• トップ
  • 記事一覧
  • 訪日外客数、3ヶ月連続「100万人超」サステナブルなホテル選びから旅を楽しもう!
TREND

訪日外客数、3ヶ月連続「100万人超」サステナブルなホテル選びから旅を楽しもう!


この記事に該当する目標
5 ジェンダー平等を実現しよう 12 つくる責任つかう責任 13 気候変動に具体的な対策を 15 陸の豊かさも守ろう
訪日外客数、3ヶ月連続「100万人超」サステナブルなホテル選びから旅を楽しもう!

2020年の1月に日本で最初の感染者が確認された新型コロナウイルス。このコロナ渦で叫ばれていたステイ・ホームの影響で、世界的に旅行をする人が大幅に減少しました。
日本政府観光局(JNTO)の調査によると、2019年の訪日外国人数は、約3,200万人いましたが、2021年には約24.5万人まで落ち込んだそう。一時期は観光業界に大きなダメージを与えたコロナウイルスですが、昨年12月には2年10か月ぶりに100万人を超え、なんと2023年は1月は149.7万人、2月は147.5万人の訪日客が確認されており、観光業界ではさらなるV字回復を見込んでいます。パンデミックのあったこの数年、多方面で新たな価値観が生まれる中、滞在先のホテル選びにもSDGsを意識する人が増えてきているのではないでしょうか。今回は、旅行に伴うサステナビリティについて見ていきましょう。

サステナブル・ツーリズムの実現

2021年6月、JNTOは、SDGs への貢献と持続可能な観光「サステナブル・ツーリズム」の推進に向けて取組方針を発表しました。これは、JNTOが掲げるビジョン「国民経済の発展」、「地域の活性化」、「国際的な相互理解の促進」、「日本のブランド力向上」の実現にも直結すると考えられています。
実際に、国内のホテルで行われている具体的な事例としては、以下のようなものがあります。

「ホテルマン」という職業名が「ホテリエ」へと進化

「ホテリエ」という言葉を聞いたことはありますか?ホテリエとは、男女どちらにも使えるホテルで働く人のことを指します。これまで、この職業は「ホテルマン」という呼び方が一般的でしたが、「マン」という単語が男性のみを指しているように見えてしまうため、現在ではホテリエという呼称が広まりつつあります。

「CO2ゼロSTAY」のサービスがスタート

JTBコミュニケーションデザインは、2023年3月1日よりホテルや旅館などの宿泊施設向けに、カーボン・オフセットができる「CO2ゼロSTAY」のサービスを提供開始しました。環境省によると、カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。
「CO2ゼロSTAY」プランを利用して宿泊することで、SDGsや環境保護に実際に貢献できるだけでなく、オフセット証明書の取得も可能とのこと。実際に自分が環境に貢献したことが形になって表れる嬉しい取り組みですね。

ホテルやトラベル業界でもサステナビリティレポートを発行する動きも

持続可能な社会の実現に向けた企業の取り組みを開示する「サステナビリティレポート」。
近年では、ホテルやトラベル業界でもサステナビリティレポートを発行する動きが見られます。多くのホテルやレストランで構成されている世界的な非営利組織「ルレ・エ・シャトー」も、長年にわたり環境保全に向けた取り組みを実施しており、今年ブランドとして初となるサステナビリティレポートを発行しました。レポートでは、日本からは鹿児島の「天空の森」の養蜂が紹介されています。

鹿児島「天空の森」での養蜂

鹿児島県にあるリゾート施設「天空の森」では、広大な山の敷地や環境を活かし、希少価値の高い準野生のセイヨウミツバチの保護を実施しています。細心の注意を払い、野生のミツバチと競争をしないように、森の中に巣箱を離して配置しています。天空の森でミツバチを保護することにより、ミツバチたちは農薬が使用されていない飼料を得ることができ、また施設にとっては施設内の有機野菜畑で受粉をしてくれるため、ミツバチも地球も恩恵を受けることができます。田島健夫オーナーは、「リゾートとは人間性回復産業である」を信条とし、南九州の素晴らしさを伝えながら常識では考えつかない、非常識なラグジュアリー体験を追求しています。

いよいよ本格的に旅行を楽しめるようになってきましたが、観光は余暇を過ごすレジャーでありながらも、訪れた場所を深く知り、関わっていくということもその要素に含まれています。せっかくの旅行であれば、ホテルや観光地のSDGsな取り組みにも注目し実際に参加してみることで、今後、旅行の楽しみが一つ増えそうですね。サステナブル・ツーリズムの実現も、観光する側と受け入れる側の双方が、楽しみながら行っていくことが大切なポイントになるでしょう。