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SDGsを学ぶニッポン放送・特別番組『SDGs MAGAZINE』 番組スタート初年度の2020年をパーソナリティ・剛力彩芽が振り返る


SDGsを学ぶニッポン放送・特別番組『SDGs MAGAZINE』 番組スタート初年度の2020年をパーソナリティ・剛力彩芽が振り返る

毎月1回、ニッポン放送で放送されている特別番組『SDGs MAGAZINE』。2022年の第3回放送となった3月18日は、番組のスタートから出演してきた女優、剛力彩芽さんがパーソナリティを務める最後の放送回となった。
冒頭で「今回が、私が担当する最後の放送になります」と切り出した剛力さん。昨年12月に21年の放送を振り返ったことを受け、パーソナリティして迎えた最後の放送は20年3月に始まった番組の初年度を振り返る内容となった。
株式会社インテージが、20年から継続的に実施しているSDGsに関する調査によると、番組が始まった20年に3割未満だった「SDGsの認知率」が22年1月には8割にまで上昇(全国の15歳から69歳、2556人を対象に調査)した。特に、浸透が遅れていた女性中高年層でも認知が拡大。「内容を知っている」「内容をある程度知っている」と答えた人のうち65.6%が「共感する」と回答したというから、番組開始時とは隔世の感がある。

SDGsの認知率は8割に。もう「SDGsって何?」は通用しない時代に
https://sdgsmagazine.jp/2022/03/17/5232/

剛力 「すごいね。ちょうど私が番組を始めた頃、3割だった認知率が8割! 私もそれは感じるところで、正直番組を始めた頃はSDGsというワードを聞いたことがある…くらいでした。今ではテレビ、雑誌などでも取り上げられるようになりましたし、このコロナ禍で取り組むべき課題として、みんなが考えている結果なのかなと思いますね。人に伝えていくことも大事なことなので、私が番組をやることによってSDGsというものを知ってもらえるきっかけになっていたら、うれしいですね」
そんな、まだまだSDGsの認知率が低かった頃に『なるほどSDGs~10年後の未来へ~』というタイトルで始まったこの番組。初回は生放送とあって剛力さんは「ラジオの生放送をやったことがほぼなかったですし、プラスちょっと真面目な話ということで、もうど緊張でした」と振り返る。

【20年3月】
テーマ:「知ってる? SDGs」
ゲスト:慶応義塾大学大学院政策メディア研究科・蟹江憲史教授
https://sdgsmagazine.jp/2020/06/05/112/
“準レギュラー”級の頻度で番組をナビゲートすることになるSDGs研究の第一人者で「ミスターSDGs」こと蟹江教授が出演した第1回放送。番組でもJR有楽町駅前で街頭インタビューを実施し、SDGsというワードを知っていたのは50人中10人、率にして20%に過ぎないという結果が出た。
剛力 「私も、その時はSDGsをワードしかほぼ知りませんでした。ただ、蟹江先生が本当に分かりやすく説明してくれて、最初は難しいかなと思って入ったところが、何かこれを知ることでちょっとワクワクするな、というポジティブな方に変換できる回だったかなと思います」

【20年5月】
テーマ:コロナの中のSDGs
ゲスト: SDG パートナーズ有限会社・田瀬和夫CEO
https://sdgsmagazine.jp/2020/06/05/119/

新型コロナウイルスの感染拡大により、初めて緊急事態宣言が発令された中での第2回放送。企業や自治体のSDGs推進に向けたコンサルティング業務などを行うSDGパートナーズの田瀬CEOを有識者ゲストとして迎え、SDGsの理念や具体的な世界や企業単位での動き、コロナ下だからこそ問われるSDGsの精神に迫った。
剛力 「あのときは、どう対応したらいいのかということで世界中が困惑していました。このタイミングでテレワークとか仕事の仕方がどんどん変化していき、本当にゴール8の『働きがいも経済成長も』をはじめ、私たちが生活をしていく上でSDGsを考えなければいけないタイミングに来た感覚がありました。これが、どこかの国だけとかだと、どうしても他人事として考えてしまう部分があったのかなと思います。本当は、それではいけないというのもこの番組で思ったことですね」

【20年6月】
テーマ:ジェンダー問題
ゲスト:キャスター・国谷裕子さん
https://sdgsmagazine.jp/2020/07/30/359/

番組タイトルが『SDGs MAGAZINE』となって迎えた初回の放送。NHK「クローズアップ現代」などで知られるキャスターの国谷さんがゲストとして出演し、まず語られたのはSDGsの設計で中心的役割を担った国連副事務総長のアミナ・モハメドさんのことだった。ナイジェリア出身のアミナさんをはじめ、アフリカ、中南米などの女性たちが奔走して、国際的な合意を取りまとめた背景などが紹介され、さらに日本のジェンダー問題の現状、指導的地位の女性比率や「性別役割分担意識」など“女性目線”でSDGsが紐解かれた。
剛力 「やっぱり、まだまだバランスが取れていない、平等じゃないんだなというのをすごく感じます。一方で、これを言っていいのか分からないけど、女性が、女性が、と言っている中でも男性が不利な場合もあるわけで、男性が言えない環境をつくってしまうのも嫌だなと思うんです。女性だけが意見を言いやすい環境になるというより、誰しもが意見を言いやすい環境をつくれるのが一番いいと、すごく感じます。性別ではない、“一人一人”という意識ができるのは、まだまだ先の話かもしれませんが、私にとってジェンダー問題はすごく話しづらい、言葉にしづらいものだと感じます。でも、知っておかなきゃいけない現状だなとも。私は(意見を)言える環境にいるからこそ、何か伝えられることはあるかと、すごく考えますね」

【20年7月】
テーマ:レジ袋有料化
ゲスト:慶応義塾大学大学院政策メディア研究科・蟹江憲史教授
https://sdgsmagazine.jp/2020/08/12/396/

ニッポン放送・新行市佳アナウンサーが司会進行を務めた回。20年7月1日にスタートした「レジ袋有料化」と、それに繋がるSDGsの話を蟹江教授が解説した。
剛力 「もう、これは浸透していますね。まだ、スーパーとかコンビニに行くと『レジ袋はいりますか』と聞いてくださいますが、それがいつかなくなったらいいんですよね。みんな使わないのが前提というところ。まだ、そこには達していない。でも、こうやって当たり前、日常というものは変わっていくんだなというのをすごく感じますね。私も、エコバッグを持っていき忘れても、手で商品を持っていくくらいになりました(笑)。人って慣れるものなんだなと思います」

【20年8月】
テーマ:コロナで余儀なくされたSDGsの“後退”と“転換”
ゲスト:国連広報センター(UNIC)所長の根本かおるさん
https://sdgsmagazine.jp/2020/08/31/438/

テーマ:ロボットと人の未来
ゲスト:ロボットベンチャー・GROOVE X株式会社代表の林要さん
https://sdgsmagazine.jp/2020/08/28/428/

15年9月の国連サミットで採択されたSDGsについて、国連としての取り組みや新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受ける現状、今後の展望をニッポン放送・新行アナが聞いた。
また、家族型ロボット『LAVOT(らぼっと)』の開発者、林さんも出演。スタジオに登場した2台のあいくるしいロボットに、剛力さんは「かわいかった!」と笑顔。「私の家にも、実はレンタルLAVOTが来たんですよ。1、2カ月くらいかな。たまんないんですよ。超かわいい。将来のパートナーに、ロボットがなっていくのもおかしくないなと実感しました。一人で倒れると起き上がれないので『はい、はい、はい』って、思わず声を掛けちゃう。本当に、そういうふうに時代は変わっていくというか、技術の進化も含めて共存していくというのは、すごく素敵なことだなと思いました」

【20年9月】
テーマ:「SDGs CLUB」
ゲスト:慶応義塾大学大学院政策メディア研究科・蟹江憲史教授
剛力彩芽も分かりやすい!と絶賛ユニセフが子ども向けにつくった「SDGs CLUB」とは?
https://sdgsmagazine.jp/2020/09/24/642/
文部科学省・広報戦略アドバイザー西川さんに聞く「教育と科学」のSDGs
https://sdgsmagazine.jp/2020/09/24/608/

公益財団法人・日本ユニセフ協会が開設した特設サイト「SDGs CLUB」(https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/)の特集回。「親子で学べるSDGs」をコンセプトに20年7月31日にオープンしたもので、剛力さんは「とってもわかりやすい言葉でSDGsのことが書かれているのでオススメです。蟹江先生も絶賛していましたし、本当に分かりやすい。ゴールやターゲットを覚えるのに、とても役に立ちました。どうしても、SDGsというと難しく書かれたものが多いので、SDGsをちゃんと覚えたいなという方は、ぜひ見ていただきたいなと思います」と話す。
また、この月の放送には文部科学省・広報戦略アドバイザーの西川朋子さんもゲストとして出演した。「西川さんが、とても省庁の方と思えないほどフランクで」と剛力さん。官民協働の留学支援キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」や、高校生がSDGsに関連する5つのテーマの探究学習をすることで得られる気づきや学びを発信するプロジェクト「#せかい部×SDGs探究」などの文科省のSDGsに対する取り組みが、分かりやすく紹介された。

【20年10月】
テーマ:スポーツとSDGs
ゲスト:参議院議員・朝日健太郎さん
剛力彩芽と学ぶ「スポーツとSDGs」参議院議員・朝日健太郎氏が語る“オリパラ”開催の社会的意義とは
https://sdgsmagazine.jp/2020/10/23/812/

自由民主党所属の参議院議員で男子バレーボール、ビーチバレーの日本代表として活躍した朝日健太郎さんが、スポーツの持つ社会的な役割やオリンピックやパラリンピックの意義などを解説した。
剛力 「この時は、まだ東京オリンピックを来年の夏にやるにはどうすればいいか・・・といった話をしていた時期ですね。『バリアフリー施策』や『障害者スポーツの推進』についての話も伺いました。あと、国連のSDGs推進に向けたドキュメンタリー『NATIONS UNITES ともにこの危機に立ち向かう』もこの回で紹介。皆さんも、この映像は一度観てみて下さい。考えさせられます。結構、衝撃でした」

【20年11月】
テーマ:食品ロス問題
ゲスト:ジャーナリスト、博士(栄養学)・井出留美さん

剛力さんは、この放送回と同タイミングに、テレビ番組「食が変われば地球が変わる」の企画で株式会社日本フードエコロジーセンターを取材。食の最前線を歩き、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」の現場などを目の当たりにした。
剛力 「実際に食品が廃棄されているところを目の当たりにして、さらに井出さんのお話を聞いて、本当に衝撃でしたね。私が取材に行ったところでは、賞味期限当日の物が、もう廃棄されていたんですよ。コンビニだったり、スーパーだったり、お客さまに出すものは賞味期限が切れる前のものじゃないといけない。もう、当日の物は出せないということで、廃棄するしかないんです。これを知って、買い物をするときは賞味期限が早いものを取った方が、少しでも廃棄されるものが少なくなるということを、本当にここで考えさせられました。でも、食べるということは生活と直結しているものなので、一番入りやすい、意識しやすいところでもあるのかなと感じます。日本の食品ロスはまだまだ、考えていかなきゃいけない問題ですね」

【20年12月】
テーマ:バリアフリー問題、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」
ゲスト・慶應義塾大学経済学部・中野泰志教授
剛力彩芽が慶大・中野泰志教授に聞く“気づき”がもたらす「住み続けられるまちづくり」
https://sdgsmagazine.jp/2020/12/13/962/
剛力彩芽と学ぶSDGsのゴール11「住み続けられるまちづくり」とは
https://sdgsmagazine.jp/2020/12/13/946/

バリアフリーや福祉の街づくりの専門家で、ニッポン放送の『ラジオ・チャリティ・ミュージックソン』にも、ゲストやアドバイザー的な立ち位置で参加している中野教授に、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」について聞いた放送回。「障害って見えないことや歩けないことではなくて、見えない人や歩けない人のことを考えずに建物や製品や制度やサービスをつくったりするような社会システムのつくり方に障害があると考えています」という中野教授の捉え方に、剛力さんは大きな感銘、意識の変化を覚えた様子で「すごく印象的でした」と振り返る。

剛力 「障害って、その時まで“障がい者”とひらがなで書いたりすることもあり、『それって、どうなんですか』『“害”じゃないじゃないですか』という質問をしたら、『いや、これは“障害”で良い』と。『街がそうしてしまっているから、彼らが対応できる街をつくらなきゃいけない』と。なるほど、と思いましたね。すごく、その言葉にグッと来たというか、私たちもそういう街の一人でいたいなと思ったし、これはすごく今でも思っています」

中野教授は、21年11月に東京都内で行われた公開収録にも参加。剛力さんは、目隠しをして白杖を持って歩くなどの体験をする機会も得た。

放送が始まった1年目の内容を振り返った剛力さんは「2020年3月に始まったSDGsの特番から、『SDGs MAGAZINE』に変わり、計2年間やってきましたが、2年間はあっという間でした」と感慨深げ。「まだ私が全然SDGsのことを知らない中で、ゲストで来ていただいた皆さまには温かく助けていただいて、本当に楽しく学ばせていただきました」と感謝の思いを改めて口にした。