世界評価1位の日本の男性育休制度は取得率わずか13%!その理由とは
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日本の出生率が80万人を割るというニュースが話題の昨今。統計開始から過去最少の数値となりました。昔と比べて税金が高くなったり、物価が上がったり、結婚に興味がない方も珍しくありません。子育てが難しいと考える人も多いでしょう。
そんな中、少しでも育児休業を取得しやすい職場環境を作り出すために、2023年4月の育児・介護休業法改正から従業員が1,000人を超える企業の事業主は、男性労働者の育児休業の取得を公表することが決定しました。
育児に慣れている、初めての子育てなどは関係なく、出産で大変な思いをした人もパートナーが一緒にいてくれたら嬉しいですよね。しかしながら日本は、男性育児休業の取得率が海外と比べてとても低いのです。一体どうしてでしょうか。
今回は、世界の育児休業の取得率と日本を比べながら、「男性の育児休業」について考えていきます。
世界評価1位の“日本の育児休業制度”をちゃんと知ろう!
実は日本の育児休業制度は、先進国の育休・保育政策などを評価したランキングで世界1位になっています。理由は、父親に認められている育児休業の期間が最も長いこと。日本の育児休業制度は、子どもが1歳になるまでの間、保育所などに入所できない場合に限り、1歳6か月まで(再延長で2歳まで)、申し出により取得でき、休業している間に出る給与は手取りの8割程です。
よく耳にするようになったパパ育休という制度は2種類あり、通常の育児休業と「産後パパ育休(出生児育児休業)」という制度があります。
「産後パパ育休」とは、子どもの出生後8週間以内に4週間までの期間を、2回に分けて育児に充てられるよう休業できる制度のことです。長期間休めない人に向けての制度で、出生後すぐに取得することができます。家族との時間をより深く過ごすことができるだけでなく、家事の分担や初めての育児への不安を家族で解決する時間にあてられますよね。
様々な制度を設けているにも関わらず、日本の男性の育休取得率は13.97%と低めです。ヨーロッパではいろいろな育休制度を設けていますが、スウェーデンでは男性、女性ともに8割の方が育休を取得しています。育休を取らなければ変な目で見られるということもあるくらい男性の育休が浸透しているのです。
日本ではなぜ、充実した制度がありながらも育休を取得する人が少ないのでしょうか。
育児休業を取得したい男性の本音
もちろん、育児を進んでやりたい男性はたくさんいるはずです。それなのになぜ、希望通りに育休を取ることができないのでしょうか。
厚生労働省が実施した調査では、出産や育児のために育児休業制度を利用した人は19.9%います。一方で、会社に制度があり、利用したかったけれど何らかの理由で利用できなかった人は、なんと24.7%もいました。さらに、会社に制度がなく、本当は育休を取得したかったという人は12.8%と悲しい結果になりました。
利用しなかった理由として「収入を減らしたくなかったから」といった意見の他に、「職場が育休制度を取りにくい雰囲気だったから」、「上司または会社が育児休業の取得へ理解がなかったから」という声がありました。そして「育児休業は女性が取得するものだと思っていたから」という理由もありました。
確かに仕事の面で、その人にしかできないことや任されていることがあり、なかなか休むことができないこともあります。しかし、もうすぐ子どもが産まれてくることを伝えやすい環境が職場にあれば、育休を取る準備もできるのではないでしょうか。母親だから家事も育児も一人でこなさないといけない、父親だから仕事で子どもと会う時間を減らされるのではなく、ジェンダー関係なく育児や仕事を気持ちよくできる社会づくりが、持続可能な世界につながります。
あなたはどんな社会に生きていたいですか?
男性の育休率を100%にするために
育児休業を取りたくても取れない人のために、「男性育休100%宣言」という取り組みがあります。株式会社ワーク・ライフバランスが、男性の育児休業取得率100%に向けて動いている組織の代表に賛同を呼び掛けている取り組みで、現在100社以上の企業が賛同しています。男性の育休に対して具体的な対策をとっている企業の経営者が宣言し、発信していくことで他の企業も育休に対して柔軟な対応を検討し、最終的には法律改正を実現することが目的です。社会が一丸となって取り組んでいかなければ、雰囲気は変わりません。
政府が掲げている目標は、2025年までに男性育休取得率を30%にすることです。そのためには職場はもちろん、日本全体で育児をする人を応援する風潮にしていきたいですね。