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楽しくSDGsを見直せる!富士山が創った青木ヶ原樹海でエコ旅をしよう

楽しくSDGsを見直せる!富士山が創った青木ヶ原樹海でエコ旅をしよう

#SHOW CASE
  • 陸の豊かさも守ろう

身近なところで自然と触れ合える場所を知っていますか。首都圏からアクセスしやすい富士山周辺は、富士五湖をはじめ広大な森林地帯が広がっており、都会ではなかなか出会えない豊かな自然を堪能することができます。ここでは、普段は意識しないような自然の雄大さやありがたさ、そして忙しい日々から一瞬立ち止まることで、いま大切にするべきことなどを思い出すことができます。今回はそんな富士山の噴火によって生まれた「青木ヶ原樹海」を中心に、日帰りで楽しめるエコ旅について紹介していきます。

富士山科学研究所で富士山について知ろう

まずは、富士山の歴史やどのようにして青木ヶ原樹海ができたのかについて「富士山科学研究所」で基礎知識を学んでみましょう。富士山は古代から噴火を繰り返していますが、その中でも864(貞観6)年の史上最大の噴火によって、富士五湖や青木ヶ原樹海が誕生したと言われています。約30k㎡もある樹海には、噴火によって流れ出た溶岩の上に長い時間をかけて木々が根を張り、何種類ものコケが生息しています。まるで原始時代の森をイメージさせる光景です。

長い間火山活動を続け、いまも生き続ける富士山には昔から信仰の対象として価値を感じている人が多く、古くから観光地として親しまれてきました。特に江戸時代では街中から富士山を眺めることができたということもあり、たくさんの庶民が登拝(とはい:登山をしながら参拝すること)をしたそうです。このことから、富士山やその周辺地域には長い歴史を通じて人を惹きつける魅力があったことが分かります。
富士山科学研究所では、歴史だけではなく富士山にまつわる様々な情報を入手可能です。例えば、万一の噴火や地震に対しての防災対策や登山時の非常用グッズについても展示しており、日常生活に密着した情報まで学ぶことができます。

地産地消でお腹と心を満たそう

富士山や青木ヶ原樹海について知った後は、研究所から車で約20分ほどのところにある「旅の駅Kawaguchiko base」でランチ。こちらでは、季節によってメニューが変わりますが、地元の素材を活かした美味しい料理が食べられます。この夏は、山梨で有名な桃を使った冷製ほうとうや甲州牛を使ったメニューがありました。

「旅の駅Kawaguchiko base」では、お土産や地元の生鮮食品を扱うショップも併設されています。生産者の情報を確認でき、安心感が得られるようになっていて、環境にも優しい買い物ができるのが特徴です。

「旅の駅Kawaguchiko base」から10分ほど車で行くと、2017年7月にオープンした「富士大石ハナテラス」があります。こちらは、満腹のお腹を休ませるのにぴったり。富士山の絶景ポイント「大石公園」に隣接する緑や花いっぱいの施設です。敷地内には小路や小川もあり、自然を楽しみながら山梨県内の企業が運営するカフェやショップで心満たされる時間を過ごすことができます。

地底を探検!竜宮洞穴 / 富岳風穴 / 鳴沢氷穴

ゆっくり休憩をした後は、いよいよ探検です。まずは、「竜宮洞穴」に向かいます。樹海の入口から少し奥まったところにある「竜宮洞穴」は、知る人ぞ知るパワースポットです。洞穴の階段を下っていくと、いきなりひんやりとした空気に。体感温度は約10℃以下で、気温が高い日に訪れると不思議な感覚に包まれます。

洞穴の中には祠(ほこら)があり、水の神「豊玉姫命」を祭っているそうです。自然に出来上がった天然の地下室「竜宮洞穴」では、神秘的な体験ができることでしょう。

次に向かうのは、「富岳風穴」。青木ヶ原樹海にあるたくさんの溶岩洞穴の中でも、最も巨大な自然洞穴の一つです。夏でも氷が溶けないため中はかなり涼しく、平均気温は3度。シルク糸を作る蚕の貯蔵や種子の保存のために使われていたという天然冷蔵庫を見ることが出来ます。電気の力を一切使わない冷蔵庫はとてもエコな発想ですね。

風穴を楽しんだ後は、タテ穴型洞窟「鳴沢氷穴」です。富岳風穴と同じく代表的な溶岩洞穴の一つで、冬から春にかけては天井から染み出した水滴が凍り、大きいものだと高さ3mの氷の柱が出現するとのこと。夏でも氷の壁があり、自然の偉大さを感じることができます。一番奥まで進むと、「地獄穴」と呼ばれる場所が。どこまで続いているのかわからないほど深いため、伝説によると神奈川県の 江ノ島の洞窟に繋がっていると伝えられています。

風穴や氷穴に向かう途中の「東海自然歩道」の森の中では、キツネ、タヌキ、ヤマネ、ニホンリスなどの動物やヒガラ、ビンズイ、ヤマガラ、コガラといった野鳥、そして様々な草花に会えるかもしれません。まさに自然と人間が上手に共存している空間を楽しめることでしょう。紅葉のシーズンには、カラマツが鮮やかに森を彩るとのことです。季節によって違う顔を見られるのも魅力の一つ。一説に、青木ヶ原樹海では南北を示すコンパスが狂ってしまう、という噂をよく耳にしますが、実際は問題ありません。単独でも樹海を楽しむことができますが、ネイチャーガイドや洞窟のスペシャリストが案内をしてくれるプランもありますので、詳しく青木ヶ原樹海の成り立ちを学びたい人にもおすすめです。

旅の疲れは温泉で癒そう

富士山の麓に位置する「富士眺望の湯 ゆらり」では、露天風呂はもちろん内湯からも富士山を眺めながら、ゆっくりと温泉を楽しむことができます。ここでは数種類のお風呂を楽しむことができますが、ドーム型の低温バブル風呂「洞窟風呂」では、富士風穴を思わせる溶岩が壁面を覆っています。旅の思い出を振り返りながら、疲れを癒せる嬉しい空間です。温泉や銭湯をみんなで利用すると、各家庭でお風呂を沸かすよりもCO2の排出量を減らすことができるので、旅の締めくくりも環境にやさしく過ごせますね。

今回は、青木ヶ原樹海でのエコ旅をご紹介しました。元々あったイメージとの違いはあったでしょうか。山梨県庁の方のお話によると、実際に小中学生の課外授業として青木ヶ原樹海を遠足するということも多く行われているそうです。正しい目的で訪れる人もいれば、Youtubeなどで青木ヶ原樹海の間違ったイメージを伝える人たちの中には、歩道から外れて普段は人が立ち入らない場所を踏み荒らすことで、コケをはじめとした植物に被害を与えてしまっているという悲しい現状も。持続可能な地球を守るためにも自然と私たちの境界線を理解し、共存していくことが大切ではないでしょうか。まずは、自然とはどういうものかを知るために青木ヶ原樹海でのエコ旅をおすすめします。

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