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卵や野菜,果物の長期保存を可能にするバイオフィルムを開発
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9月に入りましたが、連日各地で猛暑が続いていますね。湿気も多い日本の夏は、特に食材の足がはやくなります。誰しも一度は「買った野菜、果物、卵などの食品の賞味期限を延ばすことができたらどんなにいいだろう」と考えたことはないでしょうか?
実はそれは、もう夢物語ではないのかも知れません。
今年、ブラジルのグランデ・ドウラドス国立大学の研究チームが、食材の寿命を大幅に伸ばすことのできるバイオフィルムを開発に成功したとのこと。このバイオフィルムを使えば、卵であれば30日、保存条件によれば60日程度まで保存が可能になるそうです。
開発されたバイオフィルムは、エビやカニなどの甲殻類から抽出した天然ポリマーである「キトサン」と、家庭でも使われる消毒剤「第4級アンモニウム塩」を混合し、液状に加工して作られたもの。細菌の繁殖を防ぐ働きがあるそうです。この液体を卵の殻の表面や野菜や果物のパッケージに吹き付けることで、表面にバイオフィルムが成形し、菌類の増殖を抑えることができるそうです。
この画期的な開発は、貧困国の食糧問題に大きな影響を与えることとなるでしょう。
特に、貧困国で問題となっているサルモネラ菌(熱、吐き気、嘔吐を及ぼす細菌)の対策になると期待されています。研究チームはこのバイオフィルムの商用利用化を一年以内に目指しているそうです。
”ひと夏は保存できる卵”を食べられる日も、そう遠くないのかも知れませんね。
(画像出典:SciDev.Net)
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