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今年のダウン購入はリサイクルダウンを!製造過程における非人道的問題点


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12 つくる責任つかう責任
今年のダウン購入はリサイクルダウンを!製造過程における非人道的問題点

世間では気候変動により暖冬になっていると、度々ニュースで耳にするものの、まだまだ冬のアウターといえばダウンジャケットをチョイスする方も多いのではないでしょうか。しかし、そのダウン。どのようにして製造されているか調べてみたことはありますか?
実はダウンの製造過程に非人道的な問題点があるんです。これはもう想像するだけで痛い。そして心が痛みます。今年ダウンを購入したいと考えている方に伝えたい。ダウン製造における真実を。

そもそもダウンの何が問題なの?

・ダウンとは?

ダチョウやアヒルといった水鳥が、自身の体を暖かく保ち、生き抜くために胸から腹にかけて生えている毛のこと。この構造(ダウン)は、タンポポの綿毛によく似た糸状の線になっており、立体構造をしています。そのため空気を多く含み、優れた断熱性を備えつつ、湿気を逃してくれるという素晴らしい機能を持っています。そして水鳥1羽から採れるダウンの量は、わずか5〜10g程度といわれており、非常に貴重なものです。

水の中にいる鳥自動的に生成された説明

・製造方法が問題視されている。

しかし、そのダウンの製造方法が問題視されています。主に採取の方法は3つ。
1.機械で取る「マシーンプラッキング」
食用や飼料用に育てられた水鳥を、屠殺(とさつ)し、機械を使って一気に羽毛を採取する方法。短期間で効率よく採取するため、ダウンとしての質は低く、価格も安価で済むといわれており、現在ではこの方法が一般的なのだとか。

2.生え変わりを採取する「ハーベスティング」
水鳥にも毛の生え変わりがあります。自然と抜け落ちた羽毛や抜け変わりそうな羽毛を、人の手で採取する方法です。ただし、この方法は採取できる量が非常に少ないため、ダウンとしては価格も品質も上がります。

3.【非人道的な問題】一羽ずつ羽毛を掴み取る「ハンドクラッピング」
基本的には屠殺した水鳥から、一羽ずつ手で羽毛をむしり取っていく方法です。しかし中には、生きた状態の水鳥から羽毛をむしり取るライブハンドクラッピングが行われることも。生きた状態で羽毛をむしり取られてしまった水鳥は、その後、寒さに耐えられず死んでしまうこともあるそうです。
ヨーロッパでは「農業的動物飼育における動物保護に関する欧州協定」により、この非人道的な行為が禁止されています。しかし実際にはまだハンドクラッピングが行われている生産農業も多いのが現実。
また日本では、日本羽毛製品協同組合が2009年以降、国際的な信用の観点からハンドクラッピングの表記をしてはいけないと注意喚起が出されたそうです。
つまり、羽毛の調達における製造方法が表示されていないため、たとえハンドクラッピングで採取されていた羽毛だとしても、分からないということになります。

サステナブルなダウンジャケットもあり

ダウンではなく再生ポリエステルなどサステナブル素材作られた”ダウンジャケット”として、セイブ・ザ・ダック(SAVE THE DUCK)や、ステラマッカートニーが有名です。ステラマッカートニーに関していえば、クルエルティフリーで動物に対し残酷な扱いをしないだけではなく、悪影響を与えない。そして環境に配慮した方法で原料を生産している厳選された工場と契約し、製品を製造しているのだそうです。
また、ユニクロでは自社で回収したダウンから採取された原料を、丁寧に洗浄し再使用したリサイクルダウンの販売も開始されています。

屋内, 座る, いっぱい, 異なる が含まれている画像自動的に生成された説明

どうしてもダウンが買いたい。そんな時はどこで買うのがいいのか?

お伝えしたような状況下で、ダウンを買うならどうしたらいいか?
ダウンで有名なブランド「モンクレール」「カナダグース」「パタゴニア」では、サステナブルな製造を目的としており、さまざまな対策がされています。
中でもモンクレールでは、外部機関がダウンにおける産地の詳細や生産ルートの追跡、徹底した技術的品質の管理、動物の尊重を行なっていると認定した製品に与えられる、100%DIST認証を取得。そして、食肉を目的として養殖されたガチョウのみに由来するダウンで、高いファーミング基準を確保しています。

全てにやさしい選択を

人間がオシャレを楽しみながら暖かさを確保するダウンジャケット。でも、そのダウンは水鳥への酷い仕打ちと、命を奪ってまで得る暖かさでなくてもいいはずです。もう、自分だけ良ければそれで良いという考えは捨てて、人にも動物にも、そして植物など地球環境にやさしいライフスタイルへと、自分自身をアップデートさせていきましょう。

ライター / 星ゆうこ
企画・編集 / 内村