昼間はかなり暖かくなりましたが、朝晩はまだ寒く、寒暖差の大きい激しい4月。加えて、花粉症に悩まされる方も多く、気温の変化や花粉の影響で、体は思った以上にストレスを感じているのがこの時期です。だからこそ、食事で体を整え、内側から強くすることが大切。
今回は、桜十字グループの医師が監修した「春のゆらぎに負けない栄養ライフハック」をご紹介します。日々の食事に少し意識を向けるだけで、春を元気に過ごすための強い体を作ることができます。春特有の体調不良を防ぐために必要な栄養素と、それらを効果的に摂取できる食材を紹介します。
花粉症対策におすすめの食材とNG食材
寒さから解放され活動的になりますが、同時に寒暖差や花粉など、体に負担がかかりやすい春。そんな時には、以下の栄養素を積極的に摂取し、体の内側からケアしましょう。
オメガ3脂肪酸: 青魚(サバ、イワシ、サンマ)、亜麻仁油、えごま油、クルミ
→抗炎症作用があり、アレルギー症状の緩和に役立ちます。
プロバイオティクス: ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌、ぬか漬け
→腸内環境を整え、免疫力を高めます。
ポリフェノール: 緑茶(カテキン)、ルイボスティー、ベリー類、カカオ70%以上のチョコレート
→ヒスタミンの放出を抑え、アレルギー反応を和らげます。
ビタミンC・E: ブロッコリー、パプリカ、柑橘類、アーモンド
→抗酸化作用で体を守ります。
ビタミンA(β-カロテン): にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、レバー
→粘膜を強化し、花粉の侵入を防ぎます。

簡単にできる花粉症対策としておすすめのメニューは、
朝食:ヨーグルト+はちみつ、フルーツ
昼食:青魚のおかず、野菜たっぷりの味噌汁
間食:高カカオチョコ、ナッツ類
夕食:緑黄色野菜を使ったおかず、オメガ3脂肪酸を含む食材
難しい料理をする必要はなく、ヨーグルトにはちみつやフルーツを加える、お味噌には野菜をたっぷり入れるようにするなど、本当にちょっとしたことを意識するだけで体を強くすることができます。
意外と知られていない、ライフハック要素の強い点として、小麦に含まれるグルテンや乳製品はアレルギー症状を悪化させる可能性があるため控えめにするといいことや、水分不足は鼻や喉の粘膜を乾燥させ、花粉の影響を受けやすくなるため、こまめな水分補給が必要なこともポイントです。また、鼻の粘膜に付着した花粉やアレルゲンを洗い流し、炎症を抑える効果が期待できるので、余裕がある方は夜寝る前に鼻うがいをするのもおすすめです。
春の体調不良を防ぐ栄養素と生活習慣
続いて、寒暖差や疲労感など、春に起こりやすい体調不良を予防するための栄養素と、それらを効率的に摂取できる食材を紹介します。
ビタミンD: 鮭、サバ、きのこ類
→免疫細胞を活性化し、体調不良を防ぎます。
亜鉛: 牡蠣、赤身肉、ナッツ類
→免疫機能を高め、風邪やウイルスへの抵抗力を高めます。
ビタミンB群: 豚肉、レバー、玄米
→疲労回復を助け、エネルギー代謝を高めます。

簡単にできるおすすめの食事習慣は、
朝食:ビタミンDを含む焼き魚、きのこ類
昼食:バランスの取れた定食、野菜スープ
間食:ナッツ類、フルーツ
夕食:亜鉛を含む赤身肉や牡蠣、ビタミンB群を含む食材
こちらも花粉症対策と同じく少しの意識でとり入れられるものばかりです。
ライフハックとして知っておくと良いポイントは、適度な運動は血行を促進し、免疫力を高める効果があること、睡眠不足は免疫力を低下させる原因となるため、質の高い睡眠が大切なこと、そして冷えは免疫力を低下させる原因となるため、体を温める食材を積極的に摂るといいことです。
どれも基本的なことに思えますが、これらが疎かになると体調を崩しやすくなりますので、今一度自分の生活習慣を見直してみましょう。
今すぐ試したい!免疫力を上げる食事のヒント
続いて、医師も推奨する、特定の栄養素を効果的に摂取するための「裏ワザ」としておすすめしたいのが、甘酒です。甘酒は腸内環境を整え、免疫力を高め、疲労回復にも効果的です。
朝食にヨーグルトと組み合わせる、間食や運動後のエネルギー補給に、夜に温めてリラックス効果を高めるなど、日常の様々なシーンでぜひとりいれてみてください。
また、忙しくてなかなか自炊をする時間がないという方にぜひ知ってほしい、コンビニの利用でも効果的に栄養を摂取するポイントがあります。
それは、発酵食品、タンパク質、ビタミン・ミネラル、体を温める食品を選ぶこと。
コンビニで選ぶべき食品TOP3としてあげられるのが、
1.納豆巻き+味噌汁
2.サバ缶+玄米おにぎり
3.ヨーグルト+バナナ
です。
これを一日の中でとりいれるとすると以下のようなイメージになります。
朝食:納豆巻き、ヨーグルト、緑茶
昼食:わかめおにぎり、サラダチキン、カット野菜、味噌汁
間食:アーモンド、高カカオチョコ、乳酸菌飲料
夕食:焼き魚、玄米おにぎり、野菜スープ
自炊ができないからと諦めず、コンビニでお買い物をする際も栄養をとることをぜひ意識してみてください。
SGDsの目標3は「すべての人に健康と福祉を」。日々の健康管理はウェルネスな生活の第一歩です。できることからトライして、春のゆらぎに負けず、元気な毎日を過ごしていきたいですね。
監修
医療法人桜十字 メディメッセ桜十字予防医療センター医師
德永理衣(とくなが りえ)氏

産業医として約40社と嘱託契約を結び、『女性のための食セミナー』や『医療職が対応する相談窓口の設置』など、働く人々の健康を守るための新しい取り組みを推進。
また、分子栄養学に基づいた血液データ解析を活用し、個々の体調に最適化した栄養療法を提案。
食事や生活改善を通じて、不調の根本的な解消を目指す。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri