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日本の台風は9月〇〇日が超危険!? 「気候変動との関係」と個人にできること


この記事に該当する目標
11 住み続けられるまちづくりを
日本の台風は9月〇〇日が超危険!? 「気候変動との関係」と個人にできること

毎年9月ごろになると心配なのが、台風の影響。せっかくお出かけの計画を立てたのに台風のせいで中止に…。ひどいときには、浸水や土砂崩れなどで、避難を余儀なくされることもあります。
台風による被害が近年大きくなっていると感じている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、台風と気候変動との関係、個人でもできる台風対策について見ていきましょう。

今年の台風は23個の予想!「台風の特異日」9月x日は注意が必要

ウェザーニュースによると平年の台風発生数は、8月が5.7個ともっとも多く、次いで9月が5.0個。2022年の台風傾向によると、今年の台風発生数は23個前後と予想されています。

平年よりは少ない見込みですが、進路に違いがあるので、日本に上陸するかどうか、自分の住む地域を直撃しないか、動きには注意する必要があり、嵐が去った後も油断はできません。
記憶に新しいところでは、お盆休みに台風8号が静岡県の伊豆諸島に上陸し、関東地方を縦断。東北地方では猛烈な雨が続き、秋田県五城目町では河川の氾濫が発生し大きな被害を受けました。

実は、「強い勢力」以上で上陸するのは、台風発生数がもっとも多い8月よりも、9月、10月!

そこで注目したいのが、「台風の特異日」。
「特異日」とは、ある気象現象がその前後に比べて現れやすい日(あるいはその日頃)のことを言います。全国的に晴天が現れやすい11月3日の「晴れの特異日」が有名ですが、このほか台風にもその特異日があります。明確な原因は分かっていませんが、おおむねその時期に現れやすいということが統計的にみられます。
以下は「大型台風の特異日」と呼ばれる日(日付は上陸日)です。

9月16日~17日
・枕崎台風(1945年 広島などで死者行方不明3,756人)
・アイオン台風(1948年 岩手などで同838人)
・第2室戸台風(1961年 近畿、北陸などで同202人)

9月26日~27日
・洞爺丸台風(1954年 北海道などで同1,761人)
・狩野川台風(1958年 静岡などで同1,269人)
・伊勢湾台風(1959年 東海などで同5,098人)

エリアも定まっておらず、全国どこでも被害が起こり得ることがわかります。近年は、台風の影響が大きくなっていると感じることもありますが、実際はどうなのでしょうか。

地球温暖化の影響で台風がさらに凶暴に…

気象庁気象研究所の分析では、太平洋側を通過する台風は過去40年で多く、強く、遅くなっているようです。この傾向が続けば、最大級の強さである「スーパー台風」も増えていくかもしれません。

また、気象庁気象研究所などのグループが行った、地球温暖化に伴う、台⾵(熱帯低気圧)の移動速度の将来変化の評価でば、このままでは、今世紀末には移動速度が約10%遅くなる可能性もあるとしています。移動速度が遅くなれば、台風の影響を受ける時間が長くなるということ。河川の氾濫や土砂災害などが、起こりやすくなると考えられるでしょう。

地球温暖化による異常気象は、私たちが体感できるレベルにまで進んでおり、地球温暖化、気候変動への対策は、急務だといえます。

台風に強いまちづくり

気象庁が発表しているデータによると、台風がもっとも上陸する都道府県は、第1位「鹿児島県」、第2位「高知県」。日本の中でも台風への対策がより求められる街では、どのように「災害に強いまちづくり」がされているのでしょうか。上記の都道府県の台風対策から、特徴的なものをご紹介します。

1.鹿児島県の事例

台風以外にも火山や地震も心配な鹿児島県では、「防災研修センター」が充実しています。センター内では、パネルや映像、模擬体験を通して、災害への知識と備えを学ぶことが可能です。
中でも面白いのが、ゲームで学べる体験研修です。パズルを完成させると防災クイズが出てくるパズルクイズゲーム、欲しい防災グッズを身振り手振りで伝えるジェスチャーゲーム、防災かるた、防災時の決断の分かれ道をゲームにしたクロスロードゲームなどがあるようです。
「防災のため、風呂の残り湯を浴槽にためておくといいと言われるが、かびや湯あかで掃除が面倒。それでも残り湯をためておく?」などの問題があり、大人にも役立ちそうな防災研修が行われています。

2.高知県の事例

高知県の黒潮町では、「犠牲者ゼロ」を目標に「We Can Project」を掲げています。津波のイメージがついた黒潮町では、災害を前に避難を諦めたり、津波リスクを恐れて町に住むことを諦めたりする雰囲気が住民に蔓延している受けて始められました。
「We Can Project」では、発災時の非常食の確保と、町内の雇用の場の創出を主な目的として、地域の食材を利用した缶詰を製造・販売。アレルギーに対応し、味やパッケージにもこだわっています。
“一番危険な町”と呼ばれているなら、逆に“防災について一番知っている町”にならなければならない、という思いのもと、防災から新しい産業も生み出した黒潮町。新たな発想から生まれた「災害に強いまちづくり」の素晴らしい一例ではないでしょうか。

個人でもできる!台風対策

今後、より猛威を振るうと考えられる台風。被害を受ける前に、個人でできることを確認しておきましょう。

1.避難場所の確認

台風によって避難しなければいけないとき、どこに行くべきか事前に確認しておくことは必須です。台風の場合、河川の氾濫、増水が起こるので、地震の時と避難場所が異なることもあります。どの経路で避難場所に行くのか、ハザードマップをもとに確認しておくと安心です。
また、家族でどこに避難するのか確認するとともに、災害用伝言ダイアル「171」など、連絡手段を相談しておくことも大切です。

2.災害時の備え

台風によって、停電や断水が起こることがあります。避難指示が出ていないときでも、暮らしに困ることはあるでしょう。懐中電灯やミネラルウォーター、情報源となるラジオなどは用意したいもの。
さらに、避難しなければいけないときの備えも必要です。非常食や簡易トイレ、スマートフォンの充電器、ブランケットなど暖を取れるものなど、避難グッズは家族分を用意しておき、家族全員がどこにあるかを把握しておきましょう。防火・防水バッグに入った「非常用持ち出しセット」を購入するのもおすすめです。

3.地域コミュニティとの関わり

住んでいる地域で、どのような災害対策がされているか、都道府県、市町村のホームページなどで確認してみましょう。子供でも理解しやすい災害への備えについてのレクチャーや避難訓練など、地域の取り組みに参加することで、災害の知識を深めることができます。同時に、地域の人たちと顔見知りになることで、いざというときに助け合うことができるでしょう。

年々、台風の被害が目立つ日本。住む場所を選ぶ際にも、災害に強いまちがどうか吟味したいところです。個人レベルでもできる防災対策とともに、地球温暖化対策も実践していきましょう!