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「SDGsで宿を選ぶ」時代へ。 SDGsに積極的な人気ホテルの取り組みとは


この記事に該当する目標
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに 12 つくる責任つかう責任 15 陸の豊かさも守ろう
「SDGsで宿を選ぶ」時代へ。 SDGsに積極的な人気ホテルの取り組みとは

昨今、行動が規制される日々が続いていましたが、今年こそは行きたいところに自由に行けるようになってほしいですよね。そんな2022年、カレンダー的には国内旅行に行けるチャンスがぐっと増える年なんです。その理由は3連休の多さ。2021年の3連休は6回だったことに比べ、2022年はその1.5倍となる9回も3連休があるのです。
ところで、皆さんはどのような基準で宿を選ばれるでしょうか。温泉の質やアクティビティ、食事といったものが一般的かと思いますが、最近では「SDGs」が加わりつつあることをご存知ですか?

SDGsの取り組み内容で滞在先を検討する人は約74%も

SOCIALPORT株式会社が2021年11月に自社公式Instagramにおいて20~50歳までのフォロワー107名を対象に行った調査によると、「SDGsに取り組んでいるホテルを優先的に選ぶ」と回答した人が24.3%、さらに「取り組みの内容次第で決める」が49.5%と、滞在先のSDGsの内容を検討材料にする人が約74%を占めることが分かりました。

なお「あなたが良いと思うホテル旅館のSDGsの良い取り組みは?」という質問に対しては、1位が「地産地消・生産者との連携」(71%)、続いて、「食品ロス削減」(67.3%)という結果に。

一方で「あなたが知っているSDGsに取り組んでいるホテル旅館は何施設ありますか?」という問いに対しては、「0施設」が約32%、「1~5施設」は約52%と、関心を集める一方で、内容についてはあまり知られていない実態が明らかとなりました。

そこで、有名ホテル旅館のSDGsの取り組みを一部ご紹介します。

【星野リゾート】コロナ禍で大量破棄の危機を迎えた生乳を「ミルクジャム」に

古くは1915年から木製水車を利用した水力発電を開始し、2005年環境省「第1回エコツーリズム大賞」受賞をしている、星野リゾート。昨今では、リゾナーレ那須にて、コロナ禍の影響で学校給食や外食産業における牛乳および乳製品の消費量低下による生乳のフードロスを「ミルクジャム」へと加工する施策を始め、行き場を失う生乳の廃棄削減に貢献しています。
その他にも、星のや軽井沢では自家水力発電と地中熱・温泉排熱利用設備を導入し、使用エネルギーの約7割を自給する(2020年時点エネルギー自給率 71%)ほか、客室でのペットボトル入りウォーターの提供をやめ、パブリックスペースにウォーターサーバーを設置するなど、環境経営はもちろん、伝統文化・工芸の継承に向けた取り組みなども積極的に行っています。

【帝国ホテル】「SDGsを学ぶ宿泊プラン」をはじめ周知活動にも注力

開業130年を迎えた帝国ホテルは、2020年にサステナビリティ推進委員会を発足。オーダーバイキング制を導入して過剰な生産・破棄を減らす取り組みや、レストラン等で出た生ごみを乾燥させて野菜肥料にするなど、さまざまな取り組みを行っています。
周知活動にも力を入れており、2021年の8月に発売された「SDGsを学ぶ宿泊プラン」では、“帝国ホテルSDGs Book”に沿って部屋やホテル内を探索したり、客室に飾られたバラ等の花を再利用したポプリを作る体験ができたりと、子供たちでも楽しくSDGsを身近に感じられるような内容が展開されました。日本を代表するホテルならではの力強い邁進力に今後も期待されます。

【スーパーホテル】宿泊自体がCO2削減につながる「ECO泊」

2021年時点で全166店舗をもつスーパーホテルではユニークな取り組みを行っています。そのひとつが「ECO泊」。予約宿泊を対象に、利用者が宿泊で排出した二酸化炭素を100%カーボン・オフセット(※)し、スーパーホテルが相殺するというもの。
さらにベッドリネンの洗濯に1室あたり約7ℓ以上水が使われることに着目し、「翌日の清掃不要」を申し出た連泊の宿泊者にミネラルウォーターを1本プレゼントする「エコひいき」というサービスも。ほかにも「エコひいき」では、歯ブラシを未使用で返納したり、マイ箸を持参するとささやかなお菓子をもらえるとのこと。

※カーボン・オフセット:日常生活や経済活動で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスについて、削減努力をしてもどうしても削減できない分を植林・森林保護・自然エネルギー事業などで埋め合わせすること。

さまざまな取り組みが広がる、旅行業界のSDGs。私たちが宿選びに「SDGs」を意識することは、日ごろからSDGsに取り組んでいる宿を応援し、後押しすることに繋がります。自分たちのことだけではなく、多角面でのベネフィットが期待できるため、旅行自体もより楽しめそうですね。