親子でSDGsを話し合うきっかけづくりに!SDGs教育ツール『えらぶっく』
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SDGs(持続可能な開発目標)には、「質の高い教育をみんなに」という目標があります。この目標の中では、男女による教育格差の是正も謳われていますが、この目標を達成するためには、幼い頃の教育内容でアンコンシャスバイアスを育てさせないこと内容も大切ですし、結果、ジェンダー平等に繋がると考えることができます。
しかし、幼い頃の教育は重要だと認識していながらも、SDGsについて、子どもとどのような取組みをしたらよいのかわからないという、親御さんも多いのではないでしょうか。そこで今回は、SDGsについて親子でどのような取組みをしていったらよいのかについて考えたいと思います。
世界では学びたくても学べない子どもたちがいる
日本では憲法で、小学校、中学校での9年間を義務教育の期間として定められています。そのため、なぜSDGsの目標で、このような項目があるのか想像することが難しいかもしれません。
しかし世界を見ると、学びたくても学べない子どもがたくさんいます。小学校に通えない子どもは5700万人、うち3200万人はアフリカ地域、1300万人は南アジア地域だと報告されています。さらに全世界で6億1700万人の若者が、基本的な計算や読み書きの能力が欠けているともいわれています。また、女性の小中高校への入学に対する障壁は高く、女性は教育に不利な立場に置かれ、スキルを身につけたり、雇用機会を得ることが難しく、差別や貧困、飢餓など負の連鎖が続いている国もあります。
昔の日本でも、女性に教育は必要ない、女性の役割は子どもを産むこと、妻や母親になること、という偏見がありましたが、世界では現在もこのような偏見や差別で、女性の教育を妨げているという国や地域があります。
このような問題を解決するためにも、すべての人が質の高い教育を受けることは大切ですし、また、現在は男女関係なく義務教育を受けることができる私たち日本人も、いろいろな考え方の人がいるといった多様性を認め合う教育、つまりアンコンシャスバイアスを育てさせない教育も、これからのは、幼少期の教育には重要になってくるのではないでしょうか。
日本でも広まりつつあるSDGsの早期教育
イー・ラーニング研究所が実施したSDGsに関する意識調査において、SDGs教育、およびESD(持続可能な開発のための教育)に取組みたいと考えている教育者や親は多いけれど、なかなか手がつけられていない現状であるという結果がでました。
また、SDGsについて積極的に学んでほしいという思う親が9割以上であるものの、一方では、家族で話し合ったことがあるというのは約3割程度でした。このことから、SDGsについて家庭内でどのように会話し、学ばせればよいのか、きっかけづくりに困っている親が一定数いることがわかります。
親子でSDGsが学べるツール『えらぶっく』
「幼い頃に学んだ習慣は生涯にわたって維持することができる」という考え方で、欧州では1990年代から学校でESD((持続可能な開発のための教育)が推進されてきたそうです。その結果、SDGsが習慣化されている北欧では幸福度も高い傾向があり、SDGsと幸福度の関連性も注目されています。
日本でもSDGsの認知度は上がってきましたが、幼少期からSDGsの話題が身近にある欧州と比べると、日本でSDGsについて会話をすると道徳的になりすぎてしまうという課題がありました。
このような背景の中で、SDGs教育ツールとして無料公開されたのが『えらぶっく』になります。『えらぶっく』は、世代を問わずに親しまれている「ももたろう」「さんびきのこぶた」「アリとキリギリス」を題材にして、SDGsの考え方に触れながら、結末を自分で作り上げることができるデジタル絵本になります。
『えらぶっく』では、物語の途中の分岐点で読者が次の展開を選ぶことができ、その選択によって物語のストーリーと結末が変わります。それぞれの選択肢はSDGs17の目標に紐づいているため、楽しみながらSDGsの考え方に触れることができます。
また、自分の選択で物語のストーリーや結末が変わることから、未来の担い手である子どもたちに「未来は自分たちの手で変えることができる」という気づきを得ることができます。
ももたろうは、学校でサルと犬に出会った!?未来を選べる物語『えらぶっく』
世代を問わずに親しまれている物語の「ももたろう」「さんびきのこぶた」「アリとキリギリス」を『えらぶっく』では楽しむことができます。この画面では、どういう選択をしよう?と読者がその後のストーリーを選択することができるほかに、『えらぶっく』には以下の特徴があります。
えらぶっくの特徴1)登場人物の行動を自分で選ぶことができる
話を読み進めると、登場人物の行動を選ぶことができる分岐点が出てきます。分岐点ごとに選択肢が二つあり、次のシーンではそれぞれ違った展開が待っています。
えらぶっくの特徴2)選択によって、いくつもの展開と結末が待っている
たとえば「ももたろう」では、物語の序盤でおじいさんが「山のゴミ拾いをする」を選ぶと、山を綺麗にしてくれたお礼にとキジが鬼退治に加勢する展開になったり、ももたろうが「学校に通う」を選択すると、学校でサルや犬と友だちになったり、剣ではなく他のアイデアで鬼退治をするという展開になったりします。選んだ展開の積み重ねによって、物語の結末も変わります。
えらぶっくの特徴3)SDGsについて学べる「メダルずかん」
分岐点に用意された二つの選択肢のうち一つは、SDGsに関連の深いアクションになっています。このSDGsの関連したアクションを選択すると、SDGsメダルを手に入れることができ、読後はその話の中で手に入れたずべてのSDGsメダルについて、詳しい内容を確認することができます。
新渡戸文化学園では、子どもたちが「現在のアクションと未来のつながり」をより意識するきっかけをつくることを目的に、『えらぶっく』を活用したワークショップなども展開されています。
このワークショップでは、『えらぶっく』での選択肢には、海が好きな人もいれば、山も好きな人がいるように、それぞれの選択肢には正解、不正解はないということを伝えているそうです。この考え方は、アンコンシャスバイアスを育てさせないことにもつながりますよね。『えらぶっく』を活用して、親子でSDGsについて話し合うきっかけづくりをしてみてはいかがでしょうか。
『えらぶっく』ウェブサイトはこちら