女性活躍のヒントはフランスにあり?3名の女性起業家に聞く“わたし起点のビジネスデザイン”とは
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フランスでは日本に比べるとジェンダー平等の満足指数が高いことをご存じですか?世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数2021」によるとフランスは16位に対し、日本は120位と先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となりました。日本は1999年に男女雇用機会均等法を制定、フランスは2000年にパリテ法(男女平等を定めた法律)を制定。ほぼ同時期に男女平等を定めた法律を制定してるにもかかわらず、なぜ差が開いているのでしょう。今回は、女性活躍のヒントを探るために、国内でもフランス発シャンパーニュブランド「ヴーヴ・クリコ」が主催するイベントに参加。「ヴーヴ・クリコ ボールド カンバセーション2」に登壇した3名の女性起業家の方々にお話しを伺ってきました。
ヴーヴ・クリコは何故ウーマンエンパワーメントに取り組むのか
ヴーヴ・クリコはフランス発のシャンパーニュブランドです。「ラ・グランダム=偉大なる女性」と呼ばれたメゾン経営を引き継いだマダム・クリコのように大胆な精神、独自の創造力、そして起業家精神と多様性をもつ世界の女性リーダーを讃え「ヴーヴ・クリコ ボールド ウーマン アワード」を実施。女性リーダーの声を広く世界に届け対話を促す「Veuve Clicquot Bold Conversation(ヴーヴ・クリコ ボールド カンバセーション)」を2021年から開催することになりました。
起業を決めたきっかけは「やってみよう」というチャレンジ精神
「私起点のビジネス」ということで、起業するまでのきっかけや苦労話、そして今経営者として感じていることを女性ならではの観点で捉えたトークがスタート。起業に至った経緯は皆さんそれぞれでしたが、意志を曲げずにやってみる、という共通点がありました。
モデレーター若林(以下若林):まずは、Aminaさん。起業したきっかけを教えてください。
Amina:私は幼少期からアフリカ大陸、ドイツ、イギリスに住むなど普通じゃないというか、グローバルな環境で過ごしていたんです。なので世界規模の価値観の元、成長したなと。環境のおかげで、考えが自立していたので、人に雇われる事は考えたことがありませんでした。自分にできること、得意なことを最大限発揮できることは何かをずっと考えていましたね。そこで大学で学んだヘルステック、特に女性の為のフェムテックならやれると。世界的にもフェムテックが浸透しだした今、日本をその波に乗せるためにやってみようと思ったんです。
若林:なるほど、得意分野だったんですね。そして、次に溝渕さん。お若いですね。
溝渕:私は最初は商社で働いていたんですけど、分かりやすく人のためになることがしたい、大きなことじゃなくても、小さいことでいいから誰かのためになることをしたいという想いから退社しました。退社後にアメリカ、ブラジルを旅しました。その時にヴィーガンという思想に触れ、魅力を感じたんです。どうせ食べるなら、おいしくて、地球にもやさしい方がよくない?と単純に思ったんですね。これを日本でやってみようというのがきっかけです。
若林:興味から始まったんですね。
溝渕:はい、なので最初は自分で作ってみて、友達に配るところから始まりました。
若林:おもしろいですね。溝渕さんらしいというか。そして最後に林さんです。
林:私も元々メーカーで働いていたんですが、そこで感銘を受けたクリエイティブの素晴らしさに魅了されたのがきっかけです。クリエイティブに特化した会社を作りたいと思って、色んな人に相談したんですけど、経営の資格がない事、そして女性であることがまだ浸透していない背景から、反対されましたね。それでもやりたかったから、やりました。
若林:反対があったんですね。
林:ありましたよ。まだ2000年とかだったから女性が起業するのは本当に苦労しました。けど思い切ってやってみて良かったです。
共通していたのは、まずは踏み出すこと、そしてそのあとの経営に関しては、従業員をルールで縛るのではなく、一緒に頑張る、チーム作りに力を入れたそうです。小さく括らず、根本的な目標や思想が一緒であることを大切に。こういった企業風土も印象的でした。彼女たちの勇気ある1歩がビジネスの起点となったといえるエピソードで、聞いている筆者も、同じ女性として勇気を貰うことができました。
女性リーダーの考えを次世代へ視聴者との対談を経て
今回のトークはzoomウェビナーでも配信されており、後半では一般視聴者の方からの質問なども交えての開催でした。今の日本を代表する女性リーダーの方々の声を視聴者に届け、更に交流することができたことで筆者のように勇気を貰った方も沢山いるのではないでしょうか。女性であることに誇りを持ち、自分の信念に向き合ってきたからこその輝きで魅力に溢れ、そんな彼女たちの作る社会に希望を感じるセッションでした。次世代に伝えて行くためにもまずは参加した私たちが自信の歩みに立ち返り、日本、そして世界の将来を考えてみるのもいいかもしれませんね。
【第2回Veuve Clicquot Bold Conversation開催概要】
トークテーマ:「私起点のビジネスデザイン」
登壇者:女性起業家3名
fermata株式会社
共同創業者 兼 CEO Amina氏
fermata株式会社はフェムテックをけん引する日本企業。月経、妊娠、更年期障害など、女性のウェルネスやセクシャルウェルネスの課題解決に多角的に取り組んでいます。
アメリカンヴィーガンベイクショップ「ovgo B.A.K.E.R」
創業者 兼 CEO 溝渕由樹(みぞぶち ゆき)氏
おいしいだけじゃない環境にも、”私たちの大切な未来”にもやさしいものを食べる。正に次世代、ミレニアム世代の女性起業家がアメリカで旅をして見つけたおいしいクッキーから始まった「ovgo B.A.K.E.R」。
クリエイティブ・カンパニー株式会社
「ロフトワーク」共同創業者 兼 取締役会長 林千晶(はやし ちあき)氏
クリエイターを尊重し、クリエイティブの魅力をそのままに。フラット・オープン・ダイバーシティをモットーにクライアントと向き合える新しい形のクリエイター集団。まだまだ女性起業家が浸透してない2000年、クリエイティブの魅力をもっと伝えたいという気持ちから始めた「ロフトワーク」。
ヴーヴ・クリコ ボールドカンバセーション公式サイトはこちら