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Tinderには性別欄が9種、Facebookは58種。増える選択肢と進まない法整備。


この記事に該当する目標
5 ジェンダー平等を実現しよう
Tinderには性別欄が9種、Facebookは58種。増える選択肢と進まない法整備。

今年3年ぶりの開催となるレインボープライドやレインボーキャンペーンなどを通して、日本でもLGBTQという言葉自体が広まりつつあります。しかし、世界に目を向けるとその基準にギリギリ達したという状況。

「自分には関係ない・自分の周りにはいない」と思いがちですが、電通ダイバーシティラボが実施した、日本全国20〜59歳の6万人にジェンダーマイノリティに関する調査によると、LGBTQ+層に該当すると回答した人は、全体の8.9%。
つまり、およそ10人に1人がLGBTQ+となり、日本の「佐藤さん」より多いという結果に。

図表1. 改善はみられるもののLGBTQの受容は限られている

LGBTQの受容を1-10の尺度で測り1はLGBTQが全く認められないことを意味し、10は常に認められることを意味する。
※1:Society at aGlance 2019(A spotlight on LGBT people)

選択できる自由

LGBTQへの理解が進んだり、言葉が知られるようになったことで、LGBTQであることを名乗る人も増えるなか、履歴書から写真や性別欄がなくなったり、プロフィール選択で男女以外が選択できるサービスも出てきています。

たとえば、ソーシャル系マッチングアプリ「Tinder」では2021年4月中旬から、ユーザーが自身の性的指向と自認性を選択してプロフィールに表示させることができる「性的指向と性別が選べる機能」が導入開始されました。

Tinder内だけでも9種類のセクシュアリティが反映されていますが、実際にはもっとたくさんの性的指向(SO:好きになる性)や性自認(GI:心の性)が存在し、アメリカ版Facebookでは58種類の選択肢が存在します。
これ以外にも性は多様であり、まだ決められていない方も数多くいるでしょう。現に、58種類の選択肢があるアメリカ版Facebookでも59個目の選択肢として「その他」があります。つまり大切なことは、多様性があることを改めて考えることなのです。

LGBTQの法整備状況は先進国ワースト2位

一方で、日本のLGBTQの法整備状況は、ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め35ヶ国の先進国が加盟するOECD内で35位中34位とワースト2位(※2)となっています。

OECD questionnaire on LGBTI-inclusive laws and policies (2019).

そのなかでも、話題にあがることの多い同性婚および登録パートナーシップなど同性カップルの権利を保障する制度については、主要7カ国(G7)のうち同性婚を認めていない国は日本だけです。世界では四半世紀以上も前の1989年にデンマークで同性パートナーシップが法制化されているなか、日本は2015年にようやく渋谷区が同性パートナーシップを導入しました。都内では現在、渋谷区をはじめ港区、文京区でもできていますが、2022年内に東京都全体での同性パートナーシップ制度の導入の見通しが立っていることが表明されています。

性的指向(好きになる性)の意味と種類を一部おさらい

Tinderで選択できる9種類のセクシュアリティについて、東京レインボープライド、JobRainbowMAGAZINESNSを参考に今うたわれている用語をまとめました。

ストレート
性的指向が異性のセクシュアリティの人。

ゲイ
性自認(心の性)は男性で、性的指向も男性である人。

レズビアン
性自認(心の性)は女性で、性的指向も女性である人。

バイセクシュアル
性自認(心の性)を問わず、性的指向が両性である人。

エイセクシュアル(アセクシャル)
性自認(心の性)問わず、無性愛者。同性だけでなく異性に対して恋愛感情を抱かない、性的指向が誰にも向いていない人。

デミセクシュアル
感情的結びつきを持った相手にのみ性的魅力を感じる性的指向。
一般の人に比べ性的魅力を感じることがほとんどなく、性的行為に関してほとんど、あるいは全く興味がない人。

パンセクシュアル
全性愛者。文字通り「全ての人」を好きになる方です。男性や女性という二つの性別だけでなく、Xジェンダー(中性)の方なども含めて「あらゆる性のあり方の人」が好きになります。

クィア
LGBTのどれにもにあてはまらない性的なアウトサイダー全体をも包括する用語として、肯定的な意味で使われている。

クエスチョニング
性自認や性的指向を決められない、迷っている状態の人。

最近耳にすることが増えたセクシュアリティに関するワードは?

・トランスジェンダー:体の性別と心の性別が一致しない人。
・Xジェンダー:自らを男女の性に定義することに違和感を感じている人。
アンドロセクシュアル:性自認に関わらず性的指向が男性に向く人。
・ジニセクシュアル:性自認に関わらず性的指向が女性に向く人を指す。
・トゥースピリット:ネイティブアメリカンの文化に由来した概念で、コミュニティによって 複数の性役割を果たす人。
・ポリアモリー:複数人と同時に恋愛関係や性的関係を結ぶセクシュアリティです。複数人と関係を持っていることを関係者全員にオープンにしているため、浮気とは違いがあるという 恋愛観をもっています。


人それぞれの性的指向(SO:好きになる性)性自認(GI:心の性)、にまつわるワードが存在します。

画像出典:京都市LGBTQ応援サイト

ここまで書いたように、LGBTQという言葉自体や理解し受容するための情報、他人事ではない意識が社会に広がっているように感じます。知識や理解は人を豊かにし、知らないが故の偏見を助長することになります。まずは知ることがファーストステップ。知る前と知った後では価値観が大きく変わります。最近では、レインボーキャンペーンや、イベントなどが開催されており、より身近にセクシャリティについて感じることができます。
これからはこういった多様性がどんどん受け入れられ、「ひとりひとりが自分らしくいられる」そんな未来をつくっていきましょう。