外国籍スタッフは4割。個性を認め合い活かすチーム作りの3つのポイント
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仕事や学校、住んでいる地域や趣味の集まりなど、様々なチームやコミュニティで活動する中で、みなさんはどれくらい“ダイバーシティ&インクルージョン”を意識していますか?
多様性を許容することに留まらず、強みとして活かしていく組織運営に取り組みたい、でも一体どうしたらいいのか。
日本財団が2021年に行った調査によると、「ダイバーシティもしくはダイバーシティ&インクルージョン」について、名称を認知している人は71.9%で2年前の66.5%から5.4ポイント増加。さらに、意味や定義を知っている人は2年前の調査では約3割の29.9%に留まったのに対し、今回の調査では約4割の39.4%で9.5ポイント増加という結果に。
性別、年齢、障がい、国籍などの外面の属性や、ライフスタイル、職歴、価値観などの内面の属性にかかわらず、個々人の違いや個性を認め合い、活かしていくという考え方はとても重要になっています。
今回は、そんな“ダイバーシティ&インクルージョン”に取り組む企業のひとつ、イベント・コミュニティのプラットフォームを運営しているPeatix(ピーティックス)を取材。
Peatixは、日本発の企業でありながら、本社をニューヨークに構え、世界各地でメンバー採用を行っている企業です。
多様なメンバーがチームとして力を発揮するために工夫をしているということで、Peatixの共同創業者で、取締役・最高マーケティング責任者でもある藤田祐司さんに3つのポイントを伺いました。
ポイント1:オープンコミュニケーション
「Peatixは“オープンコミュニケーション”を常に意識しています」と話す藤田さん。業務のやり取りはオープンな場所で行うことを徹底し、会議の議事録も原則誰でも見られるようにしているそうです。個別のクローズドなやり取りはできる限り減らすよう意識しており、部署の垣根も超えて社内で情報を共有されています。
藤田さんは、「別チームで重複した動きをしてしまうことはよくあると思いますがPeatixでは情報をオープンにすることでそれを防げたり、メンバーが持つ情報量が均一化されるため、各自が意思決定を適切に、スピーディーに行えた」とその効果を実感していると話します。
ポイント2:異言語コミュニケーション負荷を減らす工夫
「これは外国籍スタッフが4割程と比較的多いPeatixだからこそかもしれませんが、異なる言語でのコミュニケーションの負担を減らすための工夫もしています」社内の公用語は英語とのことですが、英語を使用することに精神的な負荷がかかる社員の方もいるとのことで、それを減らす工夫がなされています。
「テキスト上のやり取りでは、自分が書いた英語テキストに加えてDeepLやGoogle翻訳などの翻訳ツールを使用した英語テキストを送ることを積極的に行っています。認識の齟齬が生まれるかもしれない、という不安を取り除くことができています」
ポイント3:お互いを知り合う機会づくり
「週1回、70名程の社員全員が集まるミーティングをオンラインで実施しています。新しいメンバーが入ることも多いのでメンバーの紹介も行いますし、各チームの業務の共有をして海外勤務やリモート勤務でもお互いを知ることができる時間を持つようにしています」
海外の拠点で活動する社員も多い中、時差も考慮しながらも、毎週全社メンバーで顔を合わせる時間を大切にしているそうです。特にコロナ禍では、全社ミーティングの内容をさらに工夫するようになったと言います。
「情報をオープンにし、異なるバックグラウンドを持つスタッフ同士のコミュニケーションの負荷を減らし、お互いを知り合える環境を整えることで、個々人がオーナーシップを持って適切な判断をすることが可能になり、チームワークが強まり、組織力が高まっていきます」と藤田さん。
メンバーが多様な価値観や経験を共有し合うことが、競争力のあるサービスづくりへと繋がっていくのではないでしょうか。