<radiko配信中>「資本主義の正体」「資本主義のゆがみ」今こそ目をつぶってきた問題と向き合おう
この記事に該当する目標
ニッポン放送で毎週日曜日14時10分からオンエア中のラジオ番組『SDGs MAGAZINE』。パーソナリティは元乃木坂46で現在はファッションモデルや女優としても活躍中の新内眞衣さん。
今回は、廃棄物でアートを作る美術家、長坂真護さんをゲストにお迎えし、目標1「貧困をなくそう」や、目標12「つくる責任、つかう責任」についてお話を伺いました。
みなさんは、自分が使い終わって廃棄したパソコンがどこに行っているかご存知ですか?寄付した洋服はどこに行っているでしょうか?
我々が知ろうとせずにごまかしてきた現実の向こう側を見ている長坂さんのお話には、衝撃を受けるかも・・。
聞き逃してしまった方はぜひradikoの聴き逃し配信をチェックしてくださいね。
この記事を読んでから聞いてみると、よりお楽しみいただけます。
radiko:
ガーナのスラム街“アグボグブロシー”
先進国から毎年25万トンの電子機器廃棄物が持ち込まれ、東京ドーム32個分のエリアが覆いつくされているのがガーナのスラム街“アグボグブロシー”。
再生可能な金属(銅など)を取り出すためのケーブルを焼く野焼きによって、空は黒煙に覆われ、プラスチックやゴムを燃やす悪臭が漂っています。
それを消すための水が流れることにより川はどす黒く染まり、有害な汚染水となって海に流れ出ています。
持ち込まれる電子廃棄物は、冷蔵庫や電子レンジなどの家電、電子基板、キーボード、ゲーム機器、スマートフォンなど。中には “Made in Japan” の刻印もあります。
長坂さんはここで、野焼きによる大量のガスを吸い癌になり、30代でこの世を去ると言われている現地の人たちの姿を目の当たりにします。その仕事の対価は、1日12時間働いて500円。
大量生産・大量消費社会が生み出した歪みや先進国の豊かな生活は、彼らの犠牲の上に成り立っているのです。
『彼らを犠牲にしてまで、我々が富を形成することがそんなに大事なことなのか?』
この真実をアートの力で先進国に伝えたいと感じたことが、長坂さんの活動のきっかけです。
長坂さんの活動
スラムでも不必要な廃棄物から作品を制作し、その売上で現地にガスマスク250個を届けたのが長坂さんの最初の活動です。
アグボグブロシーで癌になる彼らの命を救うことはできなくても、延命するために。『このスラム街をさらにアートで良くする』と誓った後、2018年の個展ではなんと1つの作品が1500万円で売買されました。
そこからさらにスラム街に集積した廃棄物を自身の作品へと昇華し、その売上を現地の人々へと還元する活動を続けています。
「資本主義の正体」「資本主義の歪み」
こうした廃棄物は、どこから、誰によって、そして、何によって生まれたのでしょうか。 これは簡単に言えば「先進国の電子ゴミ」ですが、その根底にあるのが「資本主義の正体」「資本主義の歪み」です。
ガーナは、世界最大級の電子ゴミ廃棄場である以外にも、実はアパレルゴミの問題も抱えています。リサイクル、あるいは寄付という名目で、世界各地から毎週1500万着もの古着が集まり、その4割が首都アクラ近郊の海に不法投棄され、海水汚染のもとになっています。 どうしてこんなことになってしまっているのでしょうか。
SDGsの根幹は、大量生産・大量消費社会が生み出した肥大した豊かさと、それを追い求めてきた経済のあり方を見つめ直し、人間の欲求によって歪んでしまった地球を治すこと。
長坂さんのお話を聞きながら、改めて今自分たちにできることは何か、この問題とどう向き合っていくべきか、一緒に考えていきましょう。
4月2日に放送したラジオ番組「SDGs MAGAZINE」は、radikoにて聴き逃し配信中です。時間が合わず聴き逃してしまった方は、ぜひradikoのタイムフリーで聴いてくださいね!
radiko:
ゲスト 廃棄物でアートを作る美術家、長坂真護さん
1984年福井市生まれ。MAGO CREATION代表取締役美術家。
2017年6月、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。
以降、廃棄物で作品を制作し、その売上から生まれた資金で、これまでに1,000個以上のガスマスクをガーナに届け、スラム街初の私立学校を設立し、2019年8月にはスラム街初の文化施設も設立。
この軌跡がドキュメンタリー映画“Still A Black Star”として製作され、アメリカの映画祭で「観客賞部門 最優秀環境映画賞」を受賞。
現在、公開へ向けて準備中。経済・文化・環境(社会貢献)の3軸が好循環する新しい資本主義の仕組み「サステナブル・キャピタリズム」を提唱し、抜本的な問題解決に向け、現地にリサイクル工場建設を進めるほか、環境を汚染しない農業やEVなどの事業を展開し、スラム街をサステナブルタウンへ変貌させるため、日々精力的に活動を続けています。