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梅雨明け、実は明けていなかった!?日本ならではの「梅雨入り」「梅雨明け」宣言事情

梅雨明け、実は明けていなかった!?日本ならではの「梅雨入り」「梅雨明け」宣言事情

#TREND
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 気候変動に具体的な対策を

GWから1ヶ月以上が過ぎ、今年も半分が終わろうとしています。新生活に慣れてきた方も多いのではないでしょうか。6月といえば梅雨ですが、毎日のように傘を持って学校や会社に行かなければならず憂鬱ですよね。梅雨明けが待ち遠しく感じますが、実は夏の前に宣言される「梅雨明け」は、速報値ということをご存知でしょうか?速報値とは確定される前に情報として用いられる値のこと。実際に梅雨明けが確定するのは秋ごろになります。特に昨年は、関東甲信越の梅雨明けが6月27日頃という速報値が出され、統計開始以来の最短記録として話題になりました。でも秋に発表された正式な関東甲信越の梅雨明けは7月19日頃。実際には1ヶ月遅い梅雨明けだったのです。ではなぜ速報値と確定値にこんなに差があるのか、そもそも「梅雨入り」「梅雨明け」とは何なのか。
二つの宣言があるのは、災害が多い日本だからというところにあります。今回は、大雨による災害と環境問題について考えていきます。

実は定義がない梅雨入りと確定値がある梅雨明け

6月が近付くと天気予報を気にすることも多くなりますよね。
家を出る際や帰ってくる時間に傘がなくては大変です。いつでも折り畳み傘を鞄に入れておくことも可能ですが、なるべく荷物は少なくしたいところ。そんな時に「梅雨入り」の情報を耳に入れておくと、傘を持っていくことに意識が向き、安心できますが、実はその「梅雨入り」には定義がありません。雨がどの程度降れば梅雨、といった決まりがないのです。気象庁が発表している梅雨入りとは、それまでの天候と、これから1週間の予報をもとに、雨や曇りが多くなると思われた頃が梅雨入りとされます。
ではなぜ定義がないのに「梅雨入り」を発表するのでしょう。それは、日本ならではの理由で、雨が降りやすい時期になると、大雨の影響で災害が発生しやすくなるためです。災害が多い日本だからこそ、「防災のための注意喚起」目的として、宣言が出されています。また「梅雨明け」には確定値がありますが、この頃には世間の興味がその後の天気に移っていることから、大々的に発表はされません。天気によっては確定値を決定しかねて、修正することもあります。その例として昨年は、6月27日に関東甲信越などで梅雨明けが発表されましたが、実際には7月中旬まで曇りや雨が続き、結果的に約一か月時期を見直したということがありました。

災害が多いの日本だからこそ「宣言」がある

注意喚起をする必要があるほど特に梅雨時期に災害が多くなる日本。では、大雨が降るとなぜ災害が起きるのかを、今一度考えてみましょう。最近特に心配されているのは、地震の影響です。
今年は5月上旬から震度5を観測する地震が多発していることに、不安を感じる方も多くいるのではないでしょうか。大雨の後に地震が起きると、雨で柔らかくなった山が土砂崩れを起こし、二次災害が起きやすいと考えられます。
また台風が多いのも日本の特徴。突風や大雨が一時的に発生し、川の水が溢れそうな場面をニュースで見ることもしばしばありますよね。日本の地形は傾斜が急で、さらに水が溜まりやすい形であることから、洪水が起こりやすいとされています。川から溢れ出した水は、近隣に住む人々の住宅にも浸水し、時には道路冠水を起こして孤立してしまうことも。そしてこのような異常気象による災害は、日本だけではなく、世界中で頻発しています。

世界気象機関(WMO)によると、1970年から2019年の50年間で、気象災害が5倍近く増えている結果が出ているようです。2022年にはフィリピンやオーストラリアなどで大雨による災害が起こり、多くの人が被害に遭いました。また、アメリカでは2020年から続く少雨の影響で干ばつが発生。なんとこの状態は2030年まで続くとされています。このような異常気象の原因は地球温暖化がひとつの原因であると考えられています。 人間の生活は石炭や化石燃料を燃やしてエネルギーをつくり出すようになり、便利になりました。しかし、人の活動が発展していくことで、大気中の二酸化炭素が増え、地球の温度調節が効かなくなっているのです。このことから異常気象が多発していると考えられています。

災害が多くなる梅雨、私たちができる災害対策は

とうとう日本全国が梅雨に入ります。いつくるか分からない災害に対して、普段から天気予報を確認する、ハザードマップを確認する、強い雨が予想される時はテレワークに切り替えるなどの対策をとって自分達の身を守ることが大切です。

また、もしかすると私たちが生活を少しずつ見直して小さな積み重ねすれば、これから起こりうる災害も防げるかもしれません。
例えば、普段から節電を心がけること。電力や熱はガスが燃料となっているので、使えば使うほど二酸化炭素が発生し、地球温暖化を加速させてしまいます。そこで、電球をLEDに替えたり、冷蔵庫の中身を減らし冷気の通り道をつくったり、扉の開閉の回数を減らすなど、少し気にするだけでできる節電方法を試みることも、地球のためになります。また、リユースやリペア、リサイクルに挑戦したり、電気自動車に乗り換えたりすることなどは、家族で楽しみながら実践できそうですよね。なにかと憂鬱になりがちな梅雨、まずは少しでも安全な暮らしができるよう心がけましょう。

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