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国連機関 UNAIDSが立ち上げた新しい試み、Unbox Meとは?

国連機関 UNAIDSが立ち上げた新しい試み、Unbox Meとは?

#SHOW CASE
  • ジェンダー平等を実現しよう

2022年3月30日、WHO(世界保健機関)、ユニセフ(国際連合児童基金)をはじめとした国連機関が一体となって進めているUNAIDS(国連連合エイズ合同計画)は、3月31日の「国際トランスジェンダー認知の日」を前に、子供の性同一性障害に対して、保護者や教育者、その他子供を取り巻く大人のコミュニティーにより広く意識を高めていくためのキャンペーン「Unbox Me」を立ち上げました。

UNAIDS(「ユーエヌエイズ」)とは?

UNAIDSはもともと、世界で感染が増大するエイズの感染対策を目的に活動する国連機関です。また、感染を未然に防ぐだけではなく、感染してしまった人に対しての心のケア、体のケアも支援しています。

画像出典:UNAIDS公式サイト

Unbox Meキャンペーンの目的

Unboxとは、箱を開けるという意味のスラングです。例えば、新しく購入したものを開封したり、人からもらったプレゼントをひらいたりする時、人はunboxingする、と表します。

トランスジェンダーの子供たちは、少数派の考え方を理解できない人からの避難に直面し、壁にぶち当たることが多くあります。UNAIDS、そして今回の新しいキャンペーンUnbox Meは、そんな彼らに救いの手を差し伸べるものです。

そもそも、Unbox Meというタイトルは、子供たちが自分の好きなもの、大切なものを箱にしまい、隠すことを好む傾向があることに由来しています。その隠された“大切なもの”とは、彼らのアイデンティティや夢であったりします。
Unbox Meの目的は、少数派であることが原因でトランスジェンダーの子供たちが周りに気づかれないようにと隠すアイデンティティ、いわば宝物に対して、自身の性対象を隠さなくてはいけないという先入観を拭うことです。
UNAIDSのコミュニケーションディレクター、マヘシュマハリンガムは、「私たちの多くは、性同一性障害を通常のことと捉えているが、多くの子供にとってそれはそう簡単なことではない。その苦境は、生きることとの奮闘につながる。」と語ります。また彼は、「そんな彼らが自由に表現するため、世界はサポートを与えてあげる必要がある」と付け加えています。

Unbox Meのスタートとこれから

Unbox Meの活動のスタートは、トランスジェンダーの子供たちの90%が15歳までに家から出され、路頭に迷うと言われているインドから始まりました。さらに、キャンペーンはグローバル化に向けて取り組んでいます。
昨年、彼らは広告代理店であるFCB Indiaとタッグを組み、「The Mirror」という短編映画を制作。インドの教育現場で早くも支持を集め、性教育について話し合うきっかけとして多くの学校で使用されています。また、自分のジェンダー観を否認され傷ついた子供たちが、犯罪に手を染めてしまうケースは少なくないと言います。UNAIDSはトランスジェンダーの権利を確保し、周りの人々からの承認や、可能性を示して、彼らの非犯罪化に取り組みます。

人々の愛の未来を創ろう

人が人を好きになるその行為に、男女という枠組みは必要がないはず。私たちの認識が、今後の未来を創ります。当たり前が当たり前として認められるために、Unbox Meがスタートしたアクションを見習い、私たちももう一度性について、そして愛について考え、認め合う心を意識していきたいものですね。

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