賞味期限の記載がなくなる?!イギリスの老舗スーパーが始めた、地球にやさしい取り組み
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みなさんがスーパーでお買い物をするとき、何を見て商品を選ぶでしょうか。値段や見た目の綺麗さ、大きさ。購入する際は、出来るだけ賞味期限が遠いものを求めて、奥のものから手に取るという人も少なくないのではないでしょうか。
出来るだけ新鮮なものを、という人々の考え方はもっともなこと。しかし、そうして新しい生鮮品からなくなり、賞味期限が近いものがスーパーに残ると、買い手が見つからず、とうとう売れない状態にまでなってやむなく店舗で破棄する、つまり食品ロスにつながってしまいます。
廃棄物が多いことは決していいことではありません。農林水産省からの働きかけにより、日本のスーパーでも食品ロス防止の為、食品は出来るだけ手前どりに協力して欲しい!というポップを掲げたり、賞味期限が近いものや袋が破けてしまったものを値下げして安く売ったりと、そんなもったいない現象、食品ロス削減に向けてさまざまなアクションを起こしています。
そんな中、イギリスの高級かつ老舗のスーパーとして名の知れたMarks&Spencer、通称M&Sが画期的なルールを発表しました。それは、2030年までに食品廃棄物を半分に減らす、という大きな目標に対する具体的な施策。店内の300種類以上の果物や野菜から、“賞味期限の記載を消す”というなんとも大胆なアクションです。
そもそも賞味期限とは、味や風味など全ての品質が保たれ、美味しさも保証された期間のこと。今回のM&Sの取り組みは、消費期限と違って、まだ十分に食べられる状態にもかかわらず、その意味を知らずに廃棄してしまう人が多い現状を見かねた上での施策だそうです。この新ルールによって、消費者は、食べられるか食べられないか、自らで判断することが問われています。
M&S食品技術担当ディレクター、アンドリュークハッペン氏は、廃棄される食品量を減らすために私たちはできる限りのことをする必要があると述べ、今後より多くのスーパーで賞味期限のラベルを廃止してほしいと呼びかけてます。更に、人々が匂いや見た目などから食べ物の捨てどきを自己判断できるようになれば、不要な廃棄物を減らしていけると、消費者の意識向上についても声を上げました。
今年、国連環境計画(UNEP)が発表した日本の食品ロス数値は世界14位。このランキングを重く受け止め、私たち一人ひとりが課題解決に取り組んでいかなければなりません。
すぐに食べる・調理するものなら手前の食品を取る、必要な量に応じて、必要な分だけ買う、など、私たち個人にもできる簡単な施策はたくさんあります。
どんな食品でも賞味期限のラベルを取れるわけではなく、イギリスでも期限表示の義務はモノによって異なります。今回の発表も、一部の生鮮食品を対象に行われた、スタートといえるはじめの一歩です。今後、人々の意識が変われば更なる環境への取り組みが期待できるできるでしょう。
これはもちろん日本にも言えること。期限表示が必要とされていない品質の劣化が極めて少ない加工食品や、既に一部、期限表示のない生鮮食品(バナナ、柑橘類など)があります。こうした食材が増えれば、いつか近しいアクションが行われる日が来るかもしれません。
まずは私たち一消費者が、食品ロスに向けて出来る簡単な選択から地球だけでなく、ひょっとしたらお財布にもやさしいお買い物の選択を、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。