モンテディオ山形が実践するユニバーサルスポーツ体験「フランス発祥のビリッカー」とは?
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パラリンピック開幕を直前に控えた22日、モンテディオ山形のホームスタジオで行われたユニバーサルスポーツ体験は「ビリッカー」でした。3月に続いて今シーズン2回目の体験会となりました。
パラリンピック種目やその他の障がい者スポーツではありませんが、「年代・性別に関わらず皆で楽しめる」スポーツとして、徐々に日本でも話題になりつつあります。
日本で本格的にビリッカーを楽しめるのは、東京・大阪・名古屋といった都市圏以外では山形だけ!!
フランス発祥のビリッカーは、ビリヤードとサッカーが融合したニュースポーツです。
ルールはとてもシンプルで、特設コート内で色・番号の付いたボールを蹴ってビリヤードのように穴に入れるというものです。(詳しくはこちらをご覧ください。)
大都市圏では少しずつ普及が進んでいるようですが、地方都市で特設コートがあるのはおそらく山形だけとのことです。(少なくとも東北初のコートが山形県寒河江市にできたのです)今回の体験会の開催に尽力していただいた、柴田さんと色々お話をさせていただくことができました。
ビリッカーの魅力
とにかく楽しいし、ルールも難しくないから、極端な話「おじいちゃん・お父さん・孫」の三世代でやることができる。もっと言えば、男女の差は全く関係ないから、「おばあちゃん・お父さん・小学生の女の子(孫)」でだって楽しむことができる。
そして、「誰が勝つか」わからないというのが最大の魅力です。
お話を伺いながら、柴田さんご自身が「ビリッカーと運命的な出会い」をして、これに人生懸けているという情熱がすごく伝わってきました。
意外と頭を使う
蹴ったボールを穴に入れるわけではなくて、ボールを別のボールに当てて穴に入れるわけですから、ルールは簡単でも「技術」は思った以上に難しい。
私も実際に挑戦してみましたが、ボールの当たる角度や強さをそれなりにコントロールしないと、簡単には穴に入ってくれませんでした。よく考えてやらないと、ただ蹴るだけじゃダメなのだ、頭を使わなきゃいけないと気づくまでちょっと時間がかかったりもしました。ふとパラ種目のボッチャを思い出しました。
ボッチャも、簡単そうに見えて上達するにはそれなりのトレーニングが必要ですし、戦術・作戦に関してはかなり奥が深いものがあります。(ボッチャの魅力こそ、TOKYOパラリンピック2020でみなさんに感じてもらいたいと思います。)
ほほえましい光景
2組の若いカップルが体験コーナーに来られていました。
一人の男性は「俺サッカー部だぞ!!」と自信満々な感じです。傍で見ていた柴田さんが私につぶやきました。「見ててください・・・・あのサッカー部の男性が一番失敗しますよ」
私はちょっと驚きましたが、「大体サッカー経験者は、強く蹴りたくなるし、いい所見せたくなるから、自分のボールまで穴に入ったりしちゃうんですよね・・・・」と柴田さんは仰っていました。結果は・・・・まさに仰った通りでした。力の弱い、サッカーなんてやったことのない女の子の方が、慎重にそっとボールを蹴って、緩やかなスピードで当たったボールが穴に入っていったのです。
「あれ、おかしいな・・」と男の子が力を入れれば入れるほど、弾かれたボールが想定外のところに転がっていきました。女の子の笑い声と男のバツの悪そうな感じが、とても微笑ましく見えました。
地味だけど大事な情報がここにある・・・SDGs体験コーナー
実際に体を動かすユニバーサルスポーツ体験と違い、SDGs関連の地味な感じは否めません。ただ、そこに並べられ・紹介されている中身は非常に興味深いものばかりです。
オーガニックコットンを利用した手ぬぐい
「オーガニックコットン」と聞けば、多くの人は環境や自然に優しいのだろうなと容易に想像がつくと思います。それを素材にした手ぬぐいや小物入れなどを見て、「環境によい活動に貢献しよう」と購入したりした人も多いと思います。私もその一人で、数年前に街で見かけたオーガニックコットン製の手ぬぐいを今でも愛用しています。
でも、少し考えてみてください。出来上がった商品を買うだけでは、何か少し足らない気がしませんか。どうやって栽培されているのだろうか、そしてそれが製品になるまでにどんなプロセスがあるのだろうかを考えてみる時間をほんの少しだけ撮ってみるというのはどうでしょう。
さらに、一歩踏み込んで自分でコットンを育ててみるなんてどうでしょうか。一人一人の小さな一歩を踏み出すきっかけがここにもあると思いました。季節が巡って春になればまた栽培の時期になるでしょう。その時にはぜひ一度手に取ってみて、自宅栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。(詳しくはこちら:ふくしまオーガニックコットンプロジェクト)
障がいのある方にも芸術発表の場を
そもそも芸術に触れるのに障がいのあるなしなんて全く無関係なはずです。
ところが、実際社会では障がいのある方々の「芸術発表の場」というのはとても限られています。ぎゃらりーら・ら・らは障がいのある方の芸術活動の普及支援に取り組んでおられる団体です。(詳細はこちら)
芸術活動に関わることで、さまざまな障がいを持つ方々が、それぞれ自由に自己を表現し、出来上がった作品を多くの人に見ていただくことで、自己肯定感を醸成したり、人生に意欲がわくようになるという効果があるとも言われています。
最近よく耳にする臨床美術・アートセラピーもその一分野だと思います。(詳細はこちら)
こういった事業にはもちろん公的な支援も必要ですが、その持続可能性を高め、さらに活動を活性化していくためには、一般企業がどんどんかかわっていくことが重要だとおもいます。社員の心の健康にもきっと好影響があると思います。
【最後に】参加者まとめ
合計:450人:来場者(4772人)に対する割合:9.42%
今回は、全体の参加者が減ってしまいました。地道な活動をどのように多くの人お伝えしていくか、体験していただいた方の感想をどう広めていくか、そこに企業がどうかかわっていくか・・・セクターを超えた知恵を出し合っていきたいと思います。
もっと知恵を、もっと汗を。
(この活動をご支援いただいている企業様をご紹介します)
株式会社エコスタイル
株式会社Kanatta
株式会社チェンジ・ザ・ワールド
豊島株式会社
株式会社ポチくる
株式会社笑子
イーレックス株式会社
株式会社ミズサワセミコンダクタ
山形朝日株式会社
株式会社京都スペーサー
株式会社カオナビ
●ユニバーサルスポーツパートナー
株式会社庄内クリエート工業
株式会社QDレーザ
株式会社ライフエッグ
株式会社Innovation IFA Consulting