件で違憲判断が示されたということは、同性カップルが婚姻から排除されている現状を司法が厳しく見ていることの現れです。このように、繰り返し司法からの厳しい指摘を受けながら、国会では同性同士の婚姻に関する具体的な議論がまったく行われていません。広島で開催されたG7サミットの首脳声明では「あらゆる人々が性自認、性表現、性的指向に関係なく、暴力や差別を受けることなく生き生きとした人生を享受できる社会を実現する」ことが明記されました。もはや現状を放置することはできません。法律上同性同士の婚姻を認める法改正のための具体的な立法作業に直ちに着手することを、国会に対して改めて強く求めます。』

具体的な名古屋での判決要旨には、「同性カップルが国の制度によって公証されたとしても、国民が被る具体的な不利益は想定し難い。現に、地方自治体においては、登録パートナーシップ制度の導入が増加の一途を辿っているが、これにより弊害が生じたという証拠はなく、伝統的な家族観を重視する国民との間でも、共存する道を探ることはできるはずである。」という前向きな見解もありました。

画像出典:NPO法人 EMA日本

また、1989年にデンマークが登録パートナーシップ制度を導入してから約10年後の2000年には、オランダが世界で初めて同性婚制度を導入。現在までに、2023年2月現在、34の国・地域で同性婚が可能になっています。( 出典:公益社団法人MarriageForAllJapan – 結婚の自由をすべての人に)同性婚やパートナーシップ制度を持つ国のGDPは、世界全体の約55%を占めています。
こうした大きな変化が国内外で起こっている中で、2021年9月、スイスでは同性婚合法化を国民投票で賛否を問いました

スイスで行われた国民投票、約64%が同性婚に賛成。世界で30番目の合法化に

スイスでは2021年9月26日の国民投票で、同性婚の合法化案を可決。スイス民法典の改正に国民の多数がゴーサインを出しました。これにより、同性のスイス人と外国人のパートナーが、異性婚の場合と同様に、スイス国籍取得手続きができるようになりました。また、女性同士のカップルは生殖補助医療を受けられるように。スイスで公認の精子バンクを利用すれば、子供が生まれた時点で女性は2人とも母親として認められます。

プライドマンスでもある6月。パレードやキャンペーンによって、その当事者がリスペクトされ、賞賛されることはとても素晴らしいことです。日本国内で違憲判決が下されることは歴史的なことであり、国民的な長寿番組でもこのような発信がされたことも大きな一歩といえるでしょう。傷ついている当事者自身が自らの力で起こしてきたパワーを受けとめるだけじゃなく、傷ついている当事者を戦わせなくても済むためにも。このプライドマンスという1か月間を短期的なイベントとして収束させることなく、一人ひとりの生活や暮らしと地続きであることを忘れずに、根強く残る課題や傷ついている人々の状況を常に意識していく必要があります。

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