Netflixの社員が抗議デモ、ジョークと差別は紙一重?
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「トラストフォビア(トランスジェンダー嫌悪)は許されない」
エンターテインメント業界をリードするストリーミング配信サービスのNetflix。そのNetflixがLGBTQへの差別的なコンテンツを配信したことに対して、社員らも参加した抗議デモが行われました。
エンターテインメントには、ロマンチックな感動や悲しみ、そして笑いなどの要素が不可欠です。そんな人々の心を温かくするはずの「エンターテインメント」で悲しむ人がいたら、皆さまはどう思われますか?
LGBTQに寄り添うコンテンツを多く生み出しているNetflix
Netflixのコンテンツには多様性が見られ、オリジナルコンテンツにおいてもLGBTQの方々が主役である作品も多く制作されています。
そんな中起こった今回のデモ運動。
問題となったのは、コメディアンのデイヴ・シャペル氏が出演するNetflixオリジナル番組「デイヴ・シャペルのこれでお開き」(“The Closer”)の最新エピソード。
番組内でジェンダーに関するジョークを発言しており、LGBTQの方々に対して嫌悪発言ではないかとNetflixの社員を含む約65人が抗議しました。
デモでは、「トランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)は許されない」などのプラカードを掲げ、Netflixのロサンゼルスオフィスの外で抗議。
ニューヨーク・タイムズによると、この抗議デモでは現地だけでなく、リモートワーク中の社員の一部が正午にパソコンをシャットダウンし、バーチャルでデモに参加したそう。
デイヴ・シャペル氏はどんな人?
デイヴ・シャペル氏は、アメリカの大人気テレビショー「サタデーナイトライブ」にも出演していたスタンドアップコメディアン。定期的に公演なども行っており、政治問題や社会題題などをテーマに辛辣なトークが人気を集めています。
トランスジェンダーが直面している毎日の恐怖
トランスジェンダーの方たちが直面している日々の生活における脅威は、 Netflixの大人気ドラマシリーズ「セックスエデュケーション」のエピソードの中にも登場。黒人の男性生徒が女装をして街を歩いたことで、見知らぬ人から暴力を振るわれるシーンが描かれています。
大人気ドラマに描写されるほど、トランスジェンダーやLGBTQの方々に対する人々の目や態度などが恐怖を感じるものであると分かります。
アメリカの人権NGO「ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団(HUMAN RIGHTS CAMPAIGN)」によると、2020年にアメリカで殺害されたトランスジェンダーなどのLGBTQの人々は44人。その数は2013年の調査依頼過去最多だそうです。
トランスジェンダーを含むLGBTQの人々が毎日直面する、彼らに対する差別や嫌悪から生まれる暴力は深刻な問題です。
今後のNetflixに求めることとは?
発言や言論の自由はすべての人が持つ権利です。
しかし、SDGs17の目標5番「ジェンダー平等を実現しよう」にもあるように、性別を問わず誰もが尊重される世の中に変わっていくことが大切なのではないでしょうか?
今後も「デイヴ・シャペルのこれでお開き」の配信は継続される予定です。
ですが、エンターテインメント業界をリードする企業として、観る人全てにとってLGBTQの方々への理解を深めるようなコンテンツ制作が行われることを願います。
性選択によって、人生が左右されない平等な社会がスタンダードになることを目指して。