小池都知事「CO2排出しない環境先進都市目指す」 24年春に電気自動車のF1「フォーミュラEレース」を開催へ
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11月19日、「Zero Emission Vehicle」(以下、ZEV)をより多くの人に知ってもらうためのイベント「ZEV-Tokyo Festival」のオープニングセレモニーが開催されました。
セレモニーには小池百合子都知事も登壇し、「ZEVのかっこよさや地球環境への配慮を知り、「もっと使ってみよう、乗ってみたい。」そんなZEVの魅⼒を感じられるようなイベントにしたいと考えております。」とコメントしました。また、2024年春に“電気自動車のF1”とも呼ばれる「フォーミュラEレース」を東京で開催することも発表し、サステナブルな社会作りを都民に呼びかけています。
都知事によれば、レース開催はCO2を排出しない環境先進都市「Zero emission Tokyo」の実現に向けた活動の一環とのことです。2020年12月には、2035年までに新車の販売を電動車に限定するとの発表もしました。
ではなぜ今、日本含む世界は電気自動車にシフトしようとしているのでしょうか?そこには、自動車と切っても切り離せない環境問題がありました。
東京がZero emission Tokyoを目指す理由
最初に自動車が開発されてから約250年、もはや人類にとって自動車は必要不可欠な存在と言っても過言ではないでしょう。事実、2022年の調査によると、二人以上世帯はなんと80.6%もの方が自動車を所有していることが判明したようです。
しかし、ある研究結果では、1kmを走るのに自動車から排出される二酸化炭素は147g、電車は19g、飛行機は109gとされています。乗り物の中では自動車が一番環境に悪い乗り物と言えるのです。
環境省と国立環境研究所によると、日本の2020年度の温室効果ガス排出量は11億4,900万トン。うち17.7%(1億8,500万トン)は自動車が排出した二酸化炭素とされています。一方で、森林などによる吸収量はわずか4,450万トンでした。
中でも人口が集中する東京都は、2020年に5,990万トンもの温室効果ガスを排出しています。そのため、さまざまな分野で脱炭素に取り組んでおり、自動車にも脱炭素の波がやってきているのが現状です。近年、2015年に国連総会で採択された17のSDGs(持続可能な開発目標)にも注目が集まっています。
自動運転に取り組む自動車メーカー
SDGsに取り組むにあたり、日本の自動車メーカーが続々と自動運転に参入していることは周知の事実でしょう。一見自動運転はSDGsに関係ないように見えますが、実はSDGsの3番目「すべての人に健康と福祉を」の中の3.6「2020年までに、交通事故による死亡やけがを半分にまで減らす」に関係します。
日本では交通事故の原因1位が安全義務違反で53.6%を占めていることから、半分以上は手動ミスによるものです。一時停止など、ついつい忘れてしまう方が多いルールを自動車が自動的に守ってくれれば、従来の自動車事故の大半を防げるようになるかもしれません。
日本の大手自動車メーカー・トヨタは2020年、AIやロボット、自動運転などを人々の生活に導入する実験都市「ウーブン・シティ」をスタート。静岡県裾野市に東京ドーム15個分の範囲で最先端技術を導入した街づくりに取り組んでいます。
自動運転やソフトウェアを開発することは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」にも通じてくる部分でもあります。私たちがこれからも地球に住み続けられるよう、今後の開発状況に目を向けてみてはいかがでしょうか。