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東京から1時間!54万人が参加する芸術祭を支える「就農型女子サッカーチーム」の力

東京から1時間!54万人が参加する芸術祭を支える「就農型女子サッカーチーム」の力

#OPINION #SHOW CASE
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 働きがいも経済成長も
  • 陸の豊かさも守ろう

新潟県と聞くと、多くの人が美味しいお米を思い浮かべるのではないでしょうか。実は、お米を育てながらサッカー選手として活動する、という他に類をみないプロの女子サッカーチームがここには存在します。その名も、FC越後妻有。日本一の生産量を誇る米どころである新潟県十日町市、津南町エリアを総称する地名がついたチームです。そもそも、なぜプロ女子サッカーチームがお米を育てているのか。チーム発足の経緯から、メンバーが行う棚田の保全活動、現代アートの芸術祭とのつながりについてみていきましょう。

農業×サッカー×現代アート=高齢化による担い手不足を支える

画像出典:まつだい「農舞台」フィールドミュージアム

サッカー選手、棚田の保全活動、現代アート。一見すると、結び付きようもない3つの要素を結合させている女子サッカーチーム・FC越後妻有。日本全国を見渡しても類を見ないこのチームは2015年に発足し、北信越2部リーグで優勝。現在、1部リーグへ昇格し、なでしこリーグを目指しています。チーム発足のきっかけは、2000年から続く日本の芸術祭のパイオニア的存在「大地の芸術祭 越後妻有」の「まつだい棚田バンク」という取り組みです。プロとしてサッカーをしながら、里山で暮らし、過疎高齢化で担い手不足の棚田を「まつだい棚田バンク」を通して維持するという先駆け的なプロジェクト。棚田の保全と、プロサッカーチームの運営を両立することは可能なのかと一瞬耳を疑うかもしれません。FC越後妻有の選手たちは、豪雪地帯である新潟の地で、オフシーズン中は「大地の芸術祭 越後妻有」の運営にも関わり、地域の方々と関わりを深めているのです。中には、サッカー選手・就農という枠を越えて、まちづくりにおいて広く活躍しています。UターンだけでなくIターンし移住を決意した選手もいれば、越後妻有で結婚・子育てをしながら活躍する選手も、多種多様な広がりを見せています。

世界最大規模!3年に1度、200の集落が関わるまちぐるみの芸術祭

編集部撮影

FC越後妻有を生んだ「大地の芸術祭 越後妻有」(2000年~)は、アートを道しるべに里山を巡る新しい旅のスタイルです。近年、「瀬戸内国際芸術祭」(2010年~)、「あいちトリエンナーレ」(2010年〜)など、日本各地で芸術祭が開催されていますが、旅×アート×地域活性の先駆けとして注目され、その歩みと実績は高く評価されています。はじまりは1994年。アートにより地域の魅力を引き出し、交流人口の拡大等を図る10カ年計画「越後妻有アートネックレス整備構想」がスタート。そのアドバイザーとして、アートディレクター・北川フラムが就任。これが出発点となり、地域活性事業の柱として「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が2000年に本格始動しました。会期毎約50万人が来場し、現在、8回展「越後妻有 大地の芸術祭 2022」が開催中です(〜11月13日(日)まで)。
期間中は新作123点を含む300点以上の作品が公開され、季節ごとの企画展やイベント、アート空間で味わう有名シェフ監修の食事も楽しむことができます。また、公園やトンネル、宿泊施設などの恒久作品も数多く生まれ、地域資源を活かした個性豊かな施設が点在する地域へと毎年進化を遂げています。

編集部スタッフも現地へ足を運び、芸術祭を堪能

編集部撮影

編集部も10月に足を運びました。あまりの良さに11月にリピートしてしまうほど越後妻有大地の芸術祭の虜に。現地のガイド曰く、芸術祭が決定した20年前は、あまりに先駆的な取り組みであったため、「うちの畑によくわからんものを置くなんてそんなすぐ賛成できないよ。ほんとに人は来るのかい?」と地元の方から懐疑的な声もあったそう。「この約20年、新潟県中越地震やさまざまな災害を乗り越えながらも、地域活性の重要さについてじっくり時間をかけて共通認識を深めあってきました。住民と作家が力を合わせ一体となり運営する芸術祭、になるまでは時間がかかったものです」とこれまでの歩みを教えてくれました。実際に作家たちは、作品づくりのために村に寝泊まりして地域の人と交流し、その街の思い出や大切にしていること、さまざまな価値をアートに込めて掘り起し、魅力を高めて世界中に発信しています。いまや住民側から「なんでうちの村の畑にはアート置いてくれないの。はやく待ってるわよ!」と前のめりに協力してくれるような信頼関係がうまれているそう。

編集部撮影

サッカーのオフシーズン期間には、プロ選手自らが芸術祭スタッフとして案内してくれるのも、令和らしいデュアルライフ・パラレルワークスタイルを体感できる見どころだと感じます。

東京から新幹線で1時間!
会期中3回までお得なパスポートで来場できます!

編集部撮影

芸術祭巡りにとても便利なのが、作品鑑賞パスポートです。公開している作品の鑑賞をはじめ、このパスポートを提示するだけで施設への入館ができたり、越後妻有地域のお店で利用できる割引やサービスの特典もついています。人気の「清津峡渓谷トンネル」も入坑料が割引になります(※要事前予約期間あり)。越後妻有里山現代美術館MonET、まつだい「農舞台」、絵本と木の実の美術館、奴奈川キャンパス、越後妻有「上郷クローブ座」、香港ハウス、越後松之山「森の学校」キョロロは3回まで入場可能です。

新幹線で東京から1時間とアクセスも良し!お米もチームも実を結ぶ新しいIターンの仕組みに触れてみませんか。芸術の秋を堪能する旅行には、新潟・大地の芸術祭がオススメです。豊かな越後妻有の四季をアートと共に体感してみてください。

企画・編集/井口
ライター/木村

WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

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