若いケイトリンと、幼いころのケンダル、カイリー。
（ケイトリンのinstagram @caitlyngennerから）


Netflixオリジナルドラマ、“Untold”の3作目が8月24日（火）に公開されました。ご覧になった方はいらっしゃいますか。

“Untold”は、様々な競技で活躍したスポーツ選手にフォーカスし、その苦悩や葛藤にせまった、一話完結のドキュメンタリードラマです。そんな本作の第3話の主人公には、トランスジェンダーであり、1976年のモントリオールオリンピック十種競技金メダリストのケイトリン・ジェンナーさんが登場しています。

ケイトリン・ジェンナーってどんな人？

彼女はアメリカのリアリティテレビシリーズ「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」に出演しています。アメリカで大人気だったこちらのドラマは、カーダシアン家のお騒がせ家族の個人的および職業的な生活に焦点を当てたもので、最近日本でもNetflixで視聴可能となりました。これがきっかけで、彼女のことを知る人も多いのではないでしょうか。

彼女のことを説明する代名詞はそれだけではありません。彼女は、たった一人で色んな人生を生きているのです。
改名以前の名、ブルース・ジェンナーという一人の男性として。また、オリンピック金メダリストとして。著名なセレブリティであるケンダル・ジェンナー、カイリー・ジェンナーのパパとして。そして、トランスジェンダーの女性、ケイトリン・ジェンナーとして…。

色んな表情を持つケイトリンの抱える悩みや苦悩

ケイトリンは金メダリストであり、パパであり、そして女性でもあります。このドラマでは、彼女のアスリートという顔にフォーカスし、女性の心を持ちながらも男性陸上競技選手としてオリンピックに出場した苦悩が描かれています。ほんの少し内容に触れると、彼女は、ケイトリンという新しい名を持った喜びと同時に、以前の“ブルース”という自分のを自らを消してしまったような戸惑いがあったそうです。「オリンピックで金メダルを取ったのは紛れもなくブルースであり、そう言われるのは何の躊躇いも問題もない、もちろんそれが私の全てではないけれどね」劇中でそう笑って話す彼女の表情はとても逞しく、そして綺麗です。

彼女の人生は少し複雑で、喜びと同時に苦悩も伴っていた。だからこそ、彼女の笑顔はこんなにも美しいのでしょう。

人がみんな自分らしくあるために

彼女だけが特別なのではありません。人は誰しも複雑で、みんなが自分らしく生きるためには、性別をはじめ、決められたカテゴリーにあてはめてキャラクターを視覚化してはいけない。筆者は彼女のドキュメンタリーからそんなメッセージを受け取りました。

自分の性について悩める人も、もちろんそうでない人も観てほしいおすすめの一作です。
ドラマはこちらから。Untold: ケイトリン・ジェンナーの金メダル